Fortune / Making Gold 当時BURRN!誌レビュー90点の北欧ハード期待作

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北欧スウェーデン産のメロディアスハード。

そう聞いただけで反射的に高まる期待。

ましてや、当時のBURRN!誌の新譜レビューで広瀬編集長から90点獲得!!。

ざわ、ざわざわ、、。

もはや買わない理由が無いので輸入盤ショップへGo!。即買い!。

今回は、発売当時はにわかにざわついたものの、いつのまにやら幾つかの同名バンドに埋もれる存在となってしまった北欧スウェーデン出身“FORTUNE”(フォーチュン)のデビューアルバム「Making Gold」をご紹介します。

FORTUNE / Making Gold どんなアルバム?

セルフ・プロデュースと思えぬ完成度

本作は、1992年リリースのバンドとしてのデビューアルバム。
時はまさしく、「暗黒のオルグラムーブメント」へ一気に突入していこうとする真っただ中にある中で、その真逆の音楽性とサウンドを淡々と粛々と展開させていくアルバムです。
アルバムのジャケットデザインも、老人が描かれた油絵が中途半端なサイズ感ではめられ、最下段は墨消しされたようになっており、どこか謎めいた雰囲気が満載です。
セルフ・プロデュースのサウンドにしては、ありがちなチープさは感じず、厚み、奥行きが表現されたクオリティの高いサウンドメイクがなされています。
そして、何と言ってもメロディラインの良さが印象的。
ボーカルの不安定さをカバーして余りある秀逸な北欧叙情メロディが、そこかしこに散りばめられており、北欧メロディアスフリークには癖になるレベルの作品と言えるのではないでしょうか。

地力を感じさせる楽曲の良さ

今現在、Googleで「フォーチュン バンド」と検索すると、残念ながら今回ご紹介する北欧スウェーデンのフォーチュンよりも上位に、アメリカの同名バンドが検索結果として表示されます。
(こちらもSURVIVORを髣髴とさせる良いバンドなのですが…。)
北欧スウェーデンの「フォーチュン」は、後に「Clockwise(クロックワイズ)」を結成することになるボーカルのベニー・セーデルベリが在籍していた「安定感のある地力」をもった面々で構成されていたバンドです。
セルフ・プロデュースのデビューアルバムでこれだけ完成度の高い楽曲を披露できるのは、素直に称賛に値するかと思います。
特に、当時若干20歳そこそこのギタリスト、ヘンリック・ベリクヴィストは、ルックスも良く北欧ならではの哀愁のフレーズを連発させるプレイを魅せており、新たなるギターヒーローの誕生か?と、私の中で期待も一気に高まりました。
楽曲、サウンドは典型的な北欧メロディアスハード~至ってオーソドックスなスタイル。
哀愁を帯びながら刻まれるシンプルなリフは北欧メロディアスファンご用達そのものですが、時おり変則的にリズム変調したり、癖のあるメロディラインを展開したりと、良い意味で聴き応えのあるバンドといえるでしょう。

北欧あるある 鼻づまりヴォーカル

私の勝手な持論ですが、北欧のバンドのほとんどはヴォーカルが「ビブラートという概念が無い」「ぶっきらぼう」「吐き捨て形」「鼻声」という独特の歌い回しが特徴のような気がします。
このフォーチュンのヴォーカルであるベニー・セーデルベリはそんな北欧ヴォーカルあるあるを、100%具現化したヴォーカリストといえると思います。

バンドメンバー・収録曲

バンドメンバー

  • ヴォーカル: Benny Söderberg
  • ギター  : Henrik Bergqvist
  • ベース  : Janne Lund
  • ドラムス : Thomas Hauk

収録曲

1. Eyes Of ice
2. Anonymous Lover
3. Lucky Star
4. Renegade
5. Life Goes On
6. Stormy Roads
7. Trouble In paradise
8. Mindreader
9. Sundowner
10.Make Your Move
11.Fools Gold

おすすめ楽曲レビュー

Eyes Of ice

オープニング曲は、キーボードがドラマティックにイントロを盛り上げるミディアムテンポの良曲。

大抵の人はボーカルの第一声でずっこけてしまうかも知れませんが、ここを我慢して聴き続けるとこのバンドの良さがじわじわと体感できるという、やや高めのハードルが仕掛けられています。

ボーカルのベニー・セーデルベリはとにかく癖が強すぎというか、はっきり言ってしまえば下手糞なのでしょうけど、聴き続けていると、それもまた「味」の一種と思えてくるような独特の魅力を持ったボーカルですね。

Anonymous Lover

アルバムの良し悪しが決まる最重要の2曲目。
さすがにツボを押さえた本作の最高楽曲とも言える良曲を持ってきてますね。

北欧の気品や、叙情性を感じさせるメロディラインは見事の一語に尽きます。
特にギターソロでは透明感溢れる素晴らしいフレーズを立て板に水の如く繰り出してきており、技量と器量を兼ね備えていることを窺わせています。

対称的に、若さゆえの純情さというか、どことなく漂うイモ臭さ、田舎臭い垢抜けないボーカルと、多少のドタバタ感が否めないリズム隊ですが、それがかえって逆に耳にこびりついて離れなくなってくるという不思議な感覚を持ったバンドです。

Renegade

アルバム4曲目に収録のまたしてもミディアムテンポの良曲。
ここまでくると、このバンドに「スピード」を求めてはいけない事を確信します。
あくまでもメロディラインで「聴かせる」ことを信条にしているスタイルが明確に伝わってきますね。

それにしてもこのギター、本当にトーンといいフレーズといい、テクニックをひけらかすことなくこれだけの「透明感溢れるフレーズ」を淡々と量産~表現できるのは凄い!。
懐の深さを感じます。

Make Your Move

10曲目に収録のハードポップチューン。
こういうのもやるんだ?と、今後に期待の膨らんだ解りやすい楽曲。
明らかにポップなメロディなのに、このバンドがやると「明/暗」で言えば「暗」という印象になるのが不思議な感じです。

ヨーロッパトリートといった北欧メジャーどころを髣髴とさせるものの、やはりここでも独特のボーカルとはマッチせずといった、何とも惜しい印象です。

まとめ

まったくもって比較対象が思い付きでしかありませんが、私の中では日本勢の「X-RAY」を思わせるバンドです。
湯浅晋の繰り出す天才的かつ透明感をあるフレーズを、ふと思い出しただけですが...。
(ギター以外のパートがやや不安定なところもどことなく共通点を感じます。)
プロデューサーにマックス・ノーマンを迎えて大化けした220VOLTのように、プロデューサー次第でその未来は大きく変わった可能性のあるバンドだったのでは?と思ってしまいます。
それにしても悲しいかな、デビューのタイミングが悪すぎましたね。
時代はどんどんグランジやオルタナティブといった方向性への風速が一気に強まるなかで、この手の音楽性はもはや風前の灯火状態。
それでも諦めきれずに北欧メロディアスハードを愛聴するには、どこか隠れキリシタン的な肩身の狭い思いでこっそりと、みたいな風潮でしたので…。
でも、30年後の現在、再び聴き直してみてもやっぱり良いメロディだなぁーと、心から感慨にふけってしまう、そんなアルバムなのです。
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