DEF LEPPARD / PYROMANIA NWOBHMの歴史的名盤

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DEF LEPPARD / PYROMANIA どんなアルバム?

NWOBHMバンドの中で示した異質な存在感

1983年リリースの DEF LEPPARD3枚目アルバム「Pyromania(邦題:炎のターゲット)」。

1980年代初頭におけるNWOBHMムーブメントの範疇で語られることが多いデフ・レパードですが。

個人的には時期こそ同じくして台頭してきたものの、アイアン・メイデンに代表される同ムーブメントのバンド群とは少し異質な存在感を感じるバンドでした。

どのように形容表現すれば良いのか難しいですが、当時のNWOBHMムーブメントのバンド群が持っていた(良い意味での)湿り気、泥臭さ、アンダーグラウンド感が一切感じられなったのです。

他のバンドと違って、デフ・レパードだけは楽曲、サウンド、ルックスどれをとっても、どこか垢ぬけている印象。

ジメジメとした湿り気を感じさせないカラっと乾いたイメージ、そして何よりも「オシャレ」な感覚を常に醸し出していたように思います。

かといって、後に勢いづいてくるLAメタル(ヘアメタル)のようなチャラチャラ感やわざとらしさも無く、何とも形容しがたい「常に洗練されたスマートな雰囲気」とでも言うのでしょうか、そんな不思議な印象のバンドでした。

IRON MAIDENやSAXONを聴きながら熱く拳を突き上げるような最早信仰にも近いトランス感覚を楽しみ、パンキッシュで下品と言われても仕方のない歪みまくりのギターサウンドに酔いしれていた自分にとっては、完全に異質な存在。

ふと我に返ると、デフ・レパードは川の向こう岸で涼し気な顔でミドルテンポ中心の楽曲を余裕をかまして奏でているといった感じ。

エフェクト加工させまくりのサウンド、クセの強い声質ながら全く力むことなく歌い上げるヴォーカル、「テクとか興味ないんで…」と憎らしいほど冷静に言いそうなギター。

この時代に流行した造語「新人類」というイメージがぴったりなバンド。

そんな感じがしたのです…。

def-leppard-3rd

 

 

 

 

 

「売れるHR/HMアルバムとは」を解く方程式のような作品

今想えば、前述の「不思議な感覚」は偶然の産物などでは決してなく、アメリカのマーケットでの成功を意識した計算しつくされたマーチャンダイジングによる必然だったと言えるのでしょう。

本作3枚目はその狙い、戦略がこれまでの集大成のように具現化され、デフ・レパードというバンドを他のバンドとは明確に差別化させ、オリジナリティを顕在化させることに見事に成功しました。

まさに「売れるHR/HMアルバム」を計算通りに作り出すことに成功したという感じですね。

憂いを含ませた哀愁のメロディラインを、必要以上に湿気を帯びさせずサラリお洒落に仕上げていく楽曲作り。

カリスマ化させたギターヒーローを看板とするテクニカル路線とは無縁の、最大公約数ウケするメロディの冷静な落ち着いた演奏により編み出される楽曲群は、アルバム全曲がシングルカット可能な位に驚異的に練り上げられた完成度とサウンドプロダクションです。

それらは着々とデフ・レパード固有のアイデンティティーとして確立されていきました。

def-leppard-3rd-2

 

 

 

 

 

バンドメンバー・収録曲

【メンバー】

  • ヴォーカル: ジョー・エリオット
  • ギター  : スティーブ・クラーク
  • ギター  : フィル・コリン
  • ベース  : リック・サベージ
  • ドラムス : リック・アレン

 

【収録曲】

  1. Rock rock(till you drop) – 3:52
  2. Photograph – 4:12
  3. Stagefright – 3:46
  4. Too late for love – 4:30
  5. Die hard the hunter – 6:17
  6. Foolin’ – 4:32
  7. Rock of ages – 4:09
  8. Comin’ under fire – 4:20
  9. Action! not words – 3:52
  10. Billy’s got a gun – 5:27

 

