HR/HMがかろうじてまだ勢いのあった1990年代。
この記事では「90年代メロディアス・ハードロック」作品の中から、アルバムの中の「一際光る一曲」「この曲だけはおさえておこう」という楽曲を特集してみました。
不定期更新のため記載はあくまでも順不同=ランキングではありません。
たま~に立ち寄って覗いて頂けると嬉しいです!。
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Von Groove / House of Dreams

昔は新譜購入も真剣勝負でしたね…
その昔、アルバイトの時給が650円とかそこいらだった時代。
LPレコードを買おうと思ったらそりゃあもう悩みに悩んでの真剣勝負でした。
一旦購入したらレコードの溝がすり減る位に聴き込みましたね~。
いくらどんな駄作であっても、自身の選択眼の「負け」を簡単に認める訳にはいかず。
無理やりでも好きになるために…。
CDが普及してくるとバブル景気もあって懐事情にも余裕が出てきて、結構CD購入時の品定めが雑になってしまいました。
買ってはみたものの、自分の琴線に触れる曲が1曲も無かったなんてことも起き始めました。
期待の大きかったアルバムがハズレた時の落胆度合いといったら。
もはや奈落の底に突き落とされたような落ち込み様でしたね~。
「またやってしまった…。」
「もうB誌のあいつのレビューは絶対に信じない…。」
とか八つ当たりしたりして…。
今回ご紹介する 「Von Groove」なるバンド。
いかなる経緯で購入したかは覚えていませんが。
「おいおい、これを買っているとはかなりのチャレンジャーだねえー!」
と、今更になって自分にハラハラしてしまう位のマイナーバンド?。
でも、時には一生忘れることの無い琴線鷲掴みされたような名曲に出会えるというのも、この音楽(HR/HM)を聴き続けている大きな理由の一つです。
ベースがビンビンに響くメロディアス・ハードロックアルバム
カナダのトロント出身のメロディアスハードバンド 「Von Groove」。
1992年リリースのデビューアルバムに収録されているのが本曲「House of Dreams」です。
バンドはトリオ編成でボーカルがドラムを兼任してレコーディングされています。
サウンドは軽めながらエッジの効いた演奏を聴かせるメロディアス・ハードロックバンド。
演奏技術の高さが窺い知れます。
特徴的なのはベースがかなり前面にでてきてグルーブ感をアピールしまくってくることでしょうか。
トリオ編成バンドにありがち?、まさかバンド名を意識しての安直なミキシングじゃないですよね。
とにかくベースラインがここまではっきり聴こえるのは珍しい。
ベース好きの人には絶対におすすめのアルバムです。
突出したクオリティを誇る「名曲」
同じカナダ出身ということでハーレム・スキャーレムと近い匂いがしますが、こちらは少し湿度が低め。
どちらかと言うと爽快になり切れないアメリカンとい感じ。
少し中途半端な音楽性というのが正直な印象です。
収録曲どれもが平均点以上の安定感と完成度を有しており、ヴォーカルもそこそこ器用な歌い回し。
安心して聴けるハードロックという評価が得られそう。
しかしながら、それは悪く言ってしまうと似たり寄ったりの楽曲。
インパクトに欠ける凡庸なアルバムという評価に陥る危険性も十分に孕んでいることを意味します。
器用貧乏とは良く言ったもので…。
文字通りデビューアルバムにしてはあまりにそつなく、隙もなく、フレッシュ感もなく、という具合。
既に課長の貫録を醸し出している新入社員といった雰囲気ですね。
ドキドキもしなければ感動もしないという損なポジショニングに立たされてしまっている感じです。
そんな悪い予感が脳裏をよぎりながらも聴き進めること5曲目。
おっ!なかなか良い感じじゃないの?って感じでだんだん盛り上がってきた続く「6曲目」。
ガツンと脳天に落ちてきました。名曲隕石が...。
こ、これは凄い、凄い曲が出てきました!。
