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Boston / Don’t look back レビュー
アメリカン・ハードロックの代表格「BOSTON」の超名盤
音楽の好みは本当に人それぞれ。
人は一生涯掛けても全ての本を読むことは出来ないのと一緒で、音楽も限られた時間の中で自分の感性と合致する作品にどれだけ多く出会えるか。
その拠り所、羅針盤となるのが各ジャンル、カテゴリーにおける「名盤」と言われる作品ですね。
そのジャンル、カテゴリーを好む人々の大半から高く評価され後世に語り継がれていく作品。
長い時間を経ても決して色褪せることのない革新性や輝き、インパクトを持ちあわせている作品。
アメリカン・ハードロックの代表格バンド「BOSTON」の本作も、まさにハードロック史上永遠に語り継がれていくであろう「名盤中の名盤!」と言って良いのではないかと思います。
アメリカン・ハードロックバンド「BOSTON」の1978年リリースの2枚目のアルバム。
既に、本作リリースの2年前(1976年)にデビューアルバム「BOSTON(邦題:幻想飛行)」において、巨大彗星が地球に衝突したかのような尋常でない衝撃をハードロックシーンに与えたBOSTONでしたが、更にそのクオリティを極限まで磨き上げた作品です!。
それはまるで、玄米を歩留まり23%という極限まで磨き込んだ精米で作られた「美味しくてあたりまえ」の日本酒「獺祭」を想起させるような出来映えと言えるでしょう。
ジャケットデザインは、幻想飛行を終えて水晶のような透明感に溢れた惑星に着陸した宇宙船BOSTON号。
中身の音像とこれほどまでにマッチしたデザインは他にはありませんね。
そして当時のLPレコード盤の見開きジャケットの裏側には、金キラ金にデコられたスニーカーと各メンバーの演奏画像というアンバランスさもまた時代を感じさせます。
「ノー・シンセサイザー、ノー・コンピューター」
このアルバムはデビュー作にして全米チャート3位まで上昇し、瞬く間にその名を全米に轟かせました。
そしてその2年後、アルバム・ジャケットに「No Synthesizers Used(シンセサイザー使用せず)」「No Computers Used(コンピュータ使用せず)」とクレジットされていることでも有名な本作が超弩級のインパクトで世界にリリースされることになります。
様々な音源を一つ一つ重ね合わせて作り上げられた超重厚ミルフィーユ状態の宇宙空間的サウンドは、世界中のリスナーの度肝を抜くこととなり、アルバムセールスはついに全米チャート1位を獲得。
リズムボックスさえも使用しないというこだわり様は、天才を超えた変人の域に達する境地とも言えるでしょう。
そんな「変人的こだわり」が凝縮された本作の魅力を余すところなく堪能して楽しむには、是非ヘッドフォンで聴くことをおススメします。
超絶ミルフィーユ状態の音の重厚感や左右のチャンネルにステレオ移動していく音の動きがもろに体感できるので、トム・ショルツの拘りのミキシングを思い切り楽しみましょう。
一音一音、決して聴き逃すまいと自然と楽曲に集中してしまうことになりますが、全8曲をじっくりとご堪能頂きたいと思います。
メンバー・収録曲
【メンバー】
- ヴォーカル: ブラッド・デルプ
- ギター : トム・ショルツ
- ギター : バリー・グドロー
- ベース : フラン・シーン
- ドラム : シブ・ハシアン
【収録曲】
- Don’t Look Back
- The Journey
- It’s Easy
- A Man I’ll Never Be
- Feelin’ Satisfied
- Party
- Used To Bad News
- Don’t Be Afraid
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