SUBWAY どんなバンド?
普通、SUBWAYと言えば...
学校英語で「SUBWAY」と言えば「地下鉄」を意味するというのはアホな私の脳にもインプットされていましたが、日常生活において「SUBWAY」という英単語が登場する機会はほとんど無かったと思います。
(学校英語そのものが日常では全く使い物にならないという根本的な問題もありますが...)
因みに、「SUBWAY=地下鉄」はアメリカで一般的に使用されているようで、フランスでは「METRO(メトロ)=地下鉄」のようです。
(東京メトロですね…)
私は当時、東京青山の会社まで地下鉄を乗り継いで通い、会社と隣接したビルの1階には当時日本に上陸して間もなかったサンドイッチショップ「SUBWAY」がテナントとして出店していました。
今でこそ、スタバやココ壱などオーダーメイド型の商品提供も一般的となりましたが、今から30年も前の20世紀末の当時では、サンドイッチをオーダーしながら購入するなどというスタイルは、自分にとっては面倒くさい以外の何物でもありませんでした。
しかも、あれこれ挟んでいった結果、ビックリな値段になっちゃうし…。
という訳で、個人的に「SUBWAY」という単語は馴染みがないどころかネガティブな印象を持っていたという状態でした。
なぜこのアルバムが手元にあるのか...
今回ご紹介するSUBWAYの楽曲「Light of the Night」が収録されているのは、1992年リリースのバンド2枚目のアルバム「HOLD ON TO YOUR DREAMS」。
日本には1993年3月頃に輸入盤として入ってきています。
何故このアルバムが私の手元にあるのか...。
購入した明確な理由は思い出せませんが、恐らく当時のシーンを席捲していた「ドイツ勢のバンド」であり、B誌レビューにあった「北欧っぽさもあるポップ&キャッチー」というフレーズに喰いついたためと思われます。
当時の雑誌レビューやCDショップの手書きPOPでは、「オレオレ詐欺」ならぬ「北欧詐欺」「メロディアス詐欺」が横行しており、人を信じやすい善良な市民の私は資金を騙し取られることがよくありました。
しかしながら、このアルバムについてはレビュー評判通りの高いクオリティをもった作品であり、いわゆる「当たり」ってやつでした。
ハードロックバンド「SUBWAY」
SUBWAYは1986年にドイツで結成されたハードロックバンド。
1990年にデビューアルバム「Dangerous Games」をリリース後、レーベルを変えて1992年に2枚目のアルバムとなる本曲収録の「Hold on to Your Dreams」をリリースします。
プロデュースは同じドイツ出身で既に成功を手中に収めていたバンド「Victory」のヴォーカル「フェルナンド・ガルシア」が担当。
ポップ&キャッチー路線の音楽性をベースとしながら、最大の特徴は歌唱力のあるハイトーン・ヴォーカルとサックスの導入。
特にサックスについてはハードロックとの親和性に疑問を持つ方も多いかも知れませんが、個人的には楽曲の魅力を増幅させるシナジー効果として有効に作用しているように感じます。
バラード曲での有効性は容易に窺えますが、本曲のような正統派メロディアス・ハードのような曲でも十分に融合しているのは見事だと思います。
それにしても、致命的なのは「SUBWAY」というバンド名。
世界的にも都心部の通勤は地下鉄を利用するのが一般的であり、「SUBWAY=地下鉄」という単語に対する感覚は「日常性」でしかなく、「夢」や「非日常性」とは対極に位置するものなのでは?と思えてしまいます。
もうちょっと格好良いバンド名あったでしょーに…。
その後もバンドはメンバー交代や解散~再結成を繰り返しながら、通算7枚のアルバムを輩出。
へたすると現在もしぶとく活動中かもしれません...。
メンバー構成
- ヴォーカル: ペペ・ウォルトフ
- ギター : ベミー・ビッツァー
- ベース : ダニー・バイヤスドルファー
- ドラム : トミー・ストロベル
- キーボード: ヘンリー・ザウター
- サックス : アンディ・ウェーバー
LIGHT OF THE NIGHT 楽曲レビュー
アルバムの3曲目に収録されている本曲は、意表を突く衝撃的なイントロで幕を開けます。
「北欧っぽい」の看板に偽りなし。
メロディアスハード愛好家を思わずニヤケさせるイントロフレーズですね。
そして歌メロが始まると「おっ?そうきちゃいましたか…」と一瞬不安がよぎるものの、ご安心下さい。
北欧正統派様式美をポップ&キャッチーの厚衣で思い切りくるんで揚げたような感じではありますが、サビに向かって盛り上げ階段を一歩一歩昇っていくじゃぁあーりませんか。
キーボードがいなかったら恐ろしくチープであろうサウンドも、土俵際の徳俵に足を掛けながら何とか踏ん張っています。
そして爽やかなバックコーラスに導かれるように呼応する哀愁を帯びたサビ。
はい、「合格」ガッツポーズですね。
ギターのトーンの軽さや、ハイトーンヴォーカル特有の後頭部から出力しているかのような抜けきらない発声等はこの際お構い無しということで。
そしていよいよ、クライマックスのギターソロ~サックスソロへの突入です。
ギターソロはメロディ最重要視スタイルで、フレージングにはドイツが産んだあの「神」の顔すらも脳裏をよぎります。
もっと聴かせて下さいよー!とおねだりさせちゃう「寸止め地獄攻撃」でやや短めに終わるギターソロの後は、お待ちかねのサックスが満を持して登場。
さりげなくフェードインしてくるところなんぞは、「お主、なかなかやるな」と思わず唸ってしまいそうです。
いやー、渋い、渋すぎますね、サックスは。
そしてバスドラの刻みを合図に一気にアクセルベタ踏み全開へ。
サックスには触ったこともなく何一つ解りませんが、相当の気合がこもったプレイというのがビシビシ伝わってきます。
ドラムも最終コーナー廻って鞭が入ったかのように思い切り引っ叩いている感じですね。
スネアに何とも言えないタメが効いていて、サックスの渋さをより一層引き出している感じです。
最期はごまかしフェードアウトせずに内村航平の着地のようにキッチリ決めてきましたね。
ナイス!。
いやー、それにしてもサックス奏者のいる貴重な存在のバンドだっただけに、SUBWAYというバンド名が何よりも悔やまれます…。