KISS / Hotter Than Hell 辛口レビューせざるを得ない突貫工事の産物 

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KISS / Hotter Than Hell レビュー

アルバムジャケットに失望…

1974年10月リリースの2ndアルバム(邦題:地獄のさけび)。

同じ年の2月にデビュー・アルバム(邦題:地獄からの使者)をリリースしたばかりで、矢継ぎ早に発売された本作は、前作と同じケニー・カーナー、リッチー・ワイズがプロデュース。

ビッグネームのKISSだからと言って忖度はしたくないので、自分に正直にレビューさせて頂きます。

先ずはアルバムジャケットのデザイン。

いやいや、さすがにこれは酷いですよね。

メンバー画像は白黒写真の切り抜き、謎に日本語入りの「日本贔屓」は嬉しいのですが、率直な感想は「手抜き感、ダサさしか感じません」。

因みに、後にエリック・カーのドラムセットにこれでもかと貼り付けられることになる「カ」の文字は、漢字ではなくカタカナ説が有力。(カサブランカレコードのカ?)

 

デビュー作には及ばない楽曲の完成度

デビューアルバム同様に圧倒的に少ない時間と予算で突貫工事で制作された本作のサウンド(音質)は、ややヘヴィさが増しているものの、酷評されたデビュー作と大差無い印象です。

ナチュラルと言えばナチュラル。スカスカと言えばスカスカ。

渋さとチープさが表裏一体となり評価が分かれるところかと思います。

デビュー作に比べ、楽曲によってはエースのギタープレイに「弾いてる感」が感じられますが、相変わらずの下手うまぶりで、ミスピッキングなどお構いなしの学芸会プレイは絶対に「わざと」だと信じたいところです。

デビュー作では「楽曲」に関しては完成度の高さ、メロディラインのセンスが際立っていましたが、本作では正直言ってそこまでの練り込み感はなく完成度はやや劣る印象(異論は多々あるとは思いますが)。

一般的に3rdアルバムまでの3枚をKISS初期の作品として括ることが多いようですが、個人的には3枚の中ではターンテーブルに乗っかった回数が最も少なかったアルバムと言うのが事実です。

更に、LP盤の宿命でB面の楽曲に関しては、今となってはもはや殆ど記憶から消えてしまっている曲もあるのが申し訳の無いところです。

ということで、古き良きアルバムや楽曲を後世に語り継ぎたいという当ブログの趣旨に反して、初めての辛口レビューとなってしまいました。

でも、限られた時間と予算でこれから後追いしなければならない若い人達に、有益な情報提供をするためには「少なくとも優先順位の高いアルバムではないこと」はお伝えしておかなかればなりません。

とは言え、あくまでも一個人の好みの問題であり、好みは人により様々ですのであくまでも一意見としてご参考までにして頂ければ幸いです。

 

メンバー・収録曲

【メンバー】

  • ヴォーカル: ポール・スタンレー
  • ギター  : エース・フレーリー
  • ベース  : ジーン・シモンズ
  • ドラムス : ピーター・クリス

 

【収録曲】

  1.  Got To Choose
  2.  Parasite
  3.  Goin’ Blind
  4.  Hotter Than Hell
  5.  Let Me Go Rock ‘N’ Roll
  6.  All The Way
  7.  Watchin’ You
  8.  Mainline
  9.  Comin’ Home
  10.  Strange Ways

 

(数少ない)おすすめ曲

Parasite

実は本記事を最初に投稿した際はピックアップしなかった楽曲。

twitterのフォロワーさんからお叱りを頂きまして追記しております…。

確かに印象的なリフとジーン・シモンズのヴォーカルで、脳内をパラサイトされそうになりますがちょっと単調で盛り上がりに欠けるサビが個人的にはキツイっす。

エースのギターソロは珍しく頑張ってますね。

 

Hotter Than Hell

4曲目に収録のアルバムタイトル曲。

ヘビーさとキャッチーさを併せ持つ良曲で、本アルバムからの数少ない「後のライブアルバム等に収録されることになる」楽曲です。

サビのバックで不気味に被せてくるジーン・シモンズのコーラスは、文字通り「地獄のさけび」そのものですね。

 

Let Me Go Rock ‘N’ Roll

この曲もエースのギターが「弾きまくり状態(あくまでエース基準ですが)」になってるスピードチューンですね。

次作の3rdアルバムに登場する「Rock and Roll All Nite」と並んで、ライブでは必ずプレイされることになる初期KISSの代表的なRock and Rollナンバーと言えるでしょう。

悲しいかな2分15秒という短さが何とも勿体なく、もう少し展開、アレンジが施されても良かったのではと思えてしまいます。

 

まとめ

色物バンドという偏見を、ストレートで分かりやすい完成度の高い楽曲で見事にねじ伏せた感がある伝説のデビューアルバム。

それから僅か8か月後という今では到底考えられないスピードでリリースされた2ndアルバム。

その突貫工事さゆえに、中身の楽曲はあくまでもデビューアルバムの延長線上にある、ややもするとデビューアルバムで落選となった楽曲の焼き直し?的な印象もぬぐえないクオリティにとどまってしまった印象です。

特に、当時のLP盤、カセットテープ世代にとっては、B面曲は琴線に触れるようなよほどのインパクトが無いと厳しいところです。

KISSのようなミドルテンポのオーソドックスなロックが中心のバンドは、どうしても単調、飽き、退屈な印象になってしまいがち。

KISSだからと言って忖度はせず、通ぶって好きでもない楽曲をおすすめしても意味が無いので、本記事では誰もが知る代表曲3曲のみのチョイスにとどめておきます…。

 

 

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