ASIA 【名盤中の名盤】 ALPHA スーパーバンド奇跡の2ndアルバム

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ASIA / ALPHA レビュー

夢のスーパーバンド「ASIA」の奇跡の2枚目

前年にデビュー作「ASIA」(邦題:詠時感~時へのロマン)が全米チャート№1の大ヒットを記録したスーパーバンド「ASIA」 の1983年リリースの2枚目アルバムです。

メンバー全員が、既に世界的な超有名ミュージシャンという、デビューの時点でもうその行く末が保証されているような強烈なインパクトを持ってデビューした夢のバンド「ASIA」。

デビュー当時のメンバー構成は、ボーカル&ベースにジョン・ウェットン(元キング・クリムゾン)、ギターにスティーブ・ハウ(元イエス)、ドラムにカール・パーマー(元ELP)、キーボードにジェフ・ダウンズ(元イエス)。

プロレスに例えるならば、猪木、馬場、ラッシャー木村、前田日明が4人タッグを組むと言ったところでしょうか。
(いや、絶対違う気がする...)

ビッグユニットにありがちなエゴの衝突による短期空中分解も覚悟していましたので、本作2枚目アルバムがリリースされると聞いた当時は本当に飛び上がるように嬉しかったですね~。

そして、その内容も衝撃のデビュー作に全く引けを取らない充実ぶり。

デビュー作で見られた、あくまでもわかりやすいコンパクトでポップな楽曲作りというスタンスは、本作でもしっかりと踏襲されています。

個人的には「スケール感」という面ではデビュー作を凌ぐのではと思える程に圧倒される印象です。

聴いていると「空間としての奥行き」を強く感じるんですよね~。

目を閉じて聴いていると、自身が途方も無く広く巨大な空間にいるかのような感覚に浸れます。

各メンバーのキャリア母体であったプログレッシブ・ロックの要素は「隠し味」程度の調合具合。

流石の大物達による非常に完成度の高い楽曲が、湧き水の如くアルバムから次から次へとあふれ出てくる作品です。

過去、現在、未来という時空を自由に行き来しているかのような壮大なスケール感を味わうことのできる本作は、世界中のマーケットにおける評価も、お化けセールスのデビュー作には及ばないものの大きな記録を残した作品となりました。

 

ロジャー・ディーンのジャケットアートに聴く前からテンション爆上がり!

デビューアルバムに引き続き、ジャケットデザインは「プログレ作品デザインの申し子」ロジャー・ディーン。

ASIA-ALPHA-2

 

 

 

 

相変わらずの創造性豊かな描写が素晴らしいです。

デビュー作ではジャケット裏面の「まさかの殺風景ぶり」に、さすがのロジャー・ディーンも手抜きをしたか!と驚きましたが、本作では画像の通り表面との連続性は無いもののより詳しい風景描写がなされていますね。

今にも獲物に襲い掛かろうとする瞬間のような躍動感のある猛禽類、背後にはアルバムタイトルであるギリシャ文字「α(アルファ)」を頂に掲げたピラミッド状の建造物が睨みをきかせています。

このジャケットから個人的に想起するのは、後の1987年リリースされる Fleetwood mac のアルバム「TANGO IN THE NIGHT」。

まるでASIA-ALPHAのデザインを「白昼のヴァージョン」とするならば、こちらは「静かな夜を迎えたヴァージョン」と言った感じ。

どちらもお気に入りのアルバムです。

 

fleetwood-mac-tango-in-the-night

 

 

 

 

 

 

 

メンバー・収録曲

【メンバー】

  • ヴォーカル: ジョン・ウェットン(兼ベース)
  • ギター  : スティーブ・ハウ
  • ドラム  : カール・パーマー
  • キーボード: ジェフ・ダウンズ

 

【収録曲】

  1. Don’t Cry – 3:32
  2. The Smile Has Left Your Eyes – 3:13
  3. Never In A Million Years – 3:46
  4. My Own Time – 4:48
  5. The Heat Goes On – 4:55
  6. Eye To Eye – 3:10
  7. The Last To Know – 4:39
  8. True Colors – 3:50
  9. Midnight Sun – 3:47
  10. Open Your Eyes – 6:26

