最近は、コロナ感染拡大の影響で在宅ワークが多くなり、自宅で仕事をする際の気分転換に、コーヒーやココア、チョコレートやちょっとつまめるお菓子類等の売上が伸長しているようです。
そんな中、最近巷で話題となっているのが「MILO(ミロ)売り切れ騒動」。
えっ?何でまた懐かしのMILO(ミロ)?
ってことで、今回はこの騒動について考えて(っていう程でもありませんが)みたいと思います。
MILO(ミロ)って何だ?
かみさんが買い物から帰ってくるなり開口一番「MILO(ミロ)が売ってたよー!」と雄叫びを上げています。仕事柄もあってMILO(ミロ)が欠品しそうだとの話題は私も知っていたので、会話に乗っかり話していると、傍で聞いていた娘の口から信じられないフレーズが飛び出してきて愕然としました。
「MILO(ミロ)って何?」
ヴぇえええ!、ちょっとありえないんだけどぉおおお!、何言ってくれちゃってんのぉおお!と、思わず叫びたくなるのをグッと堪え、そうか、今の若い人の中にはMILO(ミロ)を知らない人がいるんだと思い知らされました。
MILO(ミロ)の歴史
世の中はオイルショックで混乱し、その後一通りのモノが普及し始めるターニングポイントとなった1973年(昭和48年)にMILO(ミロ)は発売されました。
「強い子のミロ~♪」
発売当時のTVCMで流れていたキャッチフレーズは、当時を生きてきた日本人のほとんどの耳にこびりついているメロディだと思います。
(以下は発売元のネスレグループ社HPより引用です)
・MILO(ミロ)の商品名の由来は、紀元前600年頃のギリシャ神話に出てくるチャンピオンアスリート「Milon(ミロン)」からとっている。
・実は1934年にオーストラリアで生まれで、優れた栄養価を持った大麦の発芽期の成長力を取り込んだ豊富な栄養と、美味しさを兼ね備えた自然の恵みの麦芽飲料である。
・発売当初から現在まで、何も変わっていないようで実は時代に合わせて風味や栄養のバランスに少しずつ改良を重ねている。
のだそうで、大人がコーヒーを飲むように子供は身体に良くて健康的なMILO(ミロ)を飲むというのが昭和世代にはごく自然な日常として生活に溶け込んでいたように思います。
MILO(ミロ)の魅力
またまたネスレ社HPからの引用となりますが、MILO(ミロ)の魅力はやっぱり「栄養価」。他の飲み物との比較でも群を抜いており、最近では「MILO(ミロ)で朝勝つ!」とのキャッチフレーズで、一日を元気に過ごす提案をしているようです。
何だか、MILO(ミロ)の宣伝記事みたいになってきてしまったのでこの位にしておきますが、とにかく、ジュースとかはダメだけどMILO(ミロ)だったらまあ飲んでも良いよ的な、栄養価の高さが免罪符となってお母さんが許可を出す子供の飲み物といった感じでした。
味はココアに近いけどチョッとだけ違うという絶妙の風味で、ほのかに香ばしい香りがした記憶があります。私が子供の頃はお湯で溶かして飲む!一辺倒でしたが、当時から牛乳に溶かして飲むというダブルカルシウム効果を狙った飲み方が一般的だったようです。
MILO(ミロ)の思い出
MILO(ミロ)で思い起こすのは、やっぱりこの時期(冬)の受験勉強。当時の住宅は今ほど密閉性が高くないので、とにかく家の中にいてストーブとか点けてても寒いのなんのです。
そんな深夜の勉強を頑張れる、眠気覚ましの温かい飲み物がMILO(ミロ)でした。懐かしいなあー。
受験生のみなさんはラストスパート、最後の追い込みの時期ですね。
悔いのないように最後まで全力で頑張って下さい!。
MILO(ミロ)売り切れ騒動とは?
