3月14日は「WHITE DAY」ですね。
「VALENTINE’S DAY」に感謝の品を頂いた男性がそのお礼をする日として、主に日本で始まった習慣だそうです。
「倍返し」などと言われ男性が色々と頭を悩ませるチョッと面倒くさい日でもあります…。
そんな「WHITE DAY」に因んで今回は「WHITE縛り」でハードロックバンドを集めてみました。
チョコを貰った人も貰ってない人も是非ハードロックを聴いてHAPPYな気分になりましょう!。
WHITECROSS
先ずは軽くジャブ程度にこちらのバンドから。
1987年デビューアルバムをリリースのイリノイ州出身のクリスチャン・メタル・バンド WHITECROSS。
クリスチャン・メタルと言えばやはり STRYPER となるわけですが、こちらは似ても似つかぬノリ重視のコカッと爽やかスカコーラなバンド。
特に初期の2枚はテクニックに相当の自信をうかがわせるギタープレイも披露され、RATTやDOKKENを彷彿とさせる仕上がりになっています。
そんなストロングポイントだったレックス・キャロル(Gu)とともにバンド創設メンバーであったのがスコット・ウェンゼル(Vo)でしたが、こちらが悲しいかなウィークポイントだったようで…。
クセが強く強引なシャウトに頼りがちなヴォーカルスタイルは、なまじっかメロディアスに仕立て上げられた楽曲とのハレーションを起こしていた印象です。
90年代に入り3枚目アルバム以降はシーンの潮流に溺れまいと、生き残りをかけてブルージーなテイストに変身を遂げていきますが、スコット・ウェンゼル(Vo)の歌唱にはむしろマッチしていったように思います。
おすすめ楽曲
Lookin’ for a Reason
1987年リリースのデビューアルバムからのノリの良いテクニカルなギターも冴える楽曲。
可もなく不可もなく、キマりそうでキマらない楽曲としての詰めの甘さがB級感満載ですが、ヴォーカルが違っていたら少しは違う雰囲気の楽曲に化けていたようなポテンシャルは感じますね。
それにしても、アルバムのオープニング楽曲ではもろにRATTのパクリスタイルで聴いているこちらが冷や汗をかくほどでしたが、そこそこの才能のある方達だっただけに、もっとオリジナリティに拘っても良かったように思います。
GREAT WHITE
お次は重鎮、1983年のデビューから40年以上のキャリアを誇るアメリカン・ハードロックの老舗バンド「GREAT WHITE」。
初期の名盤とされるヒット作を連発後シーン全体とともに低迷期に入りますが、粛々とアルバムリリースを継続。
「全部同じような曲に聴こえる」などと酷評する不届き者(私か…)もいましたが、逆にブレない音楽性はコアなファンを強固につなぎとめました。
しかし、2000年にバンドは解散状態に陥り、2003年にはヴォーカルのジャック・ラッセルのソロ活動のライブ会場火災で多くの死者を出す事故に遭遇。
さすがに息の根が止まったかと思いきや2007年にまさかのアルバムリリースして復活したゾンビバンドですね。
おすすめ楽曲
Rock Me
1987年リリースの3枚目アルバム「ONCE BITTEN」に収録。
個人的にこのアルバムだけは、他の埃っぽく乾燥した土臭さ(失礼)だけでない「哀愁」「湿気」を感じることができるGREAT WHITEの最高傑作と位置付けています。
WHITE WIZZARD
WHITE WIZZARD は2007年にベーシストのジョン・レオンを中心にアメリカ・LAで結成されたコテコテのヘヴィメタルバンド。
今からおよそ40年も前の80年代のNWOBHMムーブメント、とりわけ IRON MAIDEN の影響を強く(というか露骨に)感じさせる音楽性が特徴ですね。
失礼ながら、B級バンドにありがちな「メンバーが固定しない問題」がこのバンドにも当てはまり、結成からこれまでに既にヴォーカルだけで5人目を数える入れ替わりの激しさ。
通算4枚リリースのアルバムも音像が都度変化して、聴き手に不要なスリル感を味わせてくれます。
おすすめ楽曲
Kings of the Highway
2013年リリースの3枚目アルバム「THE DEVILS CUT」に収録。