明らかにこの曲は他のどの曲よりも次元が違い過ぎます。
完璧です。
涙が出そうです。
全ての哀愁メロディアス・ハードロックファンに捧げる名曲です。
メンバー
- ヴォーカル: マイケル・ショットン(兼ドラム)
- ギター : ムラデン
- ベース : マシュー・ジェラード(兼キーボード)
楽曲レビュー
個人的には哀愁メロディアス・ハードロック史上に永遠に刻まれて欲しい位の名曲「House of Dream」。
フェードインのアコスティックからエッジを効かせながら適度に歪ませたリフ。
名曲の予感しかしないヴォーカルの力みのない抑えた歌い出し。
「これは貰ったーっ!」と思わず叫びたくなるような完璧な展開。
サビ前の泣きメロの盛り上げ感も申し分なく一気に持っていかれます。
この手のバンドにありがちなぶ厚めコーラスのおっかぶせではなく。
あくまで熱いヴォーカルで勝負したのが大正解!。
元々のメロディラインによる叙情性が更に熱いボーカルで増幅。
涙なしでは聴けない位の哀愁を帯びた楽曲展開となっています。
そして忘れてはいけないのがベース。
ここでもボンボン、ベンベンとこれでもかと言わんばかりのグルーブ感で攻めてきます。
なにはともあれ、この名曲に出会えたことに感謝。
この1曲のためだけでも十分に買う価値のあったアルバムだったと確信しています。
Renegade / Hold Back The Night

北欧メロディアスバンドのデビュー作に収録の名曲
1993年リリースの RENEGADE のデビューアルバム「Time to Choose」。
そのオープニングに収録の哀愁メロディアス・ハードナンバーが今回のご紹介。
お店のアルバム紹介POPに「北欧メロディアス」とか書いてあるだけで、妄信的に反応してしまうメロディアスハード大好物の私。
スウェーデンの新星、RENEGADEのデビューアルバムは、そりゃもう半端なく期待が大きかったです。
しかも当時の発売レーベルは”安心と信頼”のZEROコーポレーション。
これはもう間違いありません。即買い決定でした。
しかもアルバムのライナーノーツは伊藤政則氏が執筆。
新人バンドにしては破格の好待遇(?)でリリースされたデビュー作でした。
アルバムの中での頭抜けた名曲
ツインリードのギターに加えてキーボードもいる6人編成の大所帯バンド RENEGADE。
サウンドはさほどの重厚さは感じられず、ハードポップバンドならではの軽さが印象的。
そしてオープニング曲でこのアルバムへの投資は間違いではなかったことを早くも確信。
期待通りの楽曲が炸裂し、早々と勝利宣言をしてはみたものの…。
その後の楽曲が個人的にはちょっと物足りず。
そのままラストまで行ってしまうというチョッピリ残念なアルバムでした。
1曲目が良い曲だけに何とも惜しいですが…。
このギャンブル性があるから、当時のギター小僧にとってはアルバイト代がいくらあっても足りません。
1曲¥2500となるととてもじゃないけどやっていけません。
まあ、そんな苦い経験も今となっては懐かしい思い出であり。
サブスクとかYouTubeとか、今の人達は恵まれているよなあとつくづく羨ましくて仕方ありません。
バンドは翌1994年に2ndアルバムをリリースしていますが、さすがに購入には踏み切れませんでした。
後で他の人のレビューを見ると、メロディアス感が薄まりロックン・ロール色が強まっているとのこと。
買わなくって正解だったなとホッと胸を撫でおろしました。
結局は波長が合ったのはデビュー作のオープニング曲だけだったということで。
バンドメンバー
- ヴォーカル: マグナス・ターローカー
- ギター : マッツ・オットソン
- ギター : トーマス・カルマン
- ベース : ハーカン・ジャルドモ
- ドラム : フレドリック・グラン
- キーボード: パー・ビレングレン
おすすめ楽曲
北欧の冷気と透明感を感じさせる美旋律キーボードのイントロ。
