毎年9月12日は「宇宙の日」。
宇宙飛行士の毛利衛さんが日本人として初めてアメリカのスペースシャトル「エンデバー」で宇宙に飛び立った日に由来しています。
ということで、今回はハードロックと非常に親和性の高い「宇宙」や「星」に因んだバンド、作品や楽曲を特集企画してみたいと思います。
メジャーどころ以外にも世界には星の数ほどあるバンド、楽曲の中から輝きを放つものを少しでもご紹介できたら嬉しいです。
Hear ‘n Aid | Stars
実はこの曲を取り上げたかったのが今回の企画の主たる理由でもあります…。
私にとっては「星=Star」と言えば先ずはこの曲しかありません。
「Hear ‘n Aid」は、HR/HM界にとっての黄金時代である1980 年代に活躍していた名だたるアーティスト達が、アフリカ飢饉救済のための資金を集める目的で一堂に会した1度限りのプロジェクト。
1986年にコンピレーションアルバム「Stars」- Hear ‘n Aid (An All-Star Album for Famine Relief)をリリースしました。
プロジェクト設立の契機となったのは、その前年1985年の「USA for Africa(United Support of Artists for Africa)」ですね。
当時のアメリカロック界を中心としたこれまた夢のスーパースター達が集結し、アフリカの飢餓救済のためのチャリティーソング「We are the World」をリリース。
(これまた泣きそうになるほど良い曲ですよね…。)
それに対して、HR/HM界でも同様の活動、表現ができないかとの想いが発端のようです。
発起人は当時の「DIO」のメンバーだったヴィヴィアン・キャンベルとジミー・ベインが中心となって他のアーティストに呼びかけを実施。
HR/HM界のさぶちゃんことロニー・ジェイムス・ディオが全体の取りまとめ役を務めました。
1985年5月20日と21日の2日間でスタジオ収録された模様は後にDVDでもリリースされていますね。
ただでさえクセの強い当時の名だたるアーティスト達を取りまとめることができたのは、ロニー・ジェイムス・ディオ以外にはいなかったでしょう。
そしてリードヴォーカルを小節毎に区切ってつなぎ合わせ、ギターソロも同様に編集していく作業はさぞかし頭を悩ませたことでしょう。
俺が俺がの自己主張の強そうな面子が勢ぞろいしている中で、公平性を担保しながら全体最適を見出すという難しい調整役。
ホントにお疲れさまでした。
私のようなギター小僧にとっては、一曲でスーパーギタリスト達のソロが全て堪能できる本曲はホント「神曲」。
今でも全てのギターソロのフレーズを頭の中で克明に反芻出来るほどに聴き込みました。
これがまた、ディオの編集がお見事過ぎると言いますか、フレーズを聴いただけで誰が弾いているのかが判る位に特徴的な部分を採用しています。
そして、このスーパーギターソロをこともなげに完コピしちゃってるのが有名なこの方。
大阪のお好み焼き屋「薩摩」の店主。
寝屋川のヴァン・ヘイレンこと米田喜一さんですね。
その細部にまで拘ったコピーテクニックは本当にいつも感心しながら視聴させて頂いてます。
ブラッド・ギルスなどは「おいおい、あんだけ気合い入れて弾いたのにアーミングのとこだけかよ!」と文句たらたらだったとかなかったとか…。
そんなスーパーギタリスト達の不満のガス抜きとして、未収録ソロ特集の動画もありましたのでついでに貼り付けておきます。
SHOK PARIS | Steel and Starlight
さて、「Stars」を書き終えましたので後はテキトーに…とか言ってはいけないですね…。
続いては、SHOK PARIS の4枚目アルバム「STEEL AND STARLIGHT」からのタイトル曲をチョイス。
日本デビュー作となった前作3枚目アルバム「CONCRETE KILLERS」が某誌の某氏に酷評され、不当な扱いを受けた悲運のバンド SHOK PARIS。
ホント、影響力のある(あった)メディアとしてもう少し責任感ある評価をして欲しいよなぁ、と当時は憤慨しました。
怖いもの見たさ?で購入して見事にツボった「CONCRETE KILLERS」のレビューはこちら
SHOK PARIS 【おすすめ名曲】 The Heat And The Fire
暑苦しいコテコテ感満載のヴォーカル。
もはや伝統芸能の域に達しているわざとらしいツインリード。
などなど個人的にはたまらなく大好きなバンドです。
バンドのwebサイトもまだ「生きて」いる感じですので、新譜のニュースなんかがいきなり飛び込んでくることに期待したいところです。
STAR MAFIA BOY | En la Eternidad
お次の「Star」はスペインのマドリード出身と思われる謎のこの方「STAR MAFIA BOY」。
私のつまらない X(Twitter)のフォロワーさんで異国の地から「いいね」をくれる優しいお方です。
KISS や T.Rex、 Hanoi Rocks 等からの影響を多分に受けているようで、今どきにしてはシンプルというか非常に潔いロックン・ロールを聴かせてくれています。
歌詞はスペイン語と思われ独特のイントネーション&全くもって意味が解りませんが…。
(と言いつつ英語でも大して解っていないのですが…)
VENUS & MARS | Take for What it is
「VENUS & MARS」金星と火星ですからねぇ~、今回の企画ど真ん中です。
VENUS & MARS はアメリカ・ロサンゼルス出身のダイアナ・デウィット(ボーカル)とロビン・ランドール(キーボード)の2人の女性によるAORデュオ。
