TOKYO BLADE / Heart Breaker どんな曲?
現役バリバリの大御所バンド「TOKYO BLADE」
NWOBHMの名(迷?)バンドのひとつである TOKYO BLADE。
1983年というムーブメント全盛期を逸したタイミングでデビュー。
既にメジャーで活躍するバンドの後塵を拝する戦いを余儀なくされ続けてきました。
私の中では前座の大御所的なバンドとして、応援し続けてきた思い入れの深いバンドです。
実直なまでにストレートな正統派メタルを聴かせる英国魂。
何より日本贔屓のバンド名。
これは日本でブレイク間違いなしか?と思いきや、これがまた泣かず飛ばずのホトトギス状態。
あまりに唐突、脈略無しのいきなりの「日本大好き」ぶりは、ある種「色もの」的な目で見られたのかも知れませんね。
後からデビューした「Silver Mountain」あたりの方が、メディアにも取沙汰されてカリスマ性もあり、評価が断然高いという悲しい展開となりました。
来日お待ちしております
TOKYO BLADE というバンド名でありながら…。
アルバムジャケットには日章旗や戦国将軍の甲冑をデザインしておきながら…。
ななな、なんと来日公演を未だに果たしていないという、もう笑うしかないバンド「TOKYO BLADE」。
でも、いまだ現役バリバリで頑張ってますので私は応援し続けています。
最近の2020年にも新譜を発表。
相変わらずのどストレートで切れ味の鋭い日本刀というかドスというか、古き良き時代のヘヴィメタルを聴かせてくれています。
良くも悪くもブレがない。
(進歩もないが...)。
TOKYO BLADEで一番おすすめの楽曲は?
当時でさえもマーケットでの評価がいまいち盛り上がらなかったデビュー作や、2ndアルバムをここでいきなり取り上げて「名盤です」などとおすすめしたところで、それは単なる押し売りでしかないですよね。
なので、ここはじっくりと外堀から攻めていくことにします。(だましだまし戦法で...)
本曲「Heart Breaker」が収録されているアルバムは、1987年にドイツ盤としてリリースされた4枚目「TOKYO BLADE / Ain’t Misbehavin’」です。
ここで重要なポイントとなるのは、ジャケット上部を良く見るとバンド名がさりげなく「Andy Boulton’s TOKYO BLADE」となっている点です。
この前作にあたる3枚目のアルバムは、まるで自動制御装置を失ったジャンボジェット機のように完全に迷飛行~ダッチロール状態に入りセールス的に大失敗に終わりました。
音楽性は従来の正統派路線が影を潜め、アメリカン的なポップ路線を前面に打ち出して見事に玉砕です。
個人的にはドタバタ段ボールでも叩いているかのようなドラムの音が特に許せないレベルでした。
バンドの中心だったアンディ・ボルトンはすぐさまメンバーを募って本作の制作に着手。
本来の正統派路線に戻しつつ、よりメロディアスな方向感を明確に示した音楽性で非常に聴きやすいアルバムとなりました。
本曲はそのオープニングを飾る、コテコテの泣きフレーズが満載の名曲です。
バンドメンバー
- ヴォーカル: ピーター・ジト
- ギター : アンディー・ボルトン
- ベース : クリス・ストーバー
- ドラムス : アレックス・リー
楽曲レビュー
焦らすよね~。いや~もったいつけるね~。
ミステリアスで思わせぶり感が半端ないイントロの後は、いきなりのギターソロ。
前作までの鬱憤が余程溜まっていたのか、これでもかとアンディ・ボルトンがのっけから弾きまくります。
どこかで聴いたことあるような…。(何だ?DOKKEN?)
リフも、オーソドックスで良いじゃないですか~。
期待感は一気に高まりますね~。
そしてヴォーカルが乗っかってきて一気にズッコケるというまさかのオチ...。
まあ、この滑舌の悪さも、音程のふらつきも、表現力の無さも全てご愛嬌ということでご勘弁頂き、ここは是非アンディ・ボルトンのギターのみに「集中」ということで、どうか一つ。
ギターソロはかなりきてますよ~。
これぞ泣きのギターソロって感じで、自分史上で屈指のソロと言えます。
(お前指何本あるんだと言われそうですが、足の指も入れてます。)
曲の最後の「カチャ」の音はラジカセのボタンの音ですよね。
時代を感じます。
因みに、アルバムでは「カチャ」音の後に間髪入れずに2曲目がスタート。
この2曲目のリフが往年のHMファンが喜ぶコテコテのリフでまた良いのです。
(気に入って頂けた方は輸入盤を是非探してみてください)
