Europe / Wings of Tomorrow レビュー
ヨーロッパの代表作と言えば…
北欧正統派メロディアス・ハードロックの最高傑作
鬼気迫る切れ味鋭いギターリフとフレーズ
メンバー・収録曲
【メンバー】
- ヴォーカル: ジョーイ・テンペスト
- ギター : ジョン・ノーラム
- ベース : ジョン・レビン
- ドラムス : トニー・レノ
【収録曲】
- Stormwind
- Scream of Anger
- Open Your Heart
- Treated Bad Again
- Aphasia
- Wings of Tomorrow
- Wasted Time
- Lyin’ Eyes
- Dreamer
- Dance the Night Away
おすすめ楽曲
Stormwind
アルバムのオープニングは、これ以上無い衝撃的でドラマティックな泣きのイントロで幕を開けます。
これぞ真の北欧正統派を継承する血統の誇り、本物のハードロックのお出ましです。
硬質でナチュラルに歪ませたギターサウンドにはわずかなフランジングをかけてうねりを加えていますね。
力強くも叙情的なサビメロには胸が締め付けられそうになります。
そしてイントロの泣きフレーズを再び繰り返した後に、怒涛のギターソロへと一気に突入していきます。
メロディ重視でやや抑え気味のソロフレーズは、楽曲の流れを阻害することなく極めて自然で心地良く陶酔できる仕上がりです。
そしてエンディングへ向けて、イントロ泣きフレーズを再度登場させての最後のダメ押しも抜かりがありません。
いやぁー、まさに完璧。
個人的にはヨーロッパの作品史上最高の楽曲とも言って良い位に見事にツボを押さえた名曲です!。
Aphasia
出ました!。ジョン・ノーラム独演会。
インストゥルメンタルのギターソロ曲で弾きまくっています。
そのフレーズはもちろん北欧独特の湿り気を帯びた叙情的な泣きメロが基本です。
例えるならば「トニー・マカパインをせいろに入れて蒸しまくったような、たっぷりと叙情的な湿気と、渋いタメ感のあるリズムの北欧点心のようなギターインスト曲」とでも言えるでしょうか。
まさにジョン・ノーラム節が全開で炸裂しています。
ヨーロッパ ~ ジョン・ノーラム ~ 寒い・冬・雪 ~ 赤いほっぺ ~ 叙情派・様式美 ~ 津軽三味線。
何故かどうしてもこの思考に行きつく自分が意味不明です...。
因みに、本曲を含めた胸熱の1980年代「インスト曲」をピックアップした特集記事をご参考までに。
Wings of Tomorrow
アルバムタイトル曲がここで登場。
力強くエッジを効かせて刻み込まれるリフメロは、ライブではその激しさを増幅させて更に攻撃的に変化しますね。
そして何と言ってもここでも圧巻はギターソロ。
起承転結の練られた構成のメインの泣きフレーズは、あらゆる人が潜在的に持っている哀愁の感情という琴線に、モロに直撃弾となって打ち込まれてくる心地良さです。
Dreamer
切なく、あまりに美しいバラード曲。
もはや「何おかいわんや」状態でひたすら聴き惚れるのみです。
後の作品群ではこうした極上のバラード曲が産業革命後のように量産体制で輩出されてくることとなりますが、やはり初期における魂のこもった職人技のバラードは一味も二味も違うような気がします。
まとめ
ヨーロッパが世界的な大成功を収めた3作目「The Final Countdown」によって、HR/HMのファン層の裾野は大きく広がり市民権が得られたとも言えますので、その功績は非常に偉大なものだと思います。
が、一方でそれまでの北欧の正統派様式美ハードロックの真髄、お手本たる音楽性は、少しずつなりを潜めていくこととなり、コアなファン層にとっては少し残念な印象を持たれた部分もあったかと思います。
(実際に行ったことも無いくせに勝手なイメージだけですみませんが)日照時間が短めで、冷たい雨が打ち付け、冬は雪深いと言った北欧の気候や情景を想起させつつ、荘厳な気品と叙情性をもって切れ味鋭く奏でられるエッジの効いた彼らならではの音楽性は、惜しくも失われていってしまったようで一抹の寂しさを感じてしまいます。
(贅沢いうんじゃねーよって、わかっちゃいるんですけどね...。)
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