3月8日は「国際女性デー」。
女性が参政権を求めて起こした抗議デモを発端として、国連が「国際婦人年」である1975年(昭和50年)に3月8日を「国際婦人デー(現在は国際女性デーと名称変更)」と定めました。
イタリアでは「ミモザの日」ともされ、女性への感謝を込めて母親や妻、友人、会社の同僚などに愛や幸福の象徴でもあるミモザの花を贈る日とされていますね。
HR/HMの世界でもこれまでに多くの女性バンドがファンを鼓舞してくれる熱い作品、パフォーマンスを魅せてくれました。
ということで、今回は女性ハードロックバンド・おすすめ楽曲を特集してみました。
毎度のことですがランキングではありませんので「順不同」、バンド選定基準は「全メンバーが女性のバンド」となっております。
GIRLSCHOOL
C’mon Lets Go
トップバッターは、やはり女性ハードロックバンドの草分け的存在とも言える1978年デビューの Girlschool。
動画は1981年リリースの2ndアルバム「Hit and Run」の収録曲です。
Girlschoolは、1980年代のNWOBHMムーヴメントにうまいこと乗っかって頭角を現しましたね。
更に、Motörheadのレミー・キルミスターに見いだされて以降、サポート・アクトを長年務めるなど協力関係を構築。
その音楽性は、Motörheadと相通ずる「パンクとヘヴィメタルをミックスしたようなスタイル」で、Motörheadの妹分としてシーンでのポジショニングを確立しました。
唯一のオリジナルメンバーにして創始者のキム・マコーリフを中心として現在も現役活動中です。
VIXEN
Edge of a Broken Heart
1988年に「本格派女性ハードロックバンド」としてデビューした VIXEN。
「女性ハードロックバンド」と言えばこの VIXEN を一番に想起する方も多いのではないでしょうか。
当時のセールスポイントでは「ルクッスだけでない本格派のテクニシャンが揃った本物のバンド」みたいだったと記憶しています。
↓↓↓ VIXEN デビューアルバムの詳細レビューはこちらからどうぞ↓↓↓
VIXEN バンドデビュー作 本格派ガールズハードロックバンド
私も当時迷わず「買い」に走り、早速耳にしたオープニングの本曲。
いやぁ~良い曲ですね~。
そして、この曲にはリチャード・マークスが絡んでいたことは後になって知りました。
さすがです。

VIXENのデビューアルバムは下記の記事でもレビューしています。

PHANTOM BLUE
Time to Run
VIXEN のデビューした翌年の1989年に、負けず劣らずの美貌とテクニックを備えた女性メタルバンドとしてデビューを飾ったのが PHANTOM BLUE。
いやぁ~、美しい!。
思わず見惚れてしまいます。
完全にジャケット買い必至のデビューアルバムですね。
そして、今回選定した楽曲は1993年リリースの2ndアルバム「BUILT TO PERFORM」の収録曲。
当然のことながら、むさ苦しい風貌の漢メタルに比べ「華」があり、美しく魅力的な女性バンドが好みの音楽性の楽曲をプレイしてくれるに越したことはありませんね。
でも、ルックスだけの口パクのようなバンドでは長続きしませんので実力が大事。
PHANTOM BLUE はその辺も申し分が無いほど、いや、むしろ男前過ぎるくらいのパワフルなヴォーカルをはじめとして全員がちゃんと音楽理論を学んできた裏付けもあり、期待を裏切ることはありませんでした。
ツインギターの一角を担うのはジョン・ノーラムの元奥さんミシェル・メルドラム。
創設メンバーのもう一人のギターリストだったニコール・カウチと共に、2人はポール・ギルバートの生徒というお墨付き。
抜けの良いスネアをパワフルに引っ叩くドラムスはリンダ マクドナルド。
(彼女は後にIRON MAIDENのトリビュート・バンドIRON MAIDENSを結成しています)
デビューアルバムでは、もろ80年代のコテコテパワースタイルで強引に突き進みながら、時折メロディアスなギターフレーズを散りばめた作風でしたが、2ndアルバムでは、よりサウンドプロダクションが改善されヘヴィネスに寄せた厚みのある音像を聴かせてくれています。
2ndアルバムは、プロデューサーにマックス・ノーマンが起用され、楽曲によって、ジョン・ノーラム、マーティ・フリードマンらも参加しているなど聴きどころが満載です。
ギギ・ハンガック姐御のドスきかせまくりのパワフル一辺倒だったヴォーカルも、多少の落ち着きを見せており楽曲の渋さと相まってイイ感じに仕上がってます。
THE IRON MAIDENS
The Trooper
THE IRON MAIDENS は言うまでもなく IRON MAIDEN をトリビュートする女性バンドで、2001年にアメリカで結成されました。
その後度重なるメンバー交代を経て、唯一の創設メンバーとなったドラムスのリンダ・マクドナルド(元PHANTOM BLUE)を中心に現在も活動は継続中です。