突如切れ込んでくるピッキングスクラッチとスピーディかつキャッチーなリフ。
実際のスピードよりも体感的に疾走感を感じるのはバスドラの絶妙の刻み方のせいでしょうか。
メロディアスファンにとってはテンションMAXに到達してしまいそうな完璧なオープニングです。
そしてヴォーカルは、北欧独特の鼻詰まり気味の声質。
一歩間違えるとやる気が無いと勘違いされてしまうような歌い回しももはやお約束です。
そしてBメロ辺りから徐々に登場してくるコーラス部隊。
北欧メロディアスハードの典型的な基本要素を全て持ち合わせたバンドとも言えますね。
クライマックスのサビメロでは渾身のコーラスが爆発。
空間を突き抜けていくような奥行きのあるサウンドメイクを目指しているのが分かりますが。
メインヴォーカルの表現力がそこまでの域に達していないのが惜しいところ。
ツインリードということでギターソロには大きな期待を持ちましたが。
これまたフレーズ、テクニックともにこの楽曲のソロにしては正直拍子抜けの印象。
完全ビジュアル系LAメタルのバンドでももうちょっと弾くでしょ!位の淡泊さで勿体ない。
惜しいです。
そうこうしている間に、変調、展開もないまま楽曲はそのまますんなりエンディングへ。
演奏時間3:04という短さで淡泊に終了。
楽曲が良いだけに何とも名残惜しいです。
「北欧」ブランドを引っ提げて鳴り物入りでデビューしたにも関わらず、あと一歩で伝説の名曲にも化けそうだった「何とも惜しい」名曲でしたね。
Shotgun Symphony / Highway to Tomorrow

欧州感が漂う叙情的メロディと荘厳な展開
Shotgun Symphonyは、アメリカ・ニュージャージー出身の5人編成のメロディアス・ハードバンド。
1993年にデビューアルバムがメロハー御用達レーベル「ZEROコーポレーション」から発売。
恥ずかしながら当時パクっと喰いついてしまいました。
(B!誌の評価もそれなりに高かったような気がします。)
それにしても、バンド名に「Symphony」って付けちゃうのは自ら相当ハードル上げてますよね。
なかなかできない荒技だと思いますが、やっちまいました。
(しかも、Shotgun Symphonyですからね…。もはや意味が解らなくなっちゃってます。)
音楽性はアメリカのバンドらしからぬ、どちらかと言えば欧州的な叙情的メロディが素晴らしく、曲の構成、展開も巧み。
全体的に荘厳な(単なる大袈裟とも言う)イメージを漂わせています。
演奏陣の各パートの頑張りを、Symphonyを名乗った所以とも思えるキーボードが絶妙なバランスで包み込むかのように上手いことまとめ上げている印象。
それはまるで、それぞれの具材と麺をバランス良く混然一体とまとめ上げる、いまは無き新小岩「力(りき)」の味噌ラーメンの味噌のようです。
因みに、私は目と鼻の先にあったいつも行列を作っていたつけ麺「一燈」なんぞよりも断然「力」派でしたね~。(どうでもいいか…。)
謎の脱線しましたが、特筆しておくべきは何と言ってもヴォーカル!。
トレイシー・ホワイト(こちらも大物感のあるお名前で…)のクリアで伸びやか、ハイトーンながらも声質の太さを感じるヴォーカルです。
メロディラインとも相性良く絡み合って楽曲の完成度を高めていますね。
トレイシー・ホワイトの声質は誰かに例えるならば、STRYPER のマイケル・スイートって感じ。
楽曲レビュー
おすすめ楽曲「Highway to Tomorrow」はアルバムのオープニングを飾っている楽曲です。
正直言いまして、このバンドではこの曲だけおさえておけば良いのかななどと思えてしまう程。
バンドの特徴が網羅され、楽曲としても荘厳かつキャッチーというバランスの取れた楽曲だと思います。
イントロのSE効果音はまるで喜多郎の「シルクロード」を思わせるようなシンセサイザー。
聴く者の脳にべったりへばりついて離れない粘着質で、もう掴みはOKです。

