北欧スウェーデン産のメロディアスハード。
そう聞いただけで反射的に高まる期待。
ましてや、当時のBURRN!誌の新譜レビューで広瀬編集長から90点獲得!!。
ざわ、ざわざわ、、。
もはや買わない理由が無いので輸入盤ショップへGo!。即買い!。
FORTUNE / Making Gold どんなアルバム?
セルフ・プロデュースと思えぬ完成度
ボーカルの不安定さをカバーして余りある秀逸な北欧叙情メロディが、そこかしこに散りばめられており、北欧メロディアスフリークには癖になるレベルの作品と言えるのではないでしょうか。
地力を感じさせる楽曲の良さ
北欧あるある 鼻づまりヴォーカル
バンドメンバー・収録曲
バンドメンバー
- ヴォーカル: Benny Söderberg
- ギター : Henrik Bergqvist
- ベース : Janne Lund
- ドラムス : Thomas Hauk
収録曲
2. Anonymous Lover
3. Lucky Star
4. Renegade
5. Life Goes On
6. Stormy Roads
7. Trouble In paradise
8. Mindreader
9. Sundowner
10.Make Your Move
11.Fools Gold
おすすめ楽曲レビュー
Eyes Of ice
オープニング曲は、キーボードがドラマティックにイントロを盛り上げるミディアムテンポの良曲。
大抵の人はボーカルの第一声でずっこけてしまうかも知れませんが、ここを我慢して聴き続けるとこのバンドの良さがじわじわと体感できるという、やや高めのハードルが仕掛けられています。
ボーカルのベニー・セーデルベリはとにかく癖が強すぎというか、はっきり言ってしまえば下手糞なのでしょうけど、聴き続けていると、それもまた「味」の一種と思えてくるような独特の魅力を持ったボーカルですね。
Anonymous Lover
アルバムの良し悪しが決まる最重要の2曲目。
さすがにツボを押さえた本作の最高楽曲とも言える良曲を持ってきてますね。
北欧の気品や、叙情性を感じさせるメロディラインは見事の一語に尽きます。
特にギターソロでは透明感溢れる素晴らしいフレーズを立て板に水の如く繰り出してきており、技量と器量を兼ね備えていることを窺わせています。
対称的に、若さゆえの純情さというか、どことなく漂うイモ臭さ、田舎臭い垢抜けないボーカルと、多少のドタバタ感が否めないリズム隊ですが、それがかえって逆に耳にこびりついて離れなくなってくるという不思議な感覚を持ったバンドです。
Renegade
アルバム4曲目に収録のまたしてもミディアムテンポの良曲。
ここまでくると、このバンドに「スピード」を求めてはいけない事を確信します。
あくまでもメロディラインで「聴かせる」ことを信条にしているスタイルが明確に伝わってきますね。
それにしてもこのギター、本当にトーンといいフレーズといい、テクニックをひけらかすことなくこれだけの「透明感溢れるフレーズ」を淡々と量産~表現できるのは凄い!。
懐の深さを感じます。
Make Your Move
10曲目に収録のハードポップチューン。
こういうのもやるんだ?と、今後に期待の膨らんだ解りやすい楽曲。
明らかにポップなメロディなのに、このバンドがやると「明/暗」で言えば「暗」という印象になるのが不思議な感じです。
ヨーロッパやトリートといった北欧メジャーどころを髣髴とさせるものの、やはりここでも独特のボーカルとはマッチせずといった、何とも惜しい印象です。
まとめ
時代はどんどんグランジやオルタナティブといった方向性への風速が一気に強まるなかで、この手の音楽性はもはや風前の灯火状態。
それでも諦めきれずに北欧メロディアスハードを愛聴するには、どこか隠れキリシタン的な肩身の狭い思いでこっそりと、みたいな風潮でしたので…。