Michael Jackson 【最高傑作】 Thriller ドラムに注目したレビュー

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ブログタイトルの通り主にHR/HMを好んで聴いてますので、今更マイケル・ジャクソンのアルバムについてどうのこうのと語るつもりはありませんが…。

今回どうしても書いておきたいのは、あくまでもマイケル・ジャクソンではなく、そのドラマーとして30年以上を共に活動してきたジョナサン・モフェットについてです。

ドラムをやっている人、ドラムなんて叩けないけどドラムの「音」は好き、なぁ~んて人に読んで頂けたら嬉しいなぁ~、ってな感じの記事となってます。

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Michael Jackson / Thriller レビュー

史上最大級の売上を誇るお化けアルバム

便利な言葉ですよね、〇〇級。

真偽が定かではない、確信が持てない、裏付けがないなど今一明確な根拠が無いときによく使われます。

このアルバムもお化け級の売上となったのは間違いないですが、一番かどうかは知りませんので無責任な「級」表現させてもらいました。

1982年にリリースされたマイケル・ジャクソン6枚目のアルバム「Thriller」。

その累計売上枚数は約7000万枚とも言われ、ギネスブックに載ったとか載ってないとか…。

ポール・マッカートニーやエディ・ヴァン・ヘイレンはじめ、多くの有名ミュージシャンが参加というだけでも話題性は前代未聞、空前絶後、革命的とも言えるアルバムでした。

加えてステージでのキレッキレのダンス(特にムーンウォーク!)は、私のようなダンス素人が見てもその凄さが感じられる程に圧倒的なパフォーマンスぶりでした。

そして極めつけはマイケルが狼男に変身しゾンビとダンスを踊る「Thriller」のMV。

現在でもこのMVを超えるものは出てきていないと言われる程の最高傑作でしたね。

アルバムの売上は全米チャートでは計37週で1位、当然日本の洋楽チャートでも計12週で1位を獲得。

収録曲全9曲のうち7曲がシングルカットされ、全てが全米10位以内にランクインするという、もう笑うしかないといった感じです。

 

今回の主役はドラマー「ジョナサン・モフェット」

ということで、今回のレビューの主役はバックバンドのドラムス「ジョナサン・モフェット」。

1954年生まれのアメリカ人ドラマーのプレイは「シュガーフット(sugar foot:甘美な足)」の異名を持ってますね。

そのドラミングは、まるでベースを弾いているかのような細かいバスドラのキックが大きな特徴です。

1979年からマイケル・ジャクソンのバックバンドで活躍し、その後もマドンナ、スティーヴィー・ワンダーをはじめとする多くの著名アーティストのバックドラマーを務めてきた超大物と言えるでしょう。

ジョナサン・モフェットを語る上で特筆すべきは、「シュガーフット」のバスドラの足さばき以外にも「裏拳シンバル(個人的に勝手に名付けてます…)」が視覚的にも非常に解りやすい特徴かと思います。

「裏拳」とは、文字通り空手や格闘技などで繰り出される「拳の甲の部分での打撃」。

背後から攻撃してくる相手に背を向けたままノールックでヒットさせることもあれば、対峙する相手の前でクルっと回りながらヒットさせるなど…。

いずれにしても意表を突かれた相手に大きなダメージを負わせる危険な打撃技です。

ジョナサン・モフェットは自身の背後にシンバルを配置して、ノールックで裏拳撃ちのようにシンバルを叩くのが特徴なのです。

そして、ただ闇雲に叩くだけでなく叩いたその手で(自分には見えないところにあるシンバルを)掴んで瞬時に音を消すという離れ技をいとも簡単に連発しているので驚きです。

(正式かどうかは知りませんが「ワンハンデッド・シンバル・グラブ(one-handed cymbal grab)」と言うそうです)

もう見ていて惚れ惚れする程に完璧、かつここぞというタイミングでかましてくれるので、楽曲におけるその効果も大きいものがあります。

そんなジョナサン・モフェットのドラミングを堪能できる動画を今回はご紹介していますので、未試聴の方は是非ご覧になってみて下さい。

 

