Fair Warning / 1st 上質メロディアスハード 貫録のデビュー作

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Fair Warning / 1st どんなアルバム?

穴埋め楽曲無し! 上質メロディアスハードで揃えられた名盤

日本での人気を誇ったドイツのハードロックバンド フェア・ウォーニングの1992年発売のデビューアルバム。

デビューアルバムにして既にベテランの風格すら醸し出している上質で完成度の高い楽曲群。

粒揃いの良曲が次々に繰り出されるメロディアスハードファンにとっては堪らない至福のアルバムと言えるでしょう。

フェア・ウォーニングは、スコーピオンズに在籍していたギタリスト ウリ・ジョン・ロートの実弟ジーノ・ロートが率いていたバンド「ZENO」が解散した後に、元ZENOのメンバーを中心に結成されたバンドです。

今後、機会があればZENOのアルバムもご紹介していきますが、切ない哀愁のメロディが満載のZENOのアルバムも是非おすすめしたいクオリティを誇っています。

デビューアルバムとは言え、既に十分にキャリアを積んだ職人達が繰り出してくる楽曲の完成度は安定感抜群で隙がありません。

特にヴォーカルのトミー・ハートの歌唱力は極めて高く、高揚感と哀愁に満ちた抑揚に富んだヴォーカルスタイルで、全ての楽曲をまとめ上げています。

あえて欠点を言うとすれば、上手すぎて全て似たような楽曲に聴こえてしまうということでしょうか。

また、ヘルゲ・エンゲルケとアンディ・マレツェクによるツインリードのギターも、泣きのツボを熟知したフレーズの応酬で、各曲のソロは聴きどころが満載です。

同じドイツ勢のBONFIREや、欧州勢の220VOLT等がお気に入りの方には、自信を持っておすすめしたいバンドと言えると思います。

バンドの命運を決定付けたデビューのタイミング

申し分の無いキャリアと完成度の高い楽曲を誇る本作でしたが、1992年というデビューのタイミングが、例によってバンドの命運を左右することになります。

そう、ヘヴィメタル界が暗く重たい地下にどんどん潜り込んで行ってしまうムーブメントの真っ只中においては、このアルバムのクオリティを持ってしても正当な評価は得られず、反応を示したのは唯一日本のファンのみと言っても過言ではありませんでした。

母国ドイツでも過小評価に甘んじた結果となりましたが、少なくとも日本のメロディアスハードロックファンにとっては、ジャーマンメロディアス勢の代表格に位置付けられていたフェア・ウォーニング。

アメリカナイズな爽やかさと欧州の憂いに満ちた哀愁のメロディを併せ持つ実力派バンドの上質な楽曲群をじっくりとご堪能いただければと思います。

バンドメンバー・収録曲

バンドメンバー

  • ヴォーカル: トミー・ハート
  • ギター  : ヘルゲ・エンゲルケ
  • ギター  : アンディ・マレツェク
  • ベース  : ウレ・リトゲン
  • ドラムス : C・C・ベーレンス

収録曲

  1. Longing For Love
  2. When Love Fails
  3. The Call of the Heart
  4. Crazy
  5. One Step Closer
  6. Hang on
  7. Out on the Run
  8. Long Gone
  9. The Eyes of Rock
  10. Take a Look at the Future
  11. The Heat of Emotion
  12. Take Me Up

おすすめの楽曲レビュー

 Longing For Love

オープニングを飾るミディアムテンポの哀愁ナンバー。

デビューアルバムとは到底思えない落ち着き、気負いの無さ、余裕、既に大物バンドの風格すら感じます。

イントロから徐々に盛り上がっていく曲展開、キャッチーで印象的なサビと哀愁感を増幅させるコーラス、どれをとっても本アルバムの最高楽曲とおすすめしたい名曲です。

こうして改めて聴き直してみると、意外にベースがグルーブ効かしてたんだなと気づかされました。

 One Step Closer

アルバムの中ではヘビーな部類に入るリフからスローな展開を見せるこの曲は、何と言ってもサビにかけての壮大なスケール感が魅力。

あくまでも主観になりますが、ホワイトスネイクあたりを思い起こさせる要素もあったりするのかなと思ってしまうような、悶絶級のサビがたまりません。

そしてギターソロがこれまた唯我独尊のフレーズで、おお、そう来ましたかと思わず感心してしまいます。

 Out on the Run

一転してオーソドックスというか、80年代の臭いを残したコテコテの歌謡メロハー楽曲。

この辺を許容できるストライクゾーンの広い人にはもう手放せないアルバムとなることでしょう。

どっかで聴いたことあるような?と言われれば否定はできないものの、そこはヴォーカルの上手さと洗練されたメロディセンスで勘弁して頂くということで。

ギターソロではZENO時代を思わせるワウペダルを効かせたような独特のトーンが片鱗を見せています。

 The Heat of Emotion

オープニング曲と肩を並べるオーラを感じる楽曲ですが、サビまでの過程で捻りは無くやや単調に感じてしまう勿体ない感が溢れる良曲です。

あまりにどストレート、直球勝負であっさりとサビに突入していくため、オープニング曲程の起伏や盛り上がりは無く単調な印象を持ってしまいます。

まとめ

こんなに流麗なメロディアスで、哀愁溢れる良い曲揃いで、テクニック的にも申し分の無いいいバンドが、どうして日本以外では反応が今いちだったのか不思議で仕方ありません。

今回改めて聴き直してみて思うこと。

それはあまりに素直で潔いと言うか、悪く言えばもう一工夫に欠けると言うか、個々の楽曲にしても、アルバムとしての全体感にしても、何かのっぺりとした薄っぺらさみたいな感覚、聴き進む内に無意識に感じてしまう「飽き」みたいな感覚でしょうか。

本当にどの曲も完成度が高くコンパクトにまとまり過ぎていて、それが逆に仇となってしまっているように思えてなりません。

曲によってはもっと捻った展開のある大作風の楽曲があっても良いでしょうし、個々の楽曲においても良質のサビを安売りせずにもっと焦らして期待度を上げても良いでしょう。

とにかく「起伏」がもう少しあったらなあと思えてしまいました。

とは言え、リリース後30年以上も経過し、その間に色々な楽曲を聴いてきた今だからこそ言える苦言(後出しジャンケン)であって、当時の環境下ではこれぞ最高のクオリティだったのかなと納得もできてしまいます。

 

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