AUTOGRAPH / Turn up the Radio どんな曲?
デビューアルバム「Sign in Please」に収録のヒット曲
「Turn up the Radio」はアメリカン・ハードロックバンド「AUTOGRAPH」の1984年リリースのデビューアルバム「Sign in Please」に収録されている楽曲で、シングルカットされたヒット曲です。
因みに、バンド名「AUTOGRAPH」はデフ・レパードのヒット曲「PHOTOGRAPH」に由来していると言われており、そのプレイスタイルや音楽性からも頷けます。
とにかく、これぞアメリカン・ハードロックというカラッカラの湿り気の一切ない楽曲群は、何も考えずにただ流しておく作業用BGMとしても最高ですね。
実際、今回おすすめする楽曲も、当時ラジオなどでオンエアされる機会が多く気が付けば流れているといった感じで意図せずとも耳に入ってくる状態でした。(それだけヒットしていたと言えます)
しかし、逆にその脳天気なほどの軽さと、灰汁は強いが表現力に欠ける一本調子のヴォーカルにより、アルバムを聴き進むにつれてどれも似たような楽曲に聴こえてしまい、飽きが生じてしまうのも正直なところです。
どれもキャッチーで良い曲が揃っているんだけど、ん?、どっかで聴いたことあるな?的なパックンちょ疑惑も出てきたりして…。
クセの強いヴォーカル「STEVE PLUNKETT」
ヴォーカルのスティーブ・ブランケットの歌唱は、デフ・レパードのジョー・エリオットに声質や歌い回しが似ている感じ。
ジョー・エリオットをもう少しダミ声にしたような感じでしょうか。
結構、好き嫌いがはっきりと分かれてしまう危うさもあると思います。
私も、初めて聴いた当初はどうしても声がひっくり返って大げさに聴こえる西城秀樹的な歌唱に、チョッとアレルギー反応を起こしてしまいました。
でも、慣れてくると不思議と良いんですよね~。
IRON MAIDENのブルース・ディッキンソンの時もそうでしたけど、第一印象で「うげっ!」っとなったヴォーカリストって、時間を掛けてだんだん慣れてきて最終的には大好きになってはまっちゃう事が多い私です。

細かいことは気にせず直感的に楽しみたいヒット曲
当時はそれ程気にもならなかった楽曲のデティールですが、いざこうして年月を経て聴き直してみると結構厳しい出来映えだったのだなと驚いてしまいます。
サウンドメイクは、キーボードがいる割には奥行きがほとんど感じられない「薄く」て「チープ」な感じ。
特に個人的にはドラムの音は最悪と言わざるを得ない許せないレベル。
当時、ヘアヘアメタル・バンドをあまり好んでは聴いていなかったせいもあり、こんなもんだと言われれば素直に従うしかありませんが…。
ギターのスティーヴ・リンチあたりはかなりのテクニシャンと思いますが、曲調に合わせて(弾きまくりたいのを我慢して)忍耐のプレイに終始している感じですね。
それでも時折、タッピングやスイッチ奏法など色々な奏法を駆使しながらのそれなりのプレイを楽しませてくれます。
以上、「おすすめ」どころか酷評に近い記述になってしまいましたが、不思議とビデオクリップにも相当にお金がかけられていて、このバンドとこの曲を売り込もうという制作側の姿勢、意気込みがプンプン感じられるのが謎です。
「AUTOGRAPH」はこうした数少ないチャンスをしっかりとモノにして、この一曲で一躍ヘアメタル・シーンでの名声を得ることになりますが、そうそう「運」はその辺に転がっているものでもなく、次作以降のアルバムでは低迷の道を辿っていってしまうのでした。
AUTOGRAPH = セクシーロボット
AUTOGRAPHを語る上で避けて通れないのが、アルバムジャケットのアートワーク。
1985年リリースの2枚目のアルバム「THAT’S THE STUFF」に登場した「セクシーロボット」はあまりにも有名ですね。
青ヴァージョンもあります。
モチーフとなっている「セクシーロボット」は日本人アーティストの「空山基」によるもの。
バンドのネームヴァリューの関係で、後発の2001年リリースのAerosmith(エアロスミス)の13枚目のアルバム「Just Push Play」の方が一般的には認知度が高いのかも知れませんが、アルバムジャケットへの採用はAUTOGRAPHの方が元祖です。
バンドメンバー
- ヴォーカル: スティーヴ・ブランケット
- ギター : スティーヴ・リンチ
- ベース : ランディ・ランド
- ドラム : ケニー・リチャーズ
- キーボード: スティーヴン・イシャム
楽曲レビュー
アルバムのジャヶットデザインといい、曲の内容といい「近未来」の世界観を表現したいところなのでしょうが、いかんせんアルバム全体のサウンドメイクが追い付いてなくチグハグな印象です。
でも、そんな中で唯一、サウンドに奥行きが(多少)感じられる曲が本曲ですかね~。
(ドラムだけはやっぱり厳しいですが...)
曲はスローテンポにも近い独特のリズムで進行していきますが、不覚にも無意識に引き寄せられていくような感覚になります。
覚えやすく連呼されるサビメロも良いですね~。
ギターソロはスローテンポをキープしたままにスライド奏法や得意と思われるタッピング奏法を織り交ぜながら無難に上手いことまとめている印象です。
しかしながら、ここでまた一つ苦言を呈したくなるポイントが!。
それはギターのデザインです。
白のストラトに赤いビニールテープを貼ったような安直な稲妻デザイン。(黒の場合は黄色い稲妻)
まあ、ヘアメタル・バンドとしての路線を選んだ以上、全く似合っていないコスチュームや顔の化粧は時代背景として仕方がないとしても、ギターのデザインはもうちょっと他にあったでしょうよ的な「残念なセンス」ですね。
ということで、1980年代に「AUTOGRAPH」なるアメリカン・ハードロックバンドが、一発屋的に「Turn up the Radio」という曲をスマッシュ・ヒットさせたお話でした。
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