そういえば、昔よく新宿の駅前とかで民族衣装みたいなの纏って外国人5~6人が横一列に並んで凄く綺麗な「横笛」の演奏してましたね。(また脱線…)
幻想的な笛の音色の後は、ギターによる流れるようなリフメロが続きます。
そして独特なトーンでリズム隊が少しずつ重なっていきつつ。
キャッチーなサビメロまでキリ揉み回転しながら一気にもっていくという非常に良く練られた曲構成が見事!。
この曲について書けば書くほど、「他の曲はどうなんだ?」と突っ込まれそうですが…。
ま、まぁ、それなりに良いです…。
バラードとかも非常に綺麗な曲ですし…。
但し、おすすめ曲程の欧州感、疾走感、シンフォニック感は残念ながらありません。
いずれも上質ながら、ミドルテンポのアメリカンハード楽曲が多いので少々飽きてしまうかもしれません。
それでも、美し過ぎるバラード曲「Broken Promises」。
どっかで聴いたことあるような「Running」など。
聴き応えのある楽曲が多いので興味のある方は是非!。
STEVE PLUNKETT / Every Little Word

AUTOGRAPH のヴォーカル「STEVE PLUNKETT」
スティーヴ・プランケットは皆さま良くご存知の「AUTOGRAPH(オートグラフ)」のヴォーカルですね。
アメリカン・ハードロック・バンド「AUTOGRAPH」は1984年にデビューアルバム「Sign in Please」をリリース。
収録のシングル曲「TURN UP THE RADIO」でスマッシュ・ヒットを飛ばしました。
そのヴォーカルをつとめたのがスティーヴ・プランケット。
声質や歌いまわしに非常に癖があるヴォーカリストですね。
個人的には DEF LEPPARD のヴォーカル「ジョー・エリオット」に少し似ている印象です。
そんなスティーヴ・プランケットが、AUTOGRAPH の勢いに陰りが見えてきたタイミング(1992年)でリリースしたソロアルバムが本作「MY ATTITUDE」。
何のおまけも付いていないのに当時のアルバム価格としてはお高めの\3000!。
ヴぇ~、なんでぇ~?って感じでしたが。
ちょっと購入を躊躇しましたが、なんやかんやで大好きな「AUTOGRAPHのヴォーカルのソロ作品」。
揺るぎない権威性が私の背中を強力に後押しして結局購入することに…。
これが良いんですわ~。
当たりでした~。
ギターをこれまた AUTOGRAPH のスティーヴ・リンチが担当していることもありますが。
はっきり言って「ほぼ AUTOGRAPH 状態」の音楽性。
明るく爽やか、軽やかで覚えやすい AUTOGRAPH の音楽性はそのまま。
ミドル・テンポの楽曲中心でどれも似たような印象となってしまう AUTOGRAPH の弱点を克服したような作品と言えます。
ハードなリフを聴かせる曲あり、美しい哀愁のバラード曲ありとメリハリの効いたアルバム構成。
今回はその中から「AUTOGRAPHイズムをしっかりと継承した名曲」を選定。
おすすめ楽曲
LEGEND / Light in Extension

幻のバンド「LEGEND」…
LEGENDは1988年にキーボードのスティーヴ・ペインを中心に結成されたブリティッシュ・プログレッシブバンド。
女性ヴォーカルのデビー・チャップマンを擁して独特な世界観の音楽性を持っていました。
なかなか比較対照が難しいですが、あえてこんな感じと言えば「RUSH」辺りと言えるでしょうか。
(チョッと苦しいですが…)
プログレッシブと言っても決して難解さは無く、キーボードメロディを軸とした馴染みやすい楽曲が多いのが特徴。
かと言って、大仰なシンフォニックさ、かっちりとしたスタイリッシュさも無いという、掴みどころのないポンプ・ロック的音楽性といった感じです。
サウンドは、時に民俗的な風合いのメロディも織り交ぜながらキーボードが主導。
対称的に、やや安っぽい歪み具合で軽い印象を感じさせながらも、それなりに切れ味のあるギターサウンドが融合しています。
そして何と言っても最大の特徴は女性ヴォーカルのデビー・チャップマン。
