WHITESNAKE 【最高傑作】 白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス

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whitesnake 7th
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WHITESNAKE / サーペンス・アルバス~白蛇の紋章~ レビュー

80年代ハードロックの通行手形~必聴の超名盤

WHITESNAKEの1987年リリースの7枚目のアルバム(サーペンス・アルバス~邦題:白蛇の紋章)。

80年代のハードロックを語る上では通行手形とも位置付けられる名盤中の名盤ですね。

このクラスの作品となりますと、素人風情の分際で偉そうにレビューなど書くのはちょっと尻込みしてしまう位に、既に星の数ほどの論評が溢れかえっています。

まあ、それでもバンドとしての最高傑作に触れない訳にはいかないので、あくまで個人的見解として簡単にサクッと書いておこうと思います。

 

ブルージーだった初期のWHITESNAKE

「DEEP PURPLEの3代目ヴォーカリスト」という水戸黄門の印籠のような絶対的な勲章をもつディヴィッド・カヴァーデルのソロ・プロジェクト的に始動したWHITESNAKE。

初期のWHITESNAKEは、ミッキー・ムーディーとバーニー・マースデンという2人のおじさんギタリストを擁していましたが、いかんせんルックス的に「華」が無いのがウィークポイントでしたね。

今だったら「マリオ&ルイージ」のように癒し系愛されキャラとして良かったかもしれませんが…。

また、音楽性もブルースに軸足を置いた渋めの感じの楽曲が多く、当時まだ小僧だった自分にとっては少し荷が重かった内容でした。

それでも、名曲「Fool for Your Loving」や「Don’t Break My Heart Again」等の比較的わかりやすい基本形ハードロック楽曲を何度も繰り返して良く聴いていたものです。

 

覚醒したジョン・サイクスに驚き!

やがて、WHITESNAKEというバンドの代名詞とも言えるような目まぐるしいメンバー交代が猛威を奮います。

当時はただでさえ情報伝達にタイムラグがある上に、情報ソースも極限られた状態の日本の小僧にとっては、「新加入を知った時にはもう既に脱退していた」なんてことも、あったとか無かったとか…。

更に、ディヴィッド・カヴァーデルの喉の手術の影響などもあり、前作アルバムの「Slide It In」から約3年の沈黙を経て1987年に突如届いた新譜が本作「WHITESNAKE(放題:白蛇の紋章)」でした。

そして、メンバーを見ればギターにはどこかで聞いたことのある「ジョン・サイクス」の名前が…。

私にとってジョン・サイクスと言えば、NWOBHMの代表格の座をめぐってIRON MAIDENとしのぎを削っていた「TYGERS OF PAN TANG」のギタリストというのが強烈なイメージ。

 

TYGERS OF PAN TANG-crazy nights

 

 

 

 

 

 

↓↓↓私とジョン・サイクスの運命的な出会いを綴った記事はこちらから↓↓↓

80年代 NWOBHM バンド アルバムを代表するおすすめ楽曲?選

 

はっきり言いまして「TYGERS OF PAN TANG」時代のジョン・サイクスのギタープレイに関しては全く魅力を感じなかったというのが正直なところ…。

アイデアの乏しいリフメイク、煮え切らないサビメロ…。

それがジョン・サイクスのせいだったのかどうかは不明ですが…。

IRON MAIDENに大きく溝を開けられても仕方無いよなぁ~って感じのクオリティでした。

そんな(イメージだった)ジョン・サイクスが…。

まさかここまでの作品を作り上げ大成功を手中に収めようとは…。

 

スコアチャート

WHITESNAKE-7th-scoring

 

 

 

 

 

 

 

メンバー・収録曲

【メンバー】

  • ヴォーカル: デビッド・カヴァーデル
  • ギター  : スティーブ・ヴァイ
  • ベース  : ルディ・サーゾ
  • ドラム  : トミー・アルドリッジ

 

【収録曲】

  1. Crying in the Rain – 5:37
  2. Bad Boys – 4:06
  3. Still of the Night – 6:36
  4. Here I Go Again – 4:34
  5. Give Me All Your Love – 3:31
  6. Is This Love – 4:43
  7. Children of the Night – 4:24
  8. Straight for the Heart – 3:39
  9. Don’t Turn Away – 5:10

 

