BRYAN ADAMS【最高傑作】「RECKLESS」レビュー

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BRYAN ADAMS / RECKLESS レビュー

最高セールスを記録したメガヒットアルバム

1984年11月5日(11月5日はブライアン・アダムス当時25歳の誕生日)リリースの4枚目のスタジオアルバム。

前年の1983年リリースの3枚目「Cuts Like a Knife」が一定の支持を得ており、躍進を遂げる勝負作と位置付けられた本作4枚目。

やってくれましたね、さすが若大将。

年間全米チャートで第2位に輝き大ヒットシングルを連発させるなど、ブライアン・アダムスの最高傑作と誰もが賞賛する作品となりました。

(個人的には次作「IN TO THE FIRE」も甲乙つけがたい名盤と位置付けております…。)

(また、この年の年間第1位アルバム(=RECKLESSよりも売上で上回った超お化けアルバム)は「労働者たちのヒーロー」ブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」でした…納得…。)

それにしても、アルバムからヒットシングルが1曲当たれば万々歳の世界で、本作 RECKLESS からは実に4曲のメガヒットシングルが飛び出すという快挙。

このメガヒット4曲はアルバムの「3曲目~6曲目」で連続収録されていて、さながらベストアルバムのような贅沢極まりない罰があたりそうな構成となっていますね。

3連続というのは伝説の「3番バース~4番掛布~5番岡田の3者連続バックスクリーンにホームラン」というのがありますが、4連続となりますとちょっと聞いたことがありません。

当時の状況で言えば、伝説の3人に続くバッターの「6番佐野」もホームランかっとばしという事になります。

阪神ファンの方々には失礼ですが、佐野?誰?って感じで非常に地味な選手ですよね~。

ピッチャーも当然槇原から鹿取にスイッチされた中で、結果はボテボテのショートゴロ。

あっけなく3球で勝負が終わりました。

(普通はこうなりますよね=4連続というのはそれほど難しいということで)

ということで、6番佐野までもがバックスクリーンに見事にアーチをかけた形の「RECKLESS」。

その後更に2曲を加え、結局全部で6曲がシングルカットされた本作は、完全にブライアン・アダムスの世界的な地位を確立させた作品となりました。

 

収録曲

  1. One Night Love Affair
  2. She’s Only Happy When She’s Dancin’
  3. Run to You
  4. Heaven
  5. Somebody
  6. Summer of ’69
  7. Kids Wanna Rock
  8. It’s Only Love
  9. Long Gone
  10. Ain’t Gonna Cry

 

おすすめ楽曲

One Night Love Affair

オープニングに相応しいシンプルで切れのあるギターで切り裂いてくる名曲。

前作「Cuts Like a Knife」に比べ明らかにサウンドプロダクションが進化し、奥行きを体感できる音像。

前述したパット・スチュワードの抜けの良いスネアも最高です。

サビメロが果てしなく感動的に広がりを見せ、まさに屋外ステージやスタジアムでのライブが最高に似合う楽曲ですね。

エンディングにかけての伸びやかなギターソロもずーっと永遠に聴いていたくなります。

 

Run to You

この曲は元々はブルー・オイスター・カルト向けに作曲したものという話を聞いたことがありますが、結果としては没になって良かったですね。

本作からのファーストシングル~ブライアン・アダムスの代表曲の一つにもなりました。

小細工無しに一気にサビメロへ持っていく潔い構成が、楽曲の印象をより鮮明に聴き手に刻み込みますね。

その後はひたすらサビの連呼とブレイク後のギターカッティングで、仕上げのダメ押し印象付けって感じでしょうか。

 

Heaven

本作を聴いていて感じるのは、サウンドプロダクションの進化と共に、ブライアン・アダムスの歌唱に深みが出てきたことでしょうか。

前作では粒揃いの良曲が揃っていたものの肝心のヴォーカルスタイルがワンパターンに感じてしまい、結局みんな同じような曲に聴こえてしまっていました。

本作では「渋み」までは無論到達していないものの、楽曲に応じてより表現力豊かな「深み」のあるヴォーカルスタイルが披露されており、それぞれの楽曲がより強烈に心に残る作品となっていると思います。

しかもそれらが「あざとさ」を感じずに至って自然体での表現で聴けるという点が、このアルバムの最大の成功要素のような気がします。

変に格好つけてないナチュラルに滲み出てきた「訴えかけたいもの」が、まだ青臭さの残る歌詞と共にそのままストレートに伝わってきて思わず親近感を抱いてしまいます。

 

Somebody

イントロで勝負ありの滅茶苦茶かっちょ良いロックチューン。

もう天才としか言いようのないイントロのギターメロディ。

タメを効かせまくった究極に気持ち良いスネアドラム。

バックで刻まれる湿度0%のカラッカラに乾いたギターカッティング。

全てが気持ち良く、かっちょ良い、これまた広大な屋外ステージにしか似合わない楽曲ですね。

 

Summer of ’69

間違いなく本作の最高楽曲。

この曲で一体何度鳥肌を立て、何度背中を押され鼓舞されたことでしょうか。

良い歳こいた大人になった今でも、この曲を聴くと青臭い若かりし頃の「夏」が思い出されます。

クサい言い回しながら「青春そのもの」といった楽曲で感情移入しまくり!。

理屈抜きに心が震える最高にかっちょ良いロックアンセムですね。

 

まとめ

世界的な名声を獲得してもなお、謙虚な姿勢と親しみやすく偉ぶらない感じの人間性のブライアン・アダムス。

わざとらしく全く格好つけてないのに格好良いという、男目線で見ても素直に格好良いなぁと思う男です。

飾らぬ自然体でストレートに心情を表現した歌詞や音楽性、成熟する大人になる一歩手前の青臭さえ感じる世界観に、「近からずとも遠からず(全然遠いけど…)」的な勝手な親近感を抱かせる不思議なアーティストだと思います。

近年では音楽の他に写真家としても活動しており、有名雑誌の表紙や昨年2022年リリースの自身のアルバムでは全てのジャケット写真を自ら撮影するなど、まだまだ活躍の幅はこれからも広がりそうですね。

 

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