オペラのような(と言うには線が細すぎる)歌唱です。
まるで初舞台で緊張のあまり声が震えて上ずってしまっているかのような独特な歌い回しですね。
聴いているこちらの方が何だか過呼吸気味になりそうです。
バンドメンバー
- ヴォーカル: デビー・チャップマン
- ギター : ポール・トムソン
- キーボード: スティーブ・ペイン
- ベース : イアン・リース
- ドラム : クリス・ハスケイン
楽曲レビュー
今回選曲「Light in Extension」は、1991年リリースのLEGENDデビューアルバムのオープニング曲として収録。
本曲は本国英国以上に日本での話題性を高めることに。
その理由は、伊藤政則氏のラジオ番組「POWER ROCK TODAY」でのオンエアがきっかけでした。
オンエアの翌日には輸入盤ショップの在庫が一掃されてしまったという文字通り「伝説」の一曲。
それにしても、現代の情報過多、瞬時の拡散性などがよく話題となりますが。
当時の限られた情報源への依存度とその発信力は現代のインフルエンサーの比じゃないですね。
後に、国内盤がリリースされた際のB!誌の巻末レビューも伊藤政則氏が担当していますが。
「アルバムの中で光っていたのはこの1曲だけだったので、心が痛んだ」と回想。
いやいや、それはないよーん。
早く言ってよーん!って感じです。
アルバムジャケットは湖と思われる場所の水面から剣を持った腕が現れている様子。
これから現れようとしているのか(多分そうだと思いますが)。
沈んでいっているのかは不明ですが、その腕を中心にして水面には波紋が広がっています。

それにしても、随分と曇り空の日に撮影した感じですよね。
潜ってる人が思いっきり寒そうで気の毒です。
しかもジャケットの輪郭も同系色のネイビーにしてしまうという暴挙!。
あまりのセンスの無さに思わずこの画像を思い出しちゃいました。
さて問題の楽曲ですが、LEGENDの最大の特徴である女性ヴォーカル デビー・チャップマン。
正直言いまして歌が上手いか下手かって言ったら恐らく下手なんじゃないかと(極めて失礼ながら…)。
でも、それも含めての全体感として全てを包含してくれるような包容力に富んだヴォーカリストですね。
楽曲はオープニングらしからぬ想定外に短いイントロの後に、いきなりヴォーカルが登場してきます。
叙情的かつどこか牧歌的なメロディ。
儚くも美しい声質。
あえて感情を押し殺しているかのような歌い出しです。
ブリッジ~サビにかけては、眩しすぎるくらいの光源を感じるような美しいコーラスとの融合。
決して無理をして必要以上にイキるようなことは勿論ありません。
終始落ち着いた雰囲気で粛々と歌い上げていきます。
ちょっとジャンルは違いますが、一度聴いた瞬間に魂を揺さぶられたスザンヌ・ヴェガを想起させるような。
不安定かつ表現力をしまい込んだ状態が、逆に醸し出してくる得も言われぬ安心感、優しさに溢れる雰囲気を感じてしまいます。
↓↓↓スザンヌ・ヴェガのレビュー記事はこちらからどうぞ↓↓↓

しかしながら、ここで注意しておく必要があるのが「声と容姿」は必ずしも一致しないということですね…。
この点については、ライブ映像にて各位ご判断いただければと思います…。
このバンドでヴォーカル以外の演奏陣で特筆すべきはやはりギターでしょうか。
主導するキーボードに負けじと絡んでいく向こうっ気の強いスタイル。
それにしてはあまりにサウンドが安っぽく軽過ぎて…。
操ってるギターは重そうな「エクスプローラー」モデルなのですが。
チープな歪みとスカスカのサウンドの一方で、プレイスタイルはあくまでも積極果敢なアグレッシブ系というギャップがまた良いですね。
チョイチョイかましてくる演歌調のオブリおかずに思わず吹き出しそうになります。
中盤のソロではここぞとばかりにキメのフレーズ。
終盤のソロでは全部出し切りました感が半端ない古典的な速弾きを披露。
そして奮闘するギターの足を思い切り引っ張っているのがドラムですね。
