STRYPER / AGAINST THE LAW 元祖クリスチャンメタル 洗練度増した名盤

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stryper against the law

AGAINST THE LAW どんなアルバム?

バンドとしてのバランスが整いサウンドに厚みが増した傑作

1990年リリースのSTRYPERの5枚目のアルバム(邦題:無法の掟)です。

1980年代のLAメタルムーブメントの渦中に結成されたSTRYPERは1984年にデビューEP盤をリリース。

その後の作品でも、元祖クリスチャン・メタル・バンドとして「美しいハーモニー」と「メロディアスな楽曲」を武器として他のバンドとの差別化戦略に成功し、シーンでのポジショニングを確立してきました。

STRYPER / IN GOD WE TRUST クリスチャンメタルおすすめの名盤
この記事では、1988年リリースのSTRYPER 4枚目のアルバム「IN GOD WE TRUST (邦題:永遠の誓い)」のレビュー・おすすめ曲を紹介しています。工事現場のトラロープで思い出すクリスチャンメタル!。マイケル・スイートの超絶ハイトーンヴォーカルと美しいコーラスが誘う至福のメロディアス・ハードロックの世界に礼拝。

旧約聖書のイザヤ書に出て来る「stripe」という単語に由来したバンド名。

そしてその「stripe」に掛け合わせたのか、熱狂的な阪神タイガースファンなのかは不明ですが、バンドロゴや衣装に取り入れられた黄色と黒の虎ストライプ模様。

何と、本作ではそれらを綺麗さっぱりと払拭して突然の洗練されたワイルドなルックスにイメチェン!。

クリスチャン・メタル・バンドとして必要不可欠とも思われる神を讃美する歌詞までをも投げ捨てる程の覚悟は相当の気合の入れ様です。

本作のプロデュースは、チープ・トリックやモトリー・クルー等を手掛けてきた大物トム・ワーマンが担当。

サウンド・メイキングは流石としか言いようがない程にバンドとしてのバランスが整えられていて、かつ音質も格段にブラッシュ・アップしています。

本作と前作を聴き比べてみればその差は恐ろしい程に歴然!。

むやみやたらにヴォーカルだけが前面に出張ってきて、薄っぺらいペラペラサウンドの前作に比べ、本作はギター、ドラムの音質がとにかく改善(前作が酷すぎた感もありますが…)され、グルーブ感が増し増しです。

シン・STRYPERとして圧倒的に完成度の高い名盤

結論から言ってしまえば、これ程の高クオリティのアルバムでありながら過去作品のセールス実績を上回れなかった本作。

その理由として考えられることは、当時のシーンの潮流という外的要因もさることながら、大方のファンがSTRYPERに求めていたのは「キャッチーな楽曲とマイケル・スウィートの甘い歌唱」だけだったとも言えるのかなと思います。

個人的には当時から本作をお気に入りとして愛聴してきた自身にとって、本作がマーケットでどう評価されていようが知ったこっちゃなかったのですが、今こうして改めて聴き直しを進めてくると今更ながらどうにも納得がいかない思いが湧き上がってきます。

過去作がシーンに受け入れられ一定の評価を得ていたバンドが、何かしらの変化、新しい挑戦を試みる時につきものなのは、過去を愛する保守派層ファンからの酷評と離反。

本作におけるSTRYPERのイメチェンや新たな音楽性への果敢な挑戦、シーンの潮流にうまく乗っかって行こうとする思惑も、必ずしも全てのファンからの支持は得られず、マーケットにおける評価は低調なまま。

それどころか、むしろ「問題作」くらいの位置付けで扱われてしまうことになりました。

今でこそ「シン・〇〇」が流行りとなりポジティブな印象の強い「新しさへの挑戦」ですが、当時はまだリスナー側の成熟度も十分とは言えない環境下、一歩踏み間違えると総スカンを喰らう恐ろしさもありましたね。

ましてや、ある意味「色物バンド」にも近い個性の強さを売りにしていたSTRYPERだっただけに、その反動も予想外に大きなものとなってしまったのかも知れません。

そして本作をリリース後、制作レーベルのNIGMAレコードの倒産という不運も重なり、STRYPERはまさかの活動休止という事態に追い込まれてしまいます。

(キリストの教えに背いた祟り…?、恐ろしやぁ~…。)

しかしながら、本作を過去の作品とは切り離して「シン・STRYPER」の単体アルバムとして純粋に絶対評価した時、当時のマーケットでの評価が必ずしも的を得たものだったのかは甚だ疑問が残ります。

過小評価され過ぎじゃね…?。

というのが個人的な正直な印象です。

マイケル・スウィートの甘く美しいヴォーカルやコーラスはよりパワフルさと男臭さが加わり、ソリッド感を増したギターサウンドが重めのトーンで駆け巡る格好良さ。

前作で大ヒットとなった珠玉のバラード曲「Always There for You」に匹敵する名バラード曲や、ホーン・セクション等も果敢に取り入れたカヴァー楽曲なども収められているなど、アルバムとしての内容は非常に充実しており、問題作どころか素晴らしい出来映えの名盤ですね。