80年代よりも劣化してるだろと怒られそうなサウンドプロダクションはさておき、このドタバタ感、明らかにどこかで聴いたことがあるメロディのパクリ感、コテコテのクサメロ、などなど全てにおいてもはや「化石」とも言える希少性をもった名盤です。
ベースとヴォーカルは及第点を獲得、赤点ギリギリのギターは終盤のソロで何とか進級、ドラムは残念ながら留年といった感じの抜群の不安定感。
今後のメンバー固定~ライブでの再現性を高めていって欲しいバンドですね。
WHITE SPIRIT
WHITE WIZZARD による80年代懐古の流れに乗じて、本家NWOBHMムーブメントで活躍したバンド WHITE SPIRIT にも登場して頂きましょう。
1975年にヤニック・ガーズを中心メンバーの一人として結成~1980年にデビューした英国産のバンドですね。
デビューアルバムのみを残してバンドはその後短期間で消滅。
しかしながら、昨年2022年に突如幻の2ndアルバム音源が掘り起こされ、豪華ヴォーカル陣で再録~リリースされるという世界の考古学者もビックリの展開が起きました。
おすすめ楽曲
Don’t Say No
折角ですので今回は幻の2nd音源からのチョイスです。
大好きなジェフ・スコット・ソートの楽曲と最後まで悩みましたが、今回はリー・スモールがヴォーカルの楽曲に軍配をあげました。
さすがは LIONHEART、SHY、PHENOMENAといった極上メロディアスバンドを渡り歩いてきた仕事人だけあって、声量と伸びが半端ないですね。
今回の音源発掘の功労者の一人であるキーボードのメル・ピアソンも「いやぁ~、実にいい仕事してますね」(by 中島誠之助)
WHITE LION
ウォーミングアップで十分に耳もこなれてきた頃ですので、もうそろそろ主役にも登場願いましょう。
WHITE LION です。
1983年にアメリカ・ニューヨークで結成~1985年リリースの歴史的デビューアルバム「Fight to Survive(華麗なる反逆)」で華々しくデビューを飾りました。
デンマーク出身のヴォーカル マイク・トランプとテクニカルで叙情的なフレーズを奏でるギターのヴィト・ブラッタを中心に生み出された作品は、LAメタル全盛期のアメリカのバンドでありながら、その他大勢のバンドとは明確に一線を画した哀愁溢れる最上級のハードロックでした。
そして、続く2ndアルバム「Pride」でも見事にその音楽性は完成度を高め、絶対に聴いておくべき80年代の名盤として猛プッシュする作品です。
おすすめ楽曲
Hungry
ここはあえて変化球を投げる必要もないので、王道のどストレート曲でいかせて頂きます。
名盤中の名盤である2ndアルバム「PRIDE」のオープニング曲ですね。
前置き無しに畳みかけてくる分厚いトーンのリフと、サビに向かってわき目も振らずに盛り上がっていく歌メロ。
エディ・ヴァン・ヘイレンが完全憑依したかのようなオブリガードのフレーズもスパイスのように効いてますね。
1991年に惜しまれつつ解散してしまい、その後全く消息の掴めない名手ヴィト・ブラッタ…。
ピザ屋になったとか色々言われてますが、ハードロック界にとっては大きな損失でした。
WHITE WOLF
WHITE WOLF は1984年リリースの「Standing Alone」でデビューしたカナダ産のバンドですね。
哀愁を帯びたメロディアスな名曲をズラリと揃えたデビュー作らしからぬクオリティのアルバムでしたが、ジャケットのデザイン(カエルのような足をしたネズミのような狼?)が足を引っ張り、セールス的には本来の実力が反映されなかった印象です。
続く1986年リリースの2ndも更に練度を高めた極上メロディアス作品でしたが、RAINBOWの焼き直し感(略してパクリ感)が否めずといった感じ。
2枚の上質作品を残したのみでバンドは解散してしまいますが、2007年に21年ぶりの軌跡の復活!。
往年のバンドロゴもそのままに、音楽性も80年代の良いところだけをそのまま持ってきました的な感じで古参ファンは涙を流して歓喜した作品でした。
おすすめ楽曲
Don’t Turn Away
古くさろうが、どっかで聴いたことあろうが関係ナッシング!。
俺はこのクサメロハードロックが大好ききなんだぁぁあああああ!っと叫びたくなる名曲。