これは「打ち込み」なんでしょうか。
(あまりに酷すぎて「打ち込み」であって欲しい感じ…。)
よくわかりませんが、とにかくワンパターンな古典的おかずを執拗に入れてくる思考停止ドラミング。
本曲だけならまだしも、アルバムを通して聴いていると正直だんだん腹が立ってくるほどです。
極論してしまえば、このドラムではどんなに頑張って良い曲を書いてもメジャーシーンには縁遠かったと思います。
日本国内盤のライナーノーツを書いているキャプテン和田氏によりますと。
「彼らは1988年の結成当時から叙情的なメロディを持つプログレッシブサウンドを目指していた」とのこと。
その後、2ndアルバムも国内盤としてリリースされていますが、そのままバンドは鳴かず飛ばず状態で消えて行ってしまいました。
残念ながら、このデビューアルバムも本曲1曲だけが突出した出来映えであり。
この一曲のためにアルバムを買うかどうかは「あなた次第です」って感じ。
ともあれ「一曲の美学」「B級ブリティッシュの甘美な世界」をリアル体感できた懐かしい思い出です。
DANGER DANGER | BEAT THE BULLET

アルバム概要
1989年デビューのニューヨーク出身メロディアス・ハードロックバンド(と言わせて下さい…)「DANGER DANGER」。
デビュー当時は「BON JOVIのフォロワー」「ポップ・メタル」などと不当な評価。
コアなメタラーファンからはやや見下された扱いだったことは否めません。
失礼ながらちょっとダサい「DANGER DANGER」というバンド名。
ハンデキャップになって不利に作用した面があるかなと思います。
しかしながら、中身の楽曲や演奏のクォリティは決して悪くなく、洗練されたキャッチーなハードロックを器用に展開。
デビューのタイミングがもう少し早ければ、シーンでの評価ももう少し違ったものになっていたのではと感じる完成度でした。
それもそのはずでオリジナルの面子が凄いんですよね。
「WHITE LION」や「TALAS」でも活動経験のあるベースのブルーノ・ラヴェル。
「PROPHET」でドラマーをしていたテッド・ポーリーがヴォーカリストなどなど。
メロハー好きには堪らないバンド名ばかりで、聴く前から思わず武者震いしちゃいます。
1991年リリースの本作2ndアルバムも、デビュー作の音楽性を基本的に踏襲。
音像はよりハードになりながら、相変わらず聴きやすいキャッチーなハードポップチューンが揃えられています。
でも個人的にはあまりに脳天気過ぎるパーティ・ポップロックにはちょっと白けちゃいました…。
ネアカになり切れない日本人(私だけか)の性なのか。
パリピのノリにはちょっとついていけない感じで残念ながら捨て曲扱いに。
あくまで個人的な好みの問題だというのは百も承知なのでが。
ギターのアンディ・ティモンズのプレイが素晴らしい出来映えなだけに勿体ない印象です。
おすすめ楽曲
全国〇百万人の大日本軟弱メロハー愛好会会員が諸手をあげて支持する理想的な楽曲。
やはりこのバンドの真骨頂はメロディセンス、元気なコーラス、爽快感、さりげなくテクニカルといった「洗練されたスマートさ」にあるように感じます。
丁度、同じころにアルバムをリリースしている同系統バンド「BLUE TEARS」にも相通ずる感じ。
結局、当時はこの手の良いバンド達が当時のシーンのうねりに飲み込まれ、圧倒的過小評価の憂き目にあうことに。
哀しい現実に増々能天気な明るい楽曲は虚しく耳に響きます…(泣)。
JADED HEART | LUST

1996年リリースの JADED HEART 2枚目アルバム「$LAVES AND MASTER$」に収録の疾走チューン「LUST」。
後に ZENO に参加して一躍有名となったマイケル・ボーマンがヴォーカルでしたね。
雰囲気は良いのですが、よくよく見ると何とも安っぽくダサい構図のジャケットデザイン。
当時は一瞬躊躇しましたが某専門誌の評価もそれなりだったので購入を決断。