そんな、昭和からのロングセラーのほっこりアイテムが何でまた騒動に?。
結局は、ちょっと前の夏に起きた「イソジンうがい薬」騒動と同じような現象のようです…。
2020年8月、大阪府の吉村知事が記者会見で、ポビドンヨードを含むうがい薬が「コロナに効くのではないかという研究結果が出た」と発表。この発表直後からTwitterでは、薬局などでうがい薬の買い占めが始まっていると話題に。昼のワイドショー番組などでも取り上げられ、番組放映中からドラッグストアへ買い求める人が殺到するという状態となった。
あまりの過熱ぶりに、「インサイダー疑惑」までも取りざたされたほどだが、結局後になって科学的根拠は確証が得られていないなどと、うやむやな話のままいつの間にか終息した印象です。
SNS欠品
2020年7月、Twitterで「鉄分が平均の1/7しかない私でも、ミロ飲んだら平均値になりました」との投稿をきっかけに、貧血に悩む女性を中心にSNSでミロに関する情報が拡散されました。(いわゆるSNSバズり)
誰もがSNSによって個人で情報を発信できる世の中になり、インフルエンサー的な元々の影響力のある人は勿論のこと、ごく普通の一般人であっても偶発的な話題性を呼ぶことも珍しくなくなりました。
やがて「ミロ活」なる言葉が生まれるなど、子どもだけでなく大人の女性の需要が急増したことで、市場における流通在庫が急減してしまい、最終的にはメーカーの製造計画にまで影響を及ぼしてしまい欠品が発生してしまったようです。
TV報道
更に、追い打ちをかけるように12月に入ってTV地上波番組でも取り上げられるなどし、とうとうその1週間後に発売元のネスレ日本社から「前年比約7倍(数量ベース)の注文が続き、供給計画をはるかに上回ったため、『再度』販売休止せざるを得なくなりました」との発表がされました。
『再度』?。
そう、夏場のSNSバズりの段階で既に9月末から一時販売を休止しており、11月中旬から出荷を再開した矢先だったようです。
買い占め・転売ヤーについて
需要があるから仕方ない?
こういう状況になると必ず一緒に話題となるのが「群集心理による買い占め」や「転売ヤーによる買い占め」です。今回も1個250円~400円程度の商品が2000円位の値段まで吊り上がってネット取引が行われているようです。
まあ、それでもそれを求めて買う人がいるのだから仕方がないのですかね。そこまでお金を払ってでも購入したいという需要があるから転売ヤーの仕事も成り立っているわけで…。
情報収集とスピードが命?
商道徳上どうなのか?は別として、感心してしまうのが転売ヤー達の情報収集~商売に結び付けるある種の先見の明とそのスピード感です。商魂たくましいというか、常にアンテナ張って商機を探っているんでしょうね。
そういう嗅覚だったり、貪欲さだったりは別のところで見習わないといけないなと素直に思います。
コロナ禍での生活について
冷静になんて呑気でいると自分の生活が...
人間の欲望は無限であり、新しいものや希少性価値の高いものに対してはその欲望が増大していくと言いますが、まさにこうした一連の騒動は、更にそこに輪をかけて群衆心理が加わってそのスピードと規模感を増幅させてしまっているように感じます。
周囲の混乱ぶりを尻目に、クールに自分だけは礼節をわきまえていたいなどと思いたいところですが、そんな悠長なことは言ってられない世の中になってしまったようですね。
それを思い知らされたのが東日本大震災の時の「お米騒動」でした。当時、被災地からの距離もあってのんびり構えていたら、あっという間にお米が市場から無くなってしまい、家族で来週食べるお米が無いぞ!という事態に陥ってしまったのを覚えています。
生活必需品には走るしかない?
震災の時のお米危機を教訓というか苦い経験として、我が家では「生活必需品や無くては困るもの」で買い占め。欠品騒動が起きそう(起こった)な場合には、敏感に反応するようになりました。
(当然のことながら転売目的ではなく自家需要分としてです。)
今回のコロナにおける、マスクや消毒液に関してもかなりの潤沢な在庫を準備したことで、早朝にマスク購入の列に並んだり、個数制限などでの購入制限に苦労することもありませんでした。
何とも世知辛い世の中になってしまったなあとは思いますが、背に腹は代えられず、家族の生活を守り、維持していくためには仕方のないことだと思います。
さて、結論として今回のMILO(ミロ)騒動ですが、少なくとも嗜好品の類であり「無くてはならないもの」ではありません。効率的に栄養を摂取できるのは便利で魅力ですが、他の食品でも補えるわけですからここはチョッと冷静にならないといけないかなと思います。
ココアや、豆乳だって他の栄養価が注目されていますし、最近ではプロテインに代表されるたんぱく質にも注目が集まりつつあります。少しの間、みんな冷静になって我慢している間にネスレさんに頑張ってもらって発売再開を待ちたいものです。
そんなことを思いつつ、何十年振りかの「MILO(ミロ)」を飲みながら記事を書いてみました…。
うーん、懐かしい味!。