おすすめの楽曲

Bad Boys

本作のオープニングは、1982年リリースの5枚目アルバム「Saints & Sinners」に収録の「Crying in the Rain」のセルフカバー。

往年のWHITESNAKEを代表するようなじっくりとしたテンポで重厚感抜群ですが、オリジナル時の楽曲は更にゆったりとしたブルースそのものと言った感じです。

ブリティッシュ・ハードロックのお手本のような楽曲で大仰に幕を開けた本作は、続く2曲目でその本質を露わにしてきます。

攻撃的に鋭く切れ込んでくるリフは、歪まくりのヘヴィメタル・サウンド。

はっちゃけたディヴィッド・カヴァーデルのハイテンションな雄叫び。

それらに呼応するようにこれでもかとうねらせ気味にノリを助長させてくるリズム隊。

もはやブリティッシュ感の欠片もなく、突然にアメリカ市場に仕掛けたジョン・サイクスによる奇襲攻撃は、まるで第二次世界大戦時の日本の真珠湾攻撃を思わせます。

さすがは元TYGERS OF PAN TANGだけあって、真珠湾攻撃時の日本軍の暗号指令「トラ・トラ・トラ」を地で行った感じですね。

(ちょっとうまいこと言っちゃった感じで鼻の穴膨らませてます…)

サビメロの裏で奏でられる追奏メロディが悶絶級に格好良いです。

勢いそのままにギターソロにもそのままのトーンで検問突破の強行突入。

各パートも全く引く気配もなく遠慮無しのどんちゃん騒ぎ状態で、ジョン・サイクスにとっては少し気の毒なミキシングですね。

それでも最後までクールなリフを刻み続けながらアクセルベタ踏み状態で無事に完走。

結果、ホワイトスネイク歴代曲の中でも屈指の名曲がここに誕生!って感じでしょうか。

 

Still of the Night

続く3曲目は早くも本作のハイライト楽曲。

これは凄い。

凄過ぎる楽曲。

のっけからかまされるディヴィッド・カヴァーデルの官能的なヴォーカルとシンプルなメロディの応酬。

緊張感の漲る掛け合いを、タメを意識したリズム隊がまるで相撲の行事のように無言で「待った無し」の圧力を掛けながら裁いていきます。

そして中盤のクライマックスにおける曲展開は圧巻の一言。

静寂の中のディヴィッド・カヴァーデルの渾身の熱唱では、全てのリスナーが無意識のうちに感情移入させられることでしょう。

まるでドラゴンボールの「精神と時の部屋」で一人必死に叫びまくっているかのような情景が目に浮かびます。

それに追随してくるヴァイオリンオーケストラのような白蛇管弦楽団は、ゾクゾクっと武者震いしそうなメロディを刻んできます。

そして、とどめを刺すように放たれる悟空のかめはめ波のようギターソロ。

もう、眩しすぎて何をどう弾いているのか良く解りません…。

これぞ80年代を代表するハードロック優勝曲と言っても良い位の格調高い荘厳さを纏った名曲ですね。

 

Give Me All Your Love

アルバム5曲目に収録の本曲は、個人的には最もWHITESNAKEらしく、かつディヴィッド・カヴァーデルのヴォーカルスタイルのマッチした楽曲だと感じます。

シンプルな正統派ハードロックながら、メリハリを効かせたヴォーカルでフックも十分。

ジョン・サイクスのギターも気合い十分に構成されている模様で、持ち味がこれでもかと発揮されていますね。

 

Is This Love

売れるべくして売れた名バラード曲。

もはやハードロックの枠組みでは語れない極上の楽曲ですね。

ここまで聴いてくると、ディヴィッド・カヴァーデルの声質と歌唱は疾走曲にはあまり向かないのかなぁ~という思えてきました。

向かないというよりは、やはりブルージーでじっくりと聴かせる楽曲でその魅力を抜群に発揮するということでしょうか。

ジョン。サイクスの聴かせるギターソロも美しいフレーズを奏でており、至福の時間をもたらしてくれる楽曲です。

 

 

まとめ

1987年リリースのWHITESNAKE7枚目のアルバム「WHITESNAKE(白蛇の紋章〜サーペンス・アルバス)」。

全米アルバムチャートで第2位まで躍進という驚異的なセールスを記録しました。

眼の上のたんこぶ状態で当時頂上に君臨していたのマイケル・ジャクソンの「BAD」ということで、比較対象としても凄過ぎますね。

成功の要因として語られる機会が多いのがジョン・サイクスの功績ですが。

従来のブルース基調の地味路線の土俵からディヴィッド・カヴァーデルを引きずり下ろしたという面ではその通りですね。

絶対的な権威性のある印籠を持つヴォーカリストを盾に、時流とマーケットの嗜好にマッチさせた楽曲を武器としてアメリカ市場に宣戦布告。

80年代を代表する名盤中の名盤を作り出し、見事に成功を手中に収めたジョン・サイクスの才覚には只々「は、はーっ。」とひれ伏すしかありませんね。

いったい、これまでに何回このアルバムを聴いたことでしょうか…。

よく食べ物では「舌が肥えて」しまい昔は美味しいと思ったものがそうでもなくなると言います。

長きに渡りハードロック・ヘヴィメタルを聴いてきてそれなりに「耳が肥えて」いる筈の自分ですが、本作は何度聴いても毎回違うスイッチが入って魅了されてしまう。

そんな不思議なアルバムです。

 

 

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