とかく日本での絶大な人気を確立していた FAIR WARNING との比較対象で見られがちなバンド。
少々可哀想な面もありましたが、クオリティは十分に及第点でした。
むしろまとまり過ぎていて器用貧乏とも思える感じ。
楽曲全体の作りは良いものの、サビメロ、展開などにもう一丁のフックがあればな~。
と、贅沢なことを思いながら聴き進むこと11曲目。
そろそろ終盤で飽きも感じられてきた頃合いを見計らったかのように、突如アグレッシブにぶっ込まれてきたのがこの名曲。
そうそう、この位の荒削りな感じが大事です。
ほくそ笑みながら思わずガッツポーズでしたね。
その後、バンドはメンバーチェンジを繰り返しながらもいまだ現役を続ける長老バンドとなりました。
ベテランの意地でもう一花華麗に咲かせて欲しいです。
THE STORM | THE STORM

アルバム概要
1991年リリースの THE STORM デビューアルバム「THE STORM」。
結論から言ってしまえば、本作「THE STORM」よりも2枚目アルバム「EYE OF THE STORM」の方が個人的にはお気に入り。
なのでですが、まあ順を追って書いていきたいと思います。
THE STORM は1990年に米国サンフランシスコで結成された元 JOURNEY のメンバーによるメロディアス・ハードロックバンド。
- ヴォーカル: ケヴィン・チャルファント
- ギター : ジョシュ・ラモス
- ベース : ロス・ヴァロリー
- ドラムス : スティーヴ・スミス
- キーボード: グレッグ:ローリー
デビューアルバムからは「I’VE GOT A LOT TO LEARN ABOUT LOVE」がシングルカットされ全米チャートイン。
その後もブライアン・アダムスのツアーサポートを行うなど、バンドとしての活動を愚直に進めていたようですが…。
いかんせん契約レーベルが「ラップジャンル」に傾倒していきます…。
後ろ盾を失い2枚目アルバムのリリースタイミングも逸する形に(1996年)。
皮肉にもグランジ・オルタナSTORMに思い切り巻き込まれる形となり消滅してしまいました。
本作「THE STORM」 で聴けるサウンドは当然のことながら「ほぼ JOURNEY」。
メロディアス・ハードロック、AOR、産業ロック、POPロック…。
もはや呼び方などどうでも良いと思えるほどに美しく透明感のあるメロディ。
上質な絹織物のように聴く者を包み込む感じです。
力強さと伸びのあるヴォーカル。
バンド内の力関係を暗示させるようなリズム隊のオラオラ感も印象的。
そんな音像とは対照的に地味を通り越して「やる気あんの?」状態のジャケット・デザインは謎ですね。
それを言ったらバンド名自体も謎なのですが…。
おすすめ楽曲
I’VE GOT A LOT TO LEARN ABOUT LOVE
憂鬱な雨の日も THE STORM を聴けば心がスッキリ晴れ渡るような爽快感が得られます。
これぞ解りやすいアメリカン・ハードロックの王道ともいえる本来の楽しみ方。
贅沢な悩みを言えば、曲作りが上手すぎて舌(耳)が肥えてしまいどの曲もみんな美味しい状態になってしまうことでしょうか。
箸休め、メインディッシュ的な楽曲のメリハリ、アルバムの構成上のフック要素があればなーなどと思ってしまいました。
HARDLINE | DOUBLE ECLIPSE

アルバム概要
1992年リリースの HARDLINE デビューアルバム「DOUBLE ECLIPSE」。
HARDLINE はJOURNEYのギタリスト ニール・ショーンがジョニー・ジョエリ(ヴォーカル)と共に結成したメロディアス・ハードロックバンド。
JOURNEYの解散後には BAD ENGLISH で活動していたニール・ショーン。
よりハードな音像を求めてこの HARDLINE では弾きまくっています。
アメリカン・ハードロックの王道を行く切れ味の良い爽快メロディアスな楽曲。