当時のB誌の輸入盤レビューで目にとまり、購入に走った記憶があります。
ロビン・ランドールの方は母親であるジョディス・ランドールと共に作曲活動で実績があり、HEARTをはじめとする数多くのアーティストに楽曲を提供している凄腕の仕事人です。
ダイアナ・デウィットはお綺麗な顔に似合わないほどにハスキー&パワフルなヴォーカルをかましてくれていますね。
ボニー・タイラー系統で丁度良いハスキー度合いという、個人的にはお気に入りの歌唱です。
楽曲ももろHERATにありそうな心地良く聴きやすい上質のポップロックが揃えられており、アルバムとしてのクオリティも高い作品だと思います。
因みに、VENUS & MARS と言えばポール・マッカートニー率いる Wings のこちらのアルバムも有名ですが、今回はスルーさせて頂きます…。
BABY METAL |Starlight
お次は「銀河=GALAXY」をコンセプトとしているBABYMETALの登場。
SU-METAL、MOAMETAL、MOMOMETALの3人には今後の世界での更なる大活躍、明るい未来しか見えませんね。
SHOOTING STAR | You’ve Got What I Need
お次はガラッと雰囲気変わりまして、1980年リリースの SHOOTING SAR デビューアルバムからの渋い一曲です。
メロハーファンにとっては、期待値と血圧が爆上がりしてしまうバンド名。
メンバーはヴァイオリン奏者も含む6人編成。
なんだか格調高い荘厳な様式美の世界観をイメージしてしまいます。
そんな勝手な先入観は良い意味で裏切られ、楽曲はコンパクトにまとめられた分かり易いアメリカン・ハードロックで非常に聴きやすいです。
’70年代のムードを色濃く残しながらも新感覚(と言っても’80年代ですが…)を取り入れた音像。
折角なのでもう一曲紹介しておきましょう。
アルバムのラストを飾る名曲。
7分近い長大作曲。
本来バンドが目指している方向性ってこういうことなのね….。
と感じさせるような、妙に気合の入った楽曲に仕上がっています。
特に、中盤以降に突如覚醒、豹変する曲展開は意外性の山倉状態。
6人のメンバーが本性をむき出しにしてやりたい放題のバトルロイヤルを展開。
その後また何事も無かったかのように序盤の曲調に戻っていくという「リスナー置き去り」戦法ですね。
ORION THE HUNTER | SO YOU RAN
出ました!。
これまた本企画にピッタリな伝説のバンド「ORION THE HUNTER」。
BOSTON の創設メンバーの一人だった バリー・グドローが、BOSTON を脱退後に結成したバンドですね。
1984年にリリースされた本作が唯一の作品となってしまいましたが、逆にだからこそ本作の持つ価値を高めています。
オープニングの名曲「All Those Years」でメロハーファンのハートを強力にグリップ~続く本曲では完全に息の根を止められます。
それもそのはず、本作には当時のBOSTONのメンバーのブラッド・デルプや後にメンバーとなるフラン・コスモが参加しており「ほぼBOSTON」「ネオBOSTON」って状態でした。
正直言いますとどっかで聴いたことのあるメロディも無いことはないですが、美しく伸びやかな歌唱とコーラスで全てを吹っ飛ばしてくれてます。
他にも「Stand Up」をはじめ収録全曲が名曲と自信を持って太鼓判を押せる名盤中の名盤です!。
UNIVERSE | UP TO THE SKY
80年代に活躍し最近また復活のニュースがあった北欧スウェーデンの老舗バンドとは異なる「UNIVERSE」も貼っておきましょう。
詳細不明のバンドですが、メロハー好きなら一聴の価値ありの「ちょっぴり哀愁」のオーソドックスなハードロックを展開しています。
2015年リリースの作品のようですが、ジャケットデザインは本企画には持って来いですね。
楽曲もなかなかの粒揃いで適度な湿気を含んでいます。
ヴォーカルとドラムがやや不安定に感じますが、ライブ動画を見てみたら案の定…。
見なかったことにしましょう…。
E.L.O. | MR. BLUE SKY
「宇宙」を旅する乗り物として憧れるのが「宇宙船」。
宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道やら色々ありましたが、HR/HM野郎としてはやはり「BOSTON号」に乗って「E.L.O. 宇宙ステーション」に行きたいところ。
1977年リリースの E.L.O.(The Electric Light Orchestra)7枚目アルバム「OUT OF THE BLUE」からお馴染み楽曲「MR. BLUE SKY」でも聴きながらですね。
長岡秀星デザインのこちらのジャケットに夢が膨らみますよね~。
鮮やかな色使いも素晴らしいです。
因みに、長岡秀星が手掛けた数あるアルバム・ジャケットの中でも好きなのがこちら。
1978年リリースの DEEP PURPLE のコンピレーション盤「When We Rock, We Rock, and When We Roll, We Roll」ですね。
個人的には「E.L.O. 宇宙ステーション」の内部だと勝手に思っています…。
さて、本題の楽曲の方ですが既にTVCMでも頻繁に使用されている曲なので E.L.O. を知らない人でも「何だ、この曲か」と思われる方も多いかと。
まるで QUEEN のような軽快でポップなセンスが光っていますね~。
そして後半にはシャバダバ、シャバダバーからのドラマティックな展開も待っている壮大なロマンある楽曲。
完全に一大宇宙物語です…。