収録曲

  1. Wanna Be Startin’ Somethin’ – 6:02
  2. Baby Be Mine – 4:20
  3. The Girl Is Mine – 3:41
  4. Thriller – 5:57
  5. Beat It – 4:18
  6. Billie Jean – 4:54
  7. Human Nature – 4:05
  8. P.Y.T. (Pretty Young Thing) – 3:58
  9. The Lady in My Life – 3:58

 

おすすめ楽曲

Wanna Be Startin’ Somethin’

やや緊張の面持ちの中にも、確固たる自信と余裕を合わせ持つ姿が印象的。

左右に両手を目一杯広げて構えるポーズは絶対王者のようなオーラを放っています。

メロディをなぞるような優しいバスドラの刻みとは対照的に、パンチを効かした乾き切ったスネアの音が精密機械のようにスマッシュヒットしていますね。

野球でもバッターがボールを打つ瞬間は「インパクトスピード」が大事。

ジョナサン・モフェットのスネアやシンバルをヒットする際のインパクトスピードも相当の速さのように見えます。

動画では楽曲が終わった後にドラムソロも収められていて、最後の最後はワンハンデッド・シンバル・グラブ(one-handed cymbal grab)でキメてます。

 

Thriller

マイケル・ジャクソンがジョナサン・モフェットに対して絶対的な信頼を寄せていたのは、ステージにおけるダンスとの調和だったとのこと。

あれだけ激しく動くマイケルの一挙手一投足をバックから常に注視していたジョナサン・モフェット。

マイケルのダンスにおける僅かな手足の動きから次の展開を読んで、それに対応したドラミングをしていたようです。

まさにマイケルにとっては本能で繋がっているかのような以心伝心のコンビネーション。

無くてはならないパートナー的な存在だったのでしょう。

それにしても、史上最高のMVと言われるようなこの曲を、MVではなくドラミングだけの動画を飽きもせずに何度もみながら「うん、うん」などと唸っている自分…。

ふと我に返り「大丈夫かお前?」と声かけしたくなります…。

 

Beat It

出ました、我々HR/HM党にも身近な伝説の名曲。

シャープな切れ味が痺れるリフとバッキングはスティーヴ・ルカサー。

ソロはエディ・ヴァン・ヘイレンという究極のギター布陣ですね。

これ以上の贅沢はありません…。

そんな豪華布陣に負けじと、この曲では序盤からジョナサン・モフェットの「両手裏拳」が炸裂しています!。

ひたすらに切れ味しかない8ビートのグルーヴ感。

動画を見ながら聴いているとスネアを叩くタイミングが音ズレしているように見える程に、前述の「インパクトスピード」の速さがうかがい知れます。

そして約1分30秒部分でまたまた出ました!。

両手裏拳からの~「ワンハンデッド・シンバル・グラブ(one-handed cymbal grab)」。

うっかりするとHR/HM党はついついギターだけに注目しがちですが、こんな凄いドラミングをしているなんて、この動画見ない限り一生知らないままでしたよね~。

(知らなかったのは私だけかも知れませんが…。)

これを知ってしまってからというもの、一体何度この動画を飽きもせずに見たことでしょう…。

殆ど病気デス…。

おっと、忘れてはいけない(言うまでもないですが)エディのソロは出だしから「凄み」を感じる強烈さですね。

そしてジョナサン・モフェットも、そのソロに負けてなるものかと前後のシンバルを両手で連続叩きという大技をくりだしているのが見どころです。

更に、フィニッシュホールドの如く、ラストではバックシンバルからのフロントシンバルという逆打ちも披露され、完全に3カウントとられました~。

 

Billie Jean

このアルバムのクライマックス曲と評される名曲ですね。

こちらはバック画角からの動画となっていて「裏拳」シンバルの位置関係が良く解ります。

どのシンバルよりも「裏拳」位置にあるシンバルを叩く時が一番頭の動きが少ないという…。

謎です…。

そして最後はそのままドラムソロへ突入。

これでもかと言う位に「ワンハンデッド・シンバル・グラブ(one-handed cymbal grab)」の連発。

まさに雨あられ状態。

いやいや、そんなに掴みまくってたら水ぶくれになって手の皮むけちゃいますよーって言いたくなります。

以上、最後までお付き合いいただきありがとうございましたー。

 

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