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Photograph

デフ・レパードと言えばこの曲。
バンドにとってのシンボリックな楽曲ですね。
ヘヴィメタルという狭義のジャンル、枠には到底縛り付けておけない哀愁とドラマティック性に富んだ名曲です。
サビメロでの壮大な広がりを感じさせる美しいコーラスが一度聴いたら頭から離れません。
この曲の大ヒット、成功体験を踏襲した楽曲が、後のデフ・レパード作品でも垣間見れますが、やはり元祖というか一番搾りというか、セールス数字的にもこの曲を上回る楽曲はいまだに輩出されていません。

Foolin’

LP盤で言うところのB面1曲目。

これまた上記 photographに肩を並べる(いや、それ以上かも)哀愁とドラマティック性に富んだ名曲ですね。

楽曲自体の開放的なスケール感(拡がり)や、フックに富んだ展開変化によるインパクトの増幅などは完全に上回っている感じがします。

哀愁MAX状態から始まるヴォーカルメロディは、サビメロに到達する遥か手前の地点で完全に泣きのタコメーターが振り切られてしまいます。

涙腺決壊警報~避難勧告が出されるレベルですのでホント要注意です。

因みに、これまでアイドルと歌謡曲しか聴いてこなかったのに、この曲を聴かせたのがきっかけで今ではHR/HM沼にどっぷり浸かってしまった学生時代の親友(T君)を思い出します。

Comin’ under fire

やばい、やばすぎます。
もはや涙腺決壊は防げそうにない程に、危険水域を遥かに超える泣きメロの嵐ですね。
ここで完全に泣き過ぎによる過呼吸発症の危険性、災害級の警報が発令されてしまいます…。
イントロ、メロディライン、サビメロ、バックコーラス、全ての泣き攻撃が束になりながらリスナーの琴線をドSのように容赦なくいたぶってきますね。
やはりHR/HMという音楽が持つ魅力は、決して楽曲のスピードとか、アグレッシブなパワー感とか、演奏のテクニックとかだけではないことを、改めてしみじみ実感できる楽曲です。
こんなに淡々と、肩ひじ張らずに、さりげなく、泣きの名曲を提供してくれるデフ・レパード。
何て生産性効率=パフォーマンスの高いスマートなバンドなんだろうと感心しちゃいますね。
当然、裏での苦悩や葛藤、人知れずの努力も多分にあるのでしょうが、それを表面に出してこないところもまた、彼らの魅力、垢ぬけた感たる所以なのかも知れません。

まとめ

1980年代のNWOBHMムーブメントの中の1バンドという「10羽一からげ」のように括られがちなデフ・レパード。

しかし彼らの奏でる叙情性や泣きメロに富んだ楽曲と緻密に計算されつくしたマーケティング戦略は他の同世代のバンドは明確に異質なものです。

それはまるで、未だ昭和テイストの残る他のバンドが通常の温泉饅頭であるとすれば、デフ・レパードは表面はカリカリなのに中身はしっとりという全く新しいテイストの「揚げ饅頭」のような感じでしょうか。
(ただ単に疲れて甘いものが食べたい心境なだけで書いてますが…)

NWOBHMにおいて語られることの多かった「正統派」「様式美」などといった大袈裟なわざとらしいキーワードとは無縁。

どこか垢ぬけていてオシャレな感覚(ルックスはもちろん楽曲としても)を見事にブランディングさせることに成功した周囲のマネジメント手腕も流石ですね。

そんなデフ・レパードにはファンも取っ付き易く、人気の裾野をどんどん広げていけたのではないかと思います。

そして、最後に忘れてはならない点は、ドラムのリック・アレンの不幸な事故を、バンドとして一丸となって乗り越えていった彼らの結束力、男気も、ファンのバンドに対する思い入れ、忠誠心を高めることとなります。

キャリア絶頂期というタイミングに仲間のドラムが片腕を失い活動不能に陥っても、バンドとして一旦活動を休止してひたすら復帰を信じて待つという何とも男気溢れる友情、バンドとしての結束力、心意気。

まさに英国紳士達ですね。

 

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