予定調和から一歩もはみ出すことのない先が読めるクサメロ、素人に毛が生えた程度のギターソロ、何もかもがあの熱かった80年代を想起させる昭和レトロ感で満たされた至福の名盤です。
WHITE TIGER
WHITE TIGER は1986年に「KISSワンポイントリリーフ」で知られるギタリストのマーク・セント・ジョンを中心にアメリカ・カリフォルニアで結成されたバンドですね。
正式なアルバムとしてはデビュー作のみを残して解散してしまいました。
それにしても、このマーク・セント・ジョンという男。
KISSに加入したかと思えば関節炎を発症し、WHITE TIGER も鳴かず飛ばず、挙句の果てには麻薬絡みで逮捕され刑務所収容中に暴行を受け出所後まもなく死亡という、あまりにも不遇な男でした。
おすすめ楽曲
Runaway
WHITE TIGER はとにかくまともな音源が少なくて見つけるのが大変です。
デビューアルバムで気合が入ってるのはわかりますが、この曲では終始後ろでカシャカシャやってるバッキングがせわしなく、リズムも独特で何だか落ち着かないところが逆に強烈に印象に残ったりする楽曲です。
マーク・セント・ジョンのギターソロは、ありがちなフレーズではあるもののそれなりに頑張って存在感を示していますね。
特に終盤にかけてのしつこい位のソロは、いやいや、もういいですよって位に弾きまくってます。
WHITE SISTER
LAメタルの潮流に乗っかり1984年にメジャーデビューを果たした WHITE SISTER。
デビューアルバムはグレッグ・ジェフリアのプロデュースということもあり、ちょっとした話題になりましたね。
楽曲の世界観を広げるキーボードサウンドを効果的に使い、爽快かつ哀愁も滲ませた曲作りは、NIGHT RANGER 辺りを彷彿とさせましたが、いかんせん音像はチープ…。
個人的にはグレッグ・ジェフリアによる功罪とみていますが、結局どの曲も GIUFFRIA っぽく色付けされてしまい WHITE SISTER としての特徴を色濃く打ち出すことが出来なかった感じがします。
そこそこのルックス、適度なスピード感、快適な湿度をもった哀愁感、透明感のあるコーラスとどれを取ってみても平均点をクリアするメロディアス・ハードロックを展開しながらも、器用貧乏に泣いたバンドと言った印象です。
う~ん、惜しい…。
おすすめ楽曲
Promises
明るく能天気なLAメタルとは完全に一線を画すスケール感を感じさせる楽曲作りが WHITE SISTER の真骨頂。
厚みのあるヴォーカルが情感豊かにグイグイ引っ張っり、さらにコーラス部隊も輪を掛けて援軍に回る鉄壁の布陣。
ドラマティックに演出される上質感溢れる楽曲に、唯一水をさしているのがキーボードのチープな音色。
THE 80年代前半の創意工夫とは無縁で覇気を全く感じさせないその音色が、全てを台無しにしてくれています。
名選手、名監督にあらずと言った感じで、自身の成功体験をゴリ押しするのも時と場合によっては上手くいかないこともあるかと…。
結局、GIUFFRIA と同様に2枚の作品のみを残してシーンから消えていってしまいました…。
当時はみんなこうだったと片付けてしまえばそれまでですが、逆に言うと1982年デビューにしてあのサウンドを聴かせた NIGHT RANGER の凄さを改めて思い知らされます…。
WHITESNAKE
楽しかった(自己満)本企画の最後を飾るのは、このバンド、そしてこの曲しかあり得ませんね。
(我ながら最高にキマッタ感でほくそ笑みながら書いております)
言わずと知れた WHITESNAKE ですね。
おすすめ楽曲
We Wish You Well
もうああだこうだとは申しません「蛍の光楽曲」です。
まとめ
3月14日の「WHITE DAY」に因んで「WHITE縛り」バンドを9組企画してみました。
今回改めて思ったのは、「WHITE」バンドには優れたメロディアス・ハードロックバンドが多く、かなりの高確率で「当たり」であること。
そして、一旦消えてから忘れた頃に不死鳥のように蘇るパターンが多いことですかね。
ということで、諦めずに「ヴィト・ブラッタ奇跡の復活!を」信じてやみません…。
無いですね….。
以上、終わります。