2008年から3代目のヴォーカルを務めているキルステン・ローゼンバーグは、ここ10年くらいでかなり横幅が大きくなりましたが、相変わらずのパワフルかつ女性ならではの高音域の歌唱は健在のご様子。
(スリムだった頃はブルース・ディッキンソンに容姿が似ていましたね~。)
BURNING WITCHES
We Stand As One
本格派ヘヴィメタルバンドのMVにあまり似つかわしくない緑豊かな大自然の背景は、このバンドの故郷であるスイスでしょうか。
アルプスの少女を想起させるようなのどかな風景に、明らかに異質ないで立ちのメタルコスチュームを纏った女性バンドが、荒々しくも女性ならではの繊細さも感じさせるヘヴィメタルを演奏しています。
2015年にギターのロマーナ・カルクールを中心にスイスで結成された美貌とテクニックを兼ね備えた本格派女性ヘヴィメタルバンド Burning Witches 。
ドイツのスラッシュバンド DESTRUCTION のシュミーアの全面サポートにより2017年に華々しくデビューを飾ります。
その後、ヴォーカルはじめいくつかのメンバー交代を経ながらもリリースを続け、2021年には4枚目のアルバムとなる「The Witch of the North」を発表。
オランダ人ヴォーカリスト ローラ・ガルデモンドの華のある圧倒的な存在感と、女性ならではの繊細なメロディセンスを武器に、相変わらずの本格正統派ヘヴィメタルが展開される好盤となってますね。
Black Widow
まるで MANOWAR 辺りを髣髴とさせるような荘厳で仰々しいパフォーマンスをこれだけ格好良く表現できる女性アーティストも少ないでしょう。
TRiDENT
CRY OUT
なかなか大きく打って出た「ガールズロックバンド革命」なるバンド名。
Youtubeの動画で偶然見かけ視聴した時は、まだ幼そうに見えた女の子3人でなかなか骨のある魅力的な演奏をするなぁと感心しました。
バンド名に負けないパワフルさを備えながら、等身大の歌詞、変に媚びない普通の女子っぽさ、(良い意味で)軽音楽部の延長線のようなひたむきさ、一生懸命さに好感を抱いたのだと思います。
その後、とにかくアグレッシブで手数の多さが売りだったドラムスの JUNNA が脱退。
活動休止を余儀なくされましたが、休止期間を経てバンド名を「TRiDENT」に改名し、これまた超強力なドラムス NAGISA が加入して活動を再開してくれました。
ヴォーカル&ギターの ASAKA 、ベースの SERINA と共に3ピース体制は変わらずですが、サウンド(特にライブ)は明らかにタイトさが増し良くなった印象。
結果としてドラムスの交代はバンドにとって大きくプラスに作用したように感じます。
私は今日本で人気のある流行りのガールズメタルバンドについてはあまり積極的には聴いていませんが、この「TRiDENT」に関してはシンプルでストレートに表現された歌詞や楽曲の良さに元気をもらい、ついつい応援したくなっちゃうバンドです。
Li-sa-X BAND ~ KOIAI
Looking up to You
ラストにご紹介するのはこちらのバンド。
Li-sa-X BANDは、小学校6年生でデビューを飾った恐るべき天才ギタリストの「Li-sa-X」と「里奈(ヴォーカル)」、「葉月(ギター/NEMOPHILA)」の3人により2020年に結成。
2曲の強力なシングルを発表しますが、残念ながら活動ペースと音楽方向性のズレが生じてきてしまった里奈の脱退により、バンドとしての活動は2022年9月で終了となってしまいました。
しかしながら、昨年末12月に「KOIAI」というバンド名で、「小都乃(ヴォーカル)」、「葉月(ギター/NEMOPHILA)」「Li-sa-X」の3人での活動を発表。
ライブのサポートメンバーには高校1年生の「Li-sa-X」の弟「KAZUMA」が加わるなどしており、音楽天才一家にも程がありまね!。
因みに、私が「Li-sa-X」を応援する最大の理由は、ウチの娘がそっくりだからです…。
(そこかよ!)
娘にも、あわよくば音楽の道に進んでくれたらと願って名前に「奏」の文字を使ったのですが、楽器には全く興味を示しませんでした…。
ちゃんちゃん。
まとめ
先日会社でマーケティングに関する会議をしていた際に、「新商品のターゲットに対する訴求テーマ」という話になり、「忙しいママの家事を全力でサポートする〇〇」はどうか?なぁんて発言。
すると、すかさず女性陣から「家事はママだけがするものじゃないから、パパ・ママにしないとダメ」と思い切りダメ出しされました。
ちゃぶ台をひっくり返す頑固親父が当たり前の感覚でこれまで生きてきてしまった昭和世代の自分にとっては、思わず「ハッ」とさせられる目が覚める思いでした。
我が家は私が1馬力で必死に走る、今や絶滅危惧種の専業主婦スタイルなので、余計にこの辺りの感覚がズレているのかも知れないと、チョッと危機感を持ちました。
確かに言われる通り、男だけが荒野に狩りに出かける時代はとっくの昔に終わってましたね。
「国際女性デー」は男女の平等、対等な関係性を改めて考える良い機会だと思います。