SAXON / Wheels of Steel レビュー
NWOBHM四天王の一角を担う重鎮
SAXONを語るうえで避けて通れないのがNWOBHMムーブメント。
私にとってのNWOBHMの四天王バンドをあげるとすれば、Iron Maiden、Def Leppard、Praying Mantis、そしてSaxonとなるでしょう。
人によっては、いやいやそこはMotorheadだろ!とか、色々言う人もいそうですが、あくまで個人の主観なのでご容赦下さい。
そんなわけで40年以上もの長きに渡りブリティッシュ・ヘヴィメタルを牽引してきた老舗バンドが、1980年にリリースした2枚目のアルバムが本作です。
デビューアルバムよりも楽曲の勢いが増し、続く3枚目、4枚目のアルバムと合わせて、文字通り男臭いバイク乗りメタルのイメージを完全に確立させた作品と言えますね。
まさに爆走感のある疾走チューンや、重厚感のあるミドルテンポの渋い楽曲など、緩急をつけた展開で聴き応え十分な作品となっています。
そして何と言ってもSAXONの真骨頂はそのライブパフォーマンスにあり、冒頭に言及したライブアルバムでは、スタジオ盤をはるかにしのぐクオリティで代表曲を聴くことができます。
「サクソン!チャチャチャ」「サクソン!チャチャチャ」「サクソン!チャチャチャ」
1982年リリースのライブアルバム「The Eagle Has Landed(邦題:鷲は舞い降りた)」のオープニングで聴こえる野太い男たちの「サクソン!チャチャチャ」の掛け声にアドレナリンがグラグラと沸騰してきます。
メンバー・収録曲
【メンバー】
- ヴォーカル: ビフ・バイフォード
- ギター : グラハム・オリバー
- ギター : ポール・クィン
- ベース : スティーブ・ドーソン
- ドラムス : ピート・ギル
【収録曲】
- Motorcycle Man – 3:56
- Stand Up And Be Counted – 3:09
- 747 (Strangers In The Night) – 4:58
- Wheels Of Steel – 5:58
- Freeway Mad – 2:41
- See The Light Shining – 4:55
- Street Fighting Gang – 3:12
- Suzie Hold On – 4:34
- Machine Gun – 5:23
おすすめ楽曲
Motorcycle Man
ライブのオープニングに相応しい疾走ナンバーで、SAXONの代名詞とも言える楽曲。
あれ?、リマスター・バージョンで「サクソン!チャチャチャ」の観衆の叫びがトーンダウンされちゃったかなあ?。
(まあ、どうでもいいですが...)
SAXONの楽曲はいずれもリフはシンプル、ドラム&ベースが手数多めに疾走感と重厚感を演出、独特の突拍子もないギターソロのメロディといった特徴を持っていますね。
747 (Strangers In The Night)
間髪入れずに2曲目を展開するあたり、さすがです。
見事にツボを押さえています。
格好良すぎです!。
スタジオ盤に比べて、ややスビードも上がり、サビメロが改善され、個人的にドラムの音数が圧倒的に多いのが嬉しい変身ぶり。
ほんと、小難しいことなんてやる必要なんて無いのよね~。
最小限とも言えるプレイでこれだけの名曲が作れちゃうんだから。
これからロックギターを始める人なんかには、これ以上ないおすすめの楽曲だと思います。
スモーク・オン・ザ・ウォーターをマスターしたら次にはこの曲を練習しましょ。
Wheels Of Steel
高校の時の文化祭で、先輩のバンドがこの曲やってたなあ。
とにかくステージ上で激しく動き回りながら、ノリノリでギターを掻きむしるように弾いてて格好良かったのを思い出します。
このライブ音源でも、途中で観客を煽って歌わせてますが、こういうノリや一体感を得られるバンドのライブってやっぱりファンの記憶にいつまでも残るものだと思うのです。
まとめ
男臭いヘビー・メタル道の一本道をバイクで爆進し続けて、長きに渡りNWOBHMを牽引してきたSAXON。
途中、ハイウェイ・ジャンクションで進路を間違えて迷走していた?時期もありましたが、試行錯誤の末に、今もバイクに跨ったまま現役で頑張っている姿勢には感服しますし、心から敬意を表したいと思います。
やっぱり音楽に限らず何でもそうなんだと思うけど、「ブレない」ことって大事なような気がします。