BOSTON 1st(幻想飛行)レビュー
BOSTON伝説の始まり…
「どんなアルバム?」って今さら私ごときが多くを語る必要はありませんね。
ロック、とりわけアメリカン・ハードロックの歴史において伝説として永久に語り継がれていくでしょう名盤中の名盤です。
1976年という今から40年以上も前にリリースされた作品でありながら、今聴いても全く色褪せ感は皆無。
実は私はBOSTONについては「2ndアルバムから入った口」でして。
兄貴の持っていた「Don’t Look Back」で頭をかち割られた後に、フラフラになりながらこちらのデビューアルバムを体験しました。
トム・ショルツが表現したかった事がより具現化された2ndアルバムの方が、当然完成度は高まっているとは思いますが…。
ハッキリ言ってこの2枚のアルバムは甲乙つけがたい、どちらも BOSTON の最高傑作となり得る作品だと思います。
(と言いつつ、実は私が最高傑作として位置付けているのは3枚目の「THIRD STAGE」だったりするのですが…。)
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美しいメロディが満載のシンプルなロックアルバム
本デビュー作のサウンドは、当然と言えば当然ですが拘り抜かれた超絶ミルフィーユ状態の重厚さを誇る2ndアルバムに比べれば、加工度は低めでよりナチュラル感が強い音質です。
その分、本来の持ち味であるメロディラインとコーラスの美しさがより際立っている印象ですね。
各楽曲の完成度は非常に高く、良く言われる産業ロックだとか、ポップ過ぎるだとか、軽いとか重いとかの議論はどうでも良くなってきます。
単純明快に良い音楽、シンプルに楽しめるロックが粒揃いに凝縮されている作品。
そして、3曲目に収録の「Foreplay / Long Time」のような、時にBOSTONがプログレッシブだと称される所以とも言える楽曲も聴き応えが十分にありますね。
お気に入りのコピーバンド
渋いコピー演奏を配信している「Lexington Lab Band」
話はチョッと脇道にそれますが、現在はYoutubeなどでいつでもどこでも様々なMVを視聴できる便利な世の中になりました。
そんなYouTubeで見つけたお気に入りのコピーバンドがこちら。
レキシントン・ラボ・バンド (Lexington Lab Band)
見た目はお世辞にも格好良いとは言えない(むしろむさくるしい)オヤジ達が、極上のプレイで数々の名曲をコピープレイしているバンドです。
とにかく、見た目とは裏腹に相当の腕利きミュージシャン集団というのが、コピープレイの再現性の高さで物語っています。
そして、このバンドのプレイする曲、その選曲の渋さがオヤジ世代にはたまりません。
BOSTON、TOTOをはじめとして、まさに当時自分達がやっていた、又はやりたくても難しくて出来なかった名曲の数々を楽しみながら余裕で再現しちゃってるのが凄いです。
メンバー・収録曲
メンバー
- ヴォーカル: ブラッド・デルプ
- ギター : トム・ショルツ
- ギター : バリー・グドロー
- ベース : フラン・シーン
- ドラム : ジム・マスデア
収録曲
- More Than A Feeling
- Peace Of Mind
- Foreplay / Long Time
- Rock & Roll Band
- Smokin’
- Hitch A Ride
- Something About You
- Let Me Take You Home Tonight
おすすめの楽曲
More Than A Feeling
デビューアルバムのオープニング曲としては圧巻の完成度を誇る名曲。
もはや新人としての不安定感はなく、既に部長級の貫録すら感じてしまう仕上がり具合い。
完全に出来上がっちゃってますね。
悪く言えばフレッシュ感が無いとか、若年寄りとか言われちゃうんでしょうけど。
天才(奇才?)トム・ショルツはとにかく常人には到底理解できない、異次元の感覚(センス)と才能を持っているんでしょうね。
落ち着き払った横綱相撲、立ち合いの瞬間でまわしを取られて一気に寄り切られてしまいます。
Peace of Mind
折角なので、「Lexington Lab Band」の動画でご紹介します。
イントロのアコスティックからのギターフレーズの流れで完全にやられちゃう名曲。
個人的には、歴代のBOSTON楽曲の中でも屈指の名曲と位置付けています。
このまま永遠にずーっと聴いていたくなるメロディラインとコーラスの美しさ。
いつ聴いても、何度聴いても決して飽きることの無い、色褪せることを知らない名曲中の名曲だと思います。
それにしても、ルックスとプレイのギャップが半端ないベースの先生も鬼渋プレイですが、比較的若手?のドラムはやばい位にウマくて参りますね。
Rock & Roll Band
BOSTONの真骨頂、シンプルでストレートなRock n’ Rollナンバー。
思わずレスポールが欲しくなっちゃいます。
こちらもLLBの動画でどうぞ。
これだけのプレイヤーが揃っていたらさぞかし楽しくて仕方がないでしょうね。
バックコーラスの女性陣も大人の魅力たっぷりでお綺麗です。
Something About You
イントロのギターメロディが強烈に心に刻み込まれる名曲。
もしも初めて聴く方がいらっしゃるとしたら、この流麗なイントロは一度聴いたら決して忘れられなくなることでしょう。
私の中では、2曲目の「Peace of Mind」に負けじ劣らぬ BOSTON 歴代曲の総合上位にランクインしてくるお気に入り曲です。
所々で2ndアルバムの収録曲「It’s Easy」と被らなくもないですが…、まあ名曲であることは間違いありません。
まとめ
今回はBOSTONの伝説のデビューアルバムをご紹介がてら、YouTubeのお気に入りコピーバンド「LLB」も合わせて紹介させて頂きました。
ノスタルジーに浸るオヤジの戯言ではありますが、長年音楽を文字通り「楽しんで」きて思うことは、聴くのは勿論だけど自分で演奏できたらもっと楽しくなるのは間違いないことです。
最近は誰でもSNSで自らのプレイ動画を発信できる世の中になりました。
中には、いやぁー、チョッとこれを世の中に晒しちゃうのはどうなの?って、見ているこちらが赤面してしまうようなものも正直結構ありますが…。
上手い下手はひとまず置いといて、何より「自分たちが音楽を楽しんでいる」ことが一番大事なんだろーなと、つくづく感じる今日この頃であります。