ALIEN / ALIEN B級感しかない怪しいジャケットの北欧メロハーの秀作

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思いがけず身内に不幸があり、大変ご無沙汰となりました。

ようやく落ち着いてきましたので、ふんどし締め直して頑張って更新していきたいと思います。

アイキャッチ抜群だったアルバムジャケット

BURRN!読者の脳裏に無意識に記憶された怪し過ぎるジャケット

HR/HM専門誌「BURRN!」を昔から購読していた人には、このアルバムジャケットに見覚えがある方が多いのではと思います。

それと、この辺りも。

当然、いずれも話題性の高かったバンドでしたので、記事中でも紹介される機会が多かったのも理由の一つですが、当時これらのアルバムジャケットを目にする機会が多かった「私が思う最大の理由」は、「BURRN!」誌に掲載されていた輸入レコード(CD)店の広告にあるように思います。

「BURRN!」誌って創刊時から構成は一緒で、ライブレポート、メインのインタビュー記事などはカラーページ、コラム記事などがグレー、その他情報記事が白いページという感じですよね。

そのグレーや白のモノクロページの下段には、当時から結構繁盛していた「輸入盤HR/HM専門店」の広告が掲載されていました。

こんな感じ。(新宿レコードさんは勿論国内盤も扱ってますね)

それぞれの店の広告で「おすすめ盤」のアルバム画像が掲載されていましたが、当時「どの店の広告にも必ずと言っていい程に掲載されていた」のが、上記の3枚ではないでしょうか。

しかも、だいたいアルファベット順だったので、ALIENのアルバムはポールポジションでひと際目立ってた印象があります。
知らず知らずのうちに読者の脳裏にこの怪しげなジャケットデザインがインプットされていたことでしょう。
それにしてもB級感が満載のこのジャケットデザインは謎めいていました。
「北欧メロディアスの秀作!」とか一言紹介されていても、ちょっと直ぐには手を出せない怪しさが漂います。

ALIEN どんなバンド?

現役を続ける不死身のエイリアン

エイリアンは1986年に北欧スウェーデンでギターのトニー・ボルグとボーカルのジム・ジッドによって結成されたバンドです。

今回紹介するのは、1988年に発売された彼らのデビューアルバム。

スウェーデン国内での足固めの人気を集めメジャー契約を獲得し、折角デビューアルバムを発売したというのに、いきなりボーカルのジム・ジッドが脱退してしまい、後任にはMADISONのピート・サンドベリが加入するという、当時の北欧メタルシーンにとってはビッグニュース、激震級の出来事だったと思います。

その後も、大成を成し得なかったバンドにありがちな「メンバー不安定状態」が続き、3枚のアルバムを発売しますが楽曲の方向性も定まらずヒットには至りませんでした。
但し、ALIENとしての活動は現在も続いており、2005年には結成当時のオリジナルメンバーが集結しての再結成を果たし、昨年2020年には新譜も発表しています。

まさに「エイリアン級の生命力の強さ」といったところでしょうか。しぶといですね~。

結局、本作デビューアルバムが最高傑作の印象

当時の輸入盤専門店がこぞっておすすめするだけのことはある「楽曲の完成度」を誇ります。

アルバム全体を通じて、北欧独特の暗さ、湿気を感じますが楽曲作りはいたってシンプルなメロディアスハードロックとなっており、丁寧な曲作りが滲み出てくるように聴こえてきます。

特筆すべきはボーカルの上手さ。北欧勢のボーカリストの特徴(個人的な決めつけですが)である「鼻づまり」声質、「ぶっきらぼう」スタイルとは真逆の、非常に丁寧かつ情感を込めた歌唱で安定感は抜群です。
さすが、メジャーデビュー直後に脱退してソロ活動を志すだけはありますね。自分でもそれなりに自信があったのでしょう。

収録の楽曲も、どれをとっても平均点以上のクオリティ。
良く言えば「透明感に溢れ」「流麗なメロディライン」「キャッチーで親しみやすいサビメロ」「安定感のある演奏技術」という評価ができそうですが。
悪く言ってしまうと「フック、グルーブ感に欠ける平坦で薄っぺらいサウンド」「これと言ったインパクトが無く印象に残りづらいメロディ」となってしまいそうな感じです。

とにかく、車の運転で例えれば「アクセルを踏み込むことなく、ずーっと安全運転」と言ったところでしょうか。少し刺激や興奮が欲しくなってしまう衝動に駆られます。
楽曲も全てがミディアムテンポで疾走チューンはありません。

北欧メロディアス = 叙情的・正統派・ドラマティック・哀愁・テクニカルといった要素を大きく持って聴いてしまうと若干の物足りなさを感じてしまうかもしれませんので、注意が必要です。

バンドメンバー・収録曲

バンドメンバー

ボーカル :ジム・ジッド
ギター  :トニー・ボルグ
ベース  :ケン・サンディン
ドラム  :トビー・タラック
キーボード:ジミー・ワンドロップ

収録曲

1.Brave New World
2.Tears Don’t Put Out The Fire
3.Go Easy
4.I’ve Been Waiting
5.Jaime Remember
6.Feel My Love
7.Only One Woman
8.Wings Of Fire
9.Dying By The Golden Rule
10.Touch My Fire
11.Dreamer
12.Mirror

おすすめの楽曲レビュー

オープニング曲。
この楽曲、このボーカルの第一声がエイリアンというバンド、そしてこのアルバムの全てを象徴しているかのようで、解りやすいと思います。
とにかく「全力疾走」はしません。あくまで自然体を貫くある意味頑固さを感じます。
全体を通じて、終始この「マイルドメロディアスハード」が続きますので、聴き進むのか、この場で止めるかのジャッジが可能です…。

Feel My Love

個人的には本作の最高楽曲だと思っています。
透明感と哀愁をおびたメロディラインと印象的なサビメロ。北欧メロディアスハードに期待する要素を兼ね備えた良曲と言えるでしょう。
ギターソロもそれなりに弾いていてなかなか格好良いです。
(どっかで聴いたようなメロディ?)
(ここまでくるともはやAORに近いと言われそうですが…。)

Dying By The Golden Rule

Touch My Fire

この辺りの2曲は「ありがち」とか言ってしまうと身も蓋もなくなってしまいそうですが、変な先入観や過度の期待を持たずに聴いたら、どちらも「普通に良い曲」なのではと思います。
結構、当初からアメリカンハード志向だったんだろうなと思えてしまう楽曲です。北欧勢というアドバンテージを敢えて脱ぎ去る勇気、信念、頭の悪さ(失礼…)を感じます。

まとめ

普通の昼間のバイトの平均時給が700円くらいの時代に、いくらお店のおすすめ盤でもこのジャケットデザインの輸入盤を2000円出して買える経済力を当時は持ち合わせてなく、迷いに迷って一か八かの勝負のように買ったのを思い出します。

エイリアンの伝説とも言えるデビューアルバムは、そんなドキドキ感を想像以上の「優しいメロディ」で受け止めてくれました。

そして今もなお息絶えることなく不死身のエイリアンは活動を続けています…。
ルックスは勿論ですが、サウンド的にも貫録と熟成度を増しており、最新作も後日またレビューさせて頂こうと思います。

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