 

おすすめ楽曲

 

Don’t Cry

デビューアルバムの「Heat of the Moment」を体感し、一瞬でその世界観に魅了されてしまった世界中のリスナーが、固唾を飲んで注目する2作目のオープニング曲。

そのプレッシャーたるや、凡人には到底想像のできない境地ですが、さすが百戦錬磨の仕事人集団。

そんなプレッシャーなどものともせず、軽々と棒高跳びのバーを飛び越した印象です。

ドラマティックなイントロ、(声質自体が)哀愁の拡声器のようなヴォーカル、キャッチーで口ずさみたくなるサビメロ。

「これが欲しかったんだろ?」と眼前に餌をぶら下げられたように、単純な私なんぞはイチコロで虜になってしまった完璧な楽曲です。

さすがはロック界の安打(ヒット曲)製造機バンド。

最早ヒットを打つことなど造作はなく、いかにホームランを量産しその飛距離を伸ばすかに照準が当てられているかのような見事な仕事ぶりに脱帽です。

 

The Smile Has Left Your Eyes

アルバムジャケットのように空気の澄み切った空間を、これまた一切の淀みのないジョン・ウェットンのヴォーカルが流れていくイメージの心洗われる楽曲。

特に独唱に近い部分はその奥深い声質の完全に虜となってしまいそうです。

本アルバムでは全編通してスティーブ・ハウのギターはやや控えめの印象。

とって代わるキーボードの美旋律がより幅を効かせて、ヴォーカルをより一層引き立てていますね。

 

My Own Time

これまた心洗われる清流のような楽曲。
もう、洗われ過ぎて心がふやけそうです。
叙情的なメロディライン、サビでの壮大なスケール感、無駄のない音の積み重ねでリスナーの心を鷲掴みにする技法はもはや達人の領域ですね。
ASIA節とも言えるどこまでも続く地平線を思わせるような楽曲で、まるでイギリスの高校生による合唱コーラス大会の課題曲とでもいった感じでしょうか。
(どういう感じだよ?。)

The Heat Goes On

どの曲にも言えることですが、オープニングを飾っても全然違和感の無いドラマティックでパワフルな楽曲。
本曲は特にアクションドラマの主題歌といったところでしょうか。
特筆すべきは、後半の圧巻のキーボードソロ。
まるでディープ・パープル時代のジョン・ロードを思わせるようなオルガントーンでエモーショナルなソロを繰り広げています。
その分、スティーブ・ハウのギターの扱いに一抹の寂しさを感じてしまいますが、キーボードを楽曲の支柱とするアルバムのコンセプトだとすれば、一貫性があり仕方のないところでしょうか。

True Colors

これまた叙情的なヴォーカルメロディから始まり、ドラマティックな展開が印象的な楽曲。
中盤からの編曲で更に盛り上げていきます。
ここまでくると、一体どの曲をシングルカットするのか本当に迷って大変だろうなと、余計なお世話で気の毒になってしまいます。
打率8割くらいでヒットを打ち続ける驚異の4番バッター集団です。

まとめ

4人のビッグネームが夢の合体を成し遂げたスーパーバンドASIA。

前評判通りの世界的な大ヒットとなったデビューアルバムに続き、本作も必勝の成功パターンを踏襲したポップでキャッチーな作風が展開されています。

デビュー時(バンドの結成そのもの)のインパクトが強烈過ぎたので、アルバムとしてのセールスはデビュー作には大きく溝を空けられる形にはなったものの、個々の楽曲の完成度、アルバムとしての総合評価は決して本作も負けず劣らずのクオリティ。

しかし、この手のビッグプロジェクトの宿命と言える「内部不協和音の増幅による空中分解」は、ASIAをもってしても避けて通れず、やがてバンドは自らそのパワーを失っていくことになります。

とりあえずは、矢継ぎ早に2枚のアルバムを世に輩出してくれて本当に良かったと思います。

最悪1枚のアルバムのみを残した「幻のバンド」になってしまってもおかしくない中で、本作が歴史に刻まれその楽曲を耳にすることが出来たことに素直に感謝したいです。

 

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