Judas Priest / 背徳の掟 レビュー
JUDAS PRIEST の個人的「最高傑作」
ジューダス・プリーストの1984年リリースの9枚目のアルバム(邦題:背徳の掟)。
アルバムセールス的には前作「Screaming For Vengeance(邦題:復讐の叫び)」の方が上回っていますが、本作も負けじ劣らぬヘヴィメタルリスナー必聴盤なのは今更私が言うまでもありません。
甲乙つけがたいジューダス・プリースト全盛期のこの2枚のアルバム。
もしもどちらかを1枚を選べという究極の選択を迫られたら?。
みなさまはどちらを選ぶでしょうか?。
私個人的には「復讐の叫び」は、初めて自分のお小遣いで買った最初のヘヴィメタル系のLPレコードという特別な思い入れもあります。
でも、本ブログで取り上げるジューダス・プリーストの最初のアルバムとして、断腸の思いで私は本作を最高傑作として選ぶことにしました。
80年代ヘヴィメタルの象徴的アルバム
ヘヴィメタル界で誰もが認める大御所「ジューダス・プリースト」。
文字通り「ヘヴィメタル=重金属」を具現化する鋼鉄のリフワーク、鋭利な角度で攻撃的に切れ込んでくるツインギターのソロフレーズ。
青筋を立てたこめかみから煙の出そうな勢いで脳天から突き抜けていくような感覚に襲われる、高音域でシャウトするヴォーカル。
もはやヘヴィメタルの原型、スタンダートといえるでしょう。
そして楽曲のみならず、鋲鉄を打ち込んだブラックレザーを身にまとい、ステージにはハーレーで乗り込んでくるパフォーマンス。
彼らそのものがヘヴィメタルの象徴的存在としてシーンの礎を築いてきましたね。
本作は、そのジューダス・プリーストの長年にわたるキャリアの中でもまさに脂の乗り切った全盛期の最高傑作!。
冒頭に記したように、甲乙つけ難い前作に輪をかけて楽曲の完成度は高まり、ギターソロのメロディラインにおいても十分に練り込まれた洗練された深みが出ています。
ヘヴィメタルとは何ぞや?。
まさにその問いへの回答。
無言でこのアルバムを差し出せば事足りるほどに、まさにヘヴィメタル然とした、潔さすら感じてしまう永遠の教科書的楽曲が目白押しです。
熱かったあの時代、灼熱の80年代が体感できるアルバムですね。
ジャケットデザイン「メタリアン」はライブでも活躍
本作のジャケットデザインは、前作「復讐の叫び」の鋼鉄の鳥獣で高い評価?を得たデザイナーが引き続き担当しています。
本作のデザインではライオンなのか、トラなのか、般若の面なのか解りませんが謎の鋼鉄獣が登場。
見方によっては、某戦場カメラマンにも似た頬のこけまくったライオンのようにも見えてしまいます…。
「メタリアン(メタリオンと呼ぶ人もいますが…)」と名付けられたこの鋼鉄獣は、後のライブにおいてもステージセットとして登場。
アイアン・メイデンの「エディ」同様に、ジューダス・プリースト=「メタリアン(鋼鉄獣)」というシンボリック性を高めることにも貢献しました。
(ほんとか?…)
スコアチャート
メンバー・収録曲
【メンバー】
- ヴォーカル: ロブ・ハルフォード
- ギター : グレン・ティプトン
- ギター : K.K.ダウニング
- ベース : イアン・ヒル
- ドラムス : デイブ・ホーランド
【収録曲】
- Freewheel Burning – 4:24
- Jawbreaker – 3:26
- Rock Hard Ride Free – 5:33
- The Sentinel – 5:02
- Love Bites – 4:47
- Eat Me Alive – 3:35
- Some Heads Are Gonna Roll – 4:07
- Night Comes Down – 4:00
- Heavy Duty – 2:25
- Defenders of the Faith – 1:26
おすすめ楽曲
Freewheel Burning
Jawbreaker
Rock Hard Ride Free
The Sentinel
まとめ
IRON MAIDENと並んで、ヘヴィメタル界の代表的、象徴的なバンドの一つであるジューダス・プリースト。
メタルゴッドと称される程に存在感とカリスマ性を誇るヴォーカルのロブ・ハルフォードを軸として、水戸黄門における助さん角さんのように盤石に脇を固めるツインギター。
派手さはないものの、激しく躍動するエンジンを支える強固なエンジンマウントの如く、いぶし銀のプレイで土台を固めるリズム隊。
長年にわたるバンドとしてのキャリア、紆余曲折を経て、80年代のHR/HM全盛期においてまさに孤高の金字塔を打ち立てたジューダス・プリーストの全てが凝縮された名盤中の名盤です。