哀愁を帯びた声質の名ヴォーカリストのジョニー・ジョエリが三ツ星シェフのごとく調理して仕上げている名曲の数々。
90年代を代表するメロディアス・ハードロックの名盤と言って良いでしょう。
しかし残念ながら結成時の面子での活動は長くは続かずに本作のツアー終了後にバンドは一旦解散。
その後は、ヴォーカルのジョニー・ジョエリを唯一のオリジナルメンバーとして解散と再結成を繰り返していますね。
- ヴォーカル: ジョニー・ジョエリ
- ギター : ニール・ショーン
- ベース : トッド・ジェンセン
- ドラムス : ディーン・カストロノヴォ
おすすめ楽曲
HOT CHERIE
セルフカバー曲とのことですが本当に完成度の高い哀愁メロディアス楽曲ですよね。
ジョニー・ジョエリの憂いのある声質がクライマックスのサビメロへ向かってエモーショナル度を爆上げしていきます。
キャンキャン鳴く泣くように奏でられるニール・ショーンのバッキングギター。
ハードなタッチが伝わってきて思わず頭が揺れ動きます。
1stシングルとなった本曲の他にも「EVERYTHING」「I’LL BE THERE」などメロディアス・ハードロックの名曲が揃った捨て曲無しの名盤。
大切に聴き続けたい一枚ですね。
RUSH | ROLL THE BONES
アルバム概要
1991年リリースの カナダが誇るプログレッシブ・バンド RUSH の14枚目アルバム「ROLL THE BONES」。
今さらながらこのブログでRUSHを取り上げたことが無い事に気が付いて書いてます。
プログレッシブと聞くと私みたいな単細胞はへっぴり腰になりがちですが、その点 RUSH は心配無用ですね。
テクニカルな3ピースで紡がれていく楽曲はむやみやたらな難解さとは無縁で多少の変拍子がある程度の聴きやすさ。
個性的な透明感を持つヴォーカルの声質が、両手を広げて聴く者の門戸を広げてくれています。
個人的な見解として、RUSH というバンドほど聴く者にとって非常に多くのアプローチ経路、魅力、切り口を持っているバンドも他にないかなと思います。
前述の複雑な変拍子が展開されるテクニカルな楽曲構成を楽しむも良し。
主に作詞を担当するドラムスのニール・パートの歌詞の世界観を深堀していくのも良し。
デビュー以降のシーンの潮流に融合させていく楽曲(アルバム)作りの変遷を楽しむも良し。
時間に余裕があって探究心の旺盛な人にとっては、掘れば掘るほどどんどんその魅力と深みにはまっていくバンドと言って間違いないでしょう。
本作「ROLL THE BONES」はシンセサイザーの使用が抑えられギターが前面に出ているHR/HMリスナーにもとっつき易い仕上がり。
洗練された楽曲群は一瞬AOR臭…もするくらいの聴きやすさ。
ラップの要素も取り入れたりと変幻自在の多才ぶりを発揮しています。
最期にジャケットデザインにも触れておきましょう。
アートワークを担当しているのはおなじみの同郷カナダ出身のデザイナー「ヒュー・サイム 」。
この方、私のお気に入りアルバムも数多く手がけられておりまして大好きなデザイナーの一人です。
Y&T / BONFIRE / BON JOVI / DREAM THEATER / GREAT WHITE / THE STORM / WHITESNAKE…
もう多すぎてキリがありませんね…。
バンドメンバー
- ヴォーカル:ケディー・リー(兼ベース、キーボード)
- ギター :アレックス・ライフソン
- ベース :ケディー・リー
おすすめ楽曲
BRAVADO
シングルカット曲「DREAMLINE」やアルバムタイトル曲「ROLL THE BONES」も無論良い楽曲なのですが…。
今回は RUSH ならではの哀愁と憂いを充満させながら決して暗くはならない爽快感を感じさせるこちらの曲をチョイスしました。
いやぁ~、良いですねぇ~。
朴訥としたベースラインが堪りません。
切ない中にも内に秘められた強固な意志を感じさせる歌詞もグッときますね。