バンドメンバー・収録曲

メンバー

  • ヴォーカル: マイケル・スウィート
  • ギター  : オズ・フォックス
  • ベース  : ティム・ゲインズ
  • ドラムス : ロバート・スウィート

収録曲

  1. Against the Law – 3:49
  2. Two Time Woman – 3:40
  3. Rock the People – 3:34
  4. Two Body (One Mind, One Soul) – 5:17
  5. Not That Kind of Guy – 3:59
  6. Shining Star – 4:22
  7. Ordinary Man – 3:51
  8. Lady – 4:53
  9. Caught in the Middle – 3:48
  10. All for One – 4:31
  11. Rock the Hell Out of You – 3:35

おすすめ楽曲レビュー

Against the Law

オープニングのタイトル曲は神との決別宣言とも言える「無法の掟」。

ただしその曲調に悲壮感は微塵もなく、むしろEXTREME辺りを想起させるシンプル軽快なロックとなっています。

このオープニング曲は過去からのリスナーを惑わせてしまう大きな要因となっていたかも知れませんね。

絶妙のトーンで存在感のあるギターがより前面に出てきた分、マイケル・スウィートのヴォーカルが少しだけ奥に引っ込んだバランス。

いや、これがバンドとしての正しいバランスだと思うのに、ヘヴィになったとか、美しさが消えたとか嘆く輩が当時はいたんでしょうね…。

悲しいかなギターはヌーノ・ベッテンコートの域には達しないものの、それなりの雰囲気は醸し出して頑張っています。

Two Time Woman

2曲目は一転して爽快系のアメリカン・ハードロックが炸裂。

楽曲としては全く申し分の無いまとまりとノリの良さ、完成度は高いのですが、冒頭2曲で本作の方向性を見極めるとすれば、モトリー・クルー化?と言った感じなのでしょうか。

正直モトリー・クルーをまともに聴き込んだことがないので適当に言ってますが…。

(続く3曲目辺りも含めると余計にその思いが強まります)

Two Body (One Mind, One Soul)

この4曲目も非常に完成度の高い楽曲ですね~。

後々の経緯があるから言うわけではないですが、BOSTON辺りがやっても違和感が無いくらいの名曲です。

このようにアルバム前半は洗練されたシンプルなロックや、上質のアメリカン・ハードロックとも言うべき内容で、マイケル・スウィートの歌い回しは少々ワイルドに変化、そして何よりギターのサウンド・メイキングが心地よくバンドとしてのバランスが絶妙に整えられています。

Lady

心洗われる珠玉のバラード名曲。

学生コーラスかと思える程に直球勝負で浮いた感じだった前作の「Always There for You」に比べれば、本曲の方がより洗練されたロックアルバムにおけるバラード曲として完成度は勝る印象です。

Caught in the Middle

バラード曲から一転しての地を這うようなギターリフが疾走する名曲が登場。

本作における個人的最高楽曲であり、「何でこの曲をオープニング曲にしなかったのでやんすか?」と、声を大にして叫びたい衝動が抑えきれません。

いやぁ~、9曲目に入れてる場合じゃないでしょーよ、こんなに良い曲を。

過去のストライパーの良さに加え、ヴォーカルのパワフルさ、ギターの良く練られたフレーズなど、本当に極上級の仕上がりで、STRYPER歴代楽曲の中でも屈指の名曲でござんす。

All for One

続く10曲目にもこれまたしれっと名曲が眠っているじゃあーりませんか!。

アルバム前半のどちらかと言えば能天気な爽快系シンプルロックに比べ、よほどこちらの方が叙情性を感じる胸にグッと突き刺さる感じの名曲です。

個人的にはこういう曲でこそ思い切りヘッドバンキングしたい系の人なので、聴いてると鳥肌が立ちまくり、へたすると一緒に歌いながら涙が出てきちゃう感じです。

まとめ

デビュー当時からクリスチャン・メタルという特異なキャラクターとマイケル・スウィートの甘美なヴォーカルとハーモニーを最大の武器として、LAメタルの一角を堅守してきたSTRYPER。

やがて訪れる暗黒の90年代の足音を敏感に察知してか、従来の路線と決別しての方向性転換を果敢に図った本作でしたが、残念ながらマーケットの反応はいま一つでした。

今になって冷静に聴き比べても、過去作品とは比べ物にならない位にバンドとしてのバランスとサウンド・プロダクションが向上しており、各楽曲の完成度も申し分ない内容であったにもかかわらず、過小評価に終わった本作。

あくまでもキャッチーなメロディーを主体にしながらも骨太なバンドアンサンブルを確立させた名盤であるにも関わらず、従来からの透明感や美旋律、壮麗なボーカル・ハーモニーといった要素を求めたファンの離反を招いてしまった結果でしょうか。

本当にアーティストって、作品作り、リリースのタイミングなど様々な要素が複雑に絡み合った状況下で、いかに運を手繰り寄せられるかも大きく影響するという、恐ろしいまでにシヴィアな世界で戦っていて尊敬します。

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