GARY MOORE 【エモ過ぎる名盤】 BACK ON THE STREETS

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BACK ON THE STREETS レビュー

ギター侍のソロ名義第一弾アルバム

1978年リリースの「北アイルランドのギター侍」Gary Mooreによる自身初のソロ名義作品。

本作リリース当時、Gary Mooreは普通に時期をだぶらせてThin LizzyやColosseum II等で活動している状態でしたので、まさにギター1本担いで世間を渡り歩くギター侍状態ですね。

そんな当時の愉快な仲間たちが強力サポートとして参加しているのが先ずは本作の大きな魅力。

フィル・ライノット、サイモン・フィリップス、ドン・エイリーなど、もう贅沢過ぎて北島康介の名言が飛び出しそうです。

「もう、何もいえねぇ」

ソロアルバムだけに、インスト曲を中心にGary Mooreはこれでもかと言う位にエモーショナルなプレイを弾きまくっていますし、フィル・ライノットが参加してくれているので結構歌ってもらってます。

全8曲の内インスト曲は3曲で、他はGary Moore自身かフィル・ライノットが歌っていますね。

Thin Lizzyっぽい曲もあり、Colosseum IIそのまんまといいた楽曲もありという、作品として統一感だったり完成度は残念ながら無く、ごった煮的な印象です。

しかし、この作品に対する個人的な見解として、アルバムとしての完成度やサウンド云々を語るのは愚の骨頂。

このアルバムは、とにかくエモーショナルなGary Mooreの熱いギタープレイを、純粋に「体で感じる」ことを楽しむ作品であるような気がします。

ミスピッキングなんぞお構い無しに鬼気迫る勢いで弾き倒す速弾きや、顔に似合わぬ(失礼)泣きのフレーズのマシンガン状態。

弾きまくるとはまさにこういう事を言うんだなと腹落ち納得させられる楽曲の数々を、身体全身で浴びるように聴き入ってしまいます。

収録楽曲の中では何と言っても全英チャートで4位を記録した名曲「パリの散歩道」が有名ですが、この楽曲は思わぬ形で世界中の人々が耳にすることに。

そう、フィギアスケートの羽生結弦選手の滑走曲ですね。

その辺りの話は別の記事で詳しく(でもないか…)かきましたのでご参考まで。

Gary Moore 【最高傑作】 Corridors of Power おすすめ名盤レビュー
この記事では、1982年リリースのGary Moore「Corridors of Power (邦題:大いなる野望)」のレビュー・おすすめ曲を紹介しています。「孤高のギター侍」ゲイリー・ムーアがハードロック界に叩きつけた挑戦状!。鬼気迫るギタープレイ、泣きのフレーズで滅多切りされたい方におすすめの最高傑作。

 

メンバー・収録曲

メンバー

  • ヴォーカル: ゲイリー・ムーア、フィル・ライノット
  • ギター  : ゲイリー・ムーア
  • ベース  : フィル・ライノット、ジョン・モール
  • ドラムス : サイモン・フィリップス、ブライアン・ダウニー
  • キーボード: ドン・エイリー

 

収録曲

  1. Back on the Streets – 4:25
  2. Don’t Believe a Word – 3:53
  3. Fanatical Fascists – 3:06
  4. Flight of the Snow Moose – 7:18
  5. Hurricane – 4:54
  6. Song for Donna – 5:32
  7. What Would You Rather Bee or a Wasp – 4:57
  8. Parisienne Walkways – 3:22

 

おすすめ楽曲

Back on the Streets

オープニングでかまされるタイトル曲。

イントロの30秒間を聴くだけで本作に対するGary Mooreの並々ならぬ気概を感じますね。

鬼渋の「THE 70年代 ハードロック」そのものと言った芳醇さと当時の息吹きが立ち込めています。

奮闘するもややぎこちなさの残るGary Mooreのヴォーカルを、バックコーラスで強力にサポートするフィル・ライノットが何とも頼もしいです。

ギターソロでは珍しくワウを効かせてサイケデリックな風味も出しつつ、ラストはイントロに回帰して清々しくエンディングという構成の妙はさすがです。

 

Flight of the Snow Moose

オープニング曲から3連ちゃんで THIN LIZZY風のハードロックが続いた後に、突如として登場するインスト曲。

メランコリックな切ないイントロから壮大でドラマティックな展開を経て、気が付けば完全にジャズ・ロックと化す楽曲ですね。

もう!いい大人が最早やりたい放題、弾きたい放題の全員独演会状態。

終始ギターと真っ向勝負のドン・エイリーを始め、サイモン・フィリップスとジョン・モールのリズム隊も必死のプレイで対抗するも、唸りまくるGary Mooreのギターには劣勢に回る他なしと言った感じです。

 

Hurricane

LP盤のB面1曲目というのも半端なく高い熱量の要因の一端かとは思いますが、まるでジェフ・ベックを聴いているかのような錯覚に陥りますね。

Gary Mooreのギターは勿論ですが、ここで再認識させられるのは仕事人ドン・エイリーとサイモン・フィリップスの奮闘です。

前曲では劣勢だった印象の2人でしたが、本曲ではいやはや凄まじいプレイでその存在感を見事にアピールしています。

 

Parisienne Walkways

名曲「パリの散歩道」。

しかし、渋い曲ですよね~。

一歩間違えればヴォーカルの歌い出しは「メリー・ジェーン~~~♪」とか言っちゃいそうです。

フレーズは無論ですが、やや籠った感じの超ロングトーンがエモ過ぎます。

難しい速弾きなんかしなくても、多少フィンガリングのノイズがあろうともこれだけ人を感動させられるギタープレイになるという事を、テクニカル至上主義の現在のシーンに気付いて欲しくなっちゃいます。

 

まとめ

とりあえず、やりたいことを全部詰め込みました的なチャンポン状態のアルバムながら、これはこれでバラエティ感があり、逆に色々楽しめる作品かと思います。

なによりも、エモ過ぎギター侍の圧巻のプレイが、色々な音楽形態で堪能できると共に、その愉快な仲間達もどさくさに紛れてやりたい放題の熱のこもったプレイを魅せてます。

凄腕アーティストが集った作品としても歴史的に貴重なものと言えますね。

ジャズ、フユージョン、コンテンポラリー…何だか今一良くわかんなくても、この作品を聴いて「体で感じる」何かが、Gary Mooreの伝えたかったことなんでしょうね、きっと。

 

 

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