TREAT どんなバンド?
TREATは1982年に北欧スウェーデンで結成されたメロディアスハード・ロック・バンド。
デビューのタイミングとしては最高(まさに”今でしょ”な感じ)で、HR/HM界は大いに盛り上がり、EUROPEが既にシーンで注目を集めていた最中に、EUROPEに続く北欧期待の新星としてそれなりに注目されていました。
デビュー当初のサウンドは、一般的にカテゴライズされる際の「哀愁」「叙情性」「湿気の高さ」と言った「北欧感」は希薄で、どちらかと言えば軽快なR&R色の強い、アカ抜けてないDEF LAPPARDと言った音楽性を持ち合わせていました。
その後、EUROPEが「THE FINAL COUNTDOWN」を大ヒットさせ「北欧=哀愁」の方程式が固まると、いまいち中途半端な立ち位置だったTREATも慌てたようにキーボードを多用した哀愁路線に寄せていったものの、これぞというキメ曲は産み出せず、EUROPEの眩い成功にかすんでいってしまった印象です。
Organized Crime どんなアルバム?
「Organized Crime」は1989年発売のTREATの4枚目のアルバム。
結局、この期に及んでもバンドとしての明確な音楽性の方向感が今一つ聴き手に伝わってこない印象で、北欧哀愁路線ではあるものの、WHITESNAKE風あり、BON JOVI風あり、GARY MOORE風ありといった、よく言えば色々楽しめる、悪く言えばごった煮状態という感覚になってしまう作品。
マーケット(特にアメリカ)を意識した楽曲が必要なことも理解できますが、折角の北欧勢という最大の武器をとことん使わない手は無いのでは?と感じてしまう勿体ない印象でした。
文字通り、器用貧乏、そつが無く完成度は高いけど明確な個性も無いといった状態でしょうか。
TNTのハイトーンヴォーカル(トニー・ハーネル)のような明確な個性、インパクトがあれば、間違いなく一気に人気上昇~メジャー昇格していたバンドだったように思います。
因みに、過去形で語ってしまいましたがバンドはその後再結成されてコンスタントにアルバムを発表。
近年ではキャリアに裏打ちされた上質のメロディアス作品を輩出してくれていますので、機会をみて当ブログでも紹介していきたいと思っています。
Conspiracy 楽曲レビュー
洗練された透明感のあるキーボードのイントロは北欧フリークの大好物。
これさえ与えておけば大抵の輩は黙って聴き入ることとなります。
適度な疾走感とドラマティック性を期待させる序盤からの展開は、名曲の予感を感じさせるに十分なクオリティです。
私が抱く「当時の」TREATの最大の魅力は、透明感のあるヴォーカルとコーラスです。
北欧のバンドに何故か多い「鼻のつまったような声質」ではなく、聴きやすい伸びやかな声質で楽曲のイメージとマッチしています。
そして、バックからサポートするハモリコーラスもサビでの盛り上がりに大きな効果を果たしています。
ギターソロの構成も見事ですね~。
テクニカルかつドラマティックなソロが展開され、楽曲の最大の聴きどころとなっています。
追記
2022年にもTREATの素晴らしい内容の新譜がリリースされました。
↓↓↓こちらの特集記事の中でレビューさせて頂きましたので、合わせてご覧頂けましたら嬉しいです↓↓↓