冬の冷たい風が強く吹く季節、決まって思い出すのはジョン・ノーラムの赤いほっぺ。
そして「MADISON」。
今回おすすめする1曲は「MADISON / Diamond Mistress(邦題:神嵐の序曲)」からの選曲です!。
MADISON どんなバンド?
ヴォーカルは後にイングヴェイのバンドに参加するヨラン・エドマン
1980年代に疾風の如くその名を轟かせた北欧スウェーデンの正統派様式美バンド。
ヴォーカルに、後にイングヴェイ・J・マルムスティーンのバンドに加入することになるヨラン・エドマンがいたことで有名です。
ヨラン・エドマエンは同じスウェーデン出身のジョン・ノーラム(EUROPE)のソロアルバムに参加。
その音源をイングヴェイ・J・マルムスティーンに見出されてバンドに加入することになりました。
イングヴェイとの作品におけるヨラン・エドマンの歌唱は、確かに覚醒したかの如く高い評価ができるものですが、MADISON時代の本作におけるヴォーカルは、正直言って線も細く高音が少し伸びてるかな程度の印象となります。
北欧B級メタルを代表する音楽性
バンドとしての音楽性は北欧独特の叙情性を持った正統派ヘヴィメタル。
今となっては、当然ながら古臭さとチープ感に溢れてしまいますが、哀愁のメロディラインを青臭さの残るパワーと勢いで表現している音楽性は当時の正統派ヘヴィメタルの原型そのものとも言えます。
残念ながら、MADISONとしてのバンドの活動は2枚のアルバムと最後のシングル音源を残して短く終了してしまいます。
ヘアメタル全盛期ということもあり、その風貌も若気の至り的な「痛い」センスですが、サウンドは対照的に様式美を感じさせる荘厳さがあり、ツインリードによるコテコテのアンサンブルはB級感が満載です。
Lay Down Your Arms どんな曲?
1984年リリースのデビューアルバム「Diamond Mistress(邦題:神嵐の序曲)」のオープニング曲として収録のメロディアスな疾走ナンバー。
まさしくこれぞ(当時の)北欧メタル!。
と言い切れるほどの迷いの無い正統派路線を突き進んでいます。
「高音には自信あります」感が半端ないハイトーンヴォーカル。
一生懸命さが伝わってくるツインリードによる泣きメロのアンサンブル。
それら古典的ヘヴィメタルの王道を行くまっしぐらに突き進むクサ過ぎる曲作りが、思い切りわざとらしくも堂々と展開されていて好感が持てます。
録音音質は悲しいかな当時のB級バンドにありがちの「こもりのおばちゃま」状態。
全体的にシャープ感、クリア感はありませんが、前述のボーカル&ギターが精一杯の奮闘を見せています。
これはこれで、1980年代の良い意味での「渋さ」「味」として受け止める度量がリスナー側にも必要かと思います。
楽曲レビュー
北欧様式美の象徴(?)「教会の鐘の音」をバックに、イントロからツインリードを出し惜しみすることなく繰り出してきますね~。
たまりません…。
それはまるで、ジューダス・プリーストの復讐の叫びにおける「ヘリオン」を、北欧風にアレンジしたかのような展開に、一気に期待感が高まります。
そして、これまた「エレクトリック・アイ」を思わせるような(もしかしてパクリ?)リフメロにより、疾走感抜群の楽曲がスタート!。
ヴォーカルは煙が充満する部屋の中で歌っているかのようなこもり音質ですが、時折見せる高音域の伸びの良さは印象的。
発音とメロディがもう少しハッキリしていたら、もっと良さが引き出せるようなポテンシャルを感じます。
それにしても、ギターは聴けば聴くほど「エレクトリック・アイ」にそっくりに思えてきました…。
そしていよいよギターソロ。
フレーズで思い起こすのは日本勢のANTHEMでしょうか。
泣きの効いた渋いフレーズは日本人好みだと思います。
そしてギターソロ後半はお待ちかねのツインリード。
派手さは無いものの丁寧にハモリをあわせている一生懸命さがひしひしと伝わってきます。
約1分という長編ギターソロには大満足!。
やはり正統派ヘヴィメタルはこうでないといけません。
ということで、まだまだ寒さが続く風の強い日にはMADISONの「神嵐の序曲」を聴いて、当時の「時代の風」を感じてみてはいかがでしょうか。
P.S.
激寒には激アツで対抗するしかありません。
強力火力の関東勢のこのバンドが激推しです!。