昭和の昔と違って、現在は音楽サブスクの利用でその気になれば大抵の楽曲をいつでも自由に聴くことの出来る時代。
まさに濡れ手に粟状態でどんな音源にも気軽にアプローチできる夢のような世界ですね。
でも反面、新旧合わせ気の遠くなるような数の音源から自分好みのバンドやアルバム、楽曲を掘り出すのも大変だと思います。
そこでこの記事では、HR/HMが隆盛を誇った「80年代のメロディアスHR/HM作品」の中から、アルバムの中で「一際光る一曲(個人的お気に入り)」を特集してみました。
↓↓↓同様の企画で「NWOBHMバンドの作品」を特集した記事はこちらから↓↓↓
80年代 NWOBHM バンド アルバムを代表するおすすめ楽曲?選
これから聴く人たちに当時の息吹きを少しでも感じながら参考にして頂けたらと思います。
気が向いた時の不定期更新のため、記載はあくまでも順不同=ランキングではありません。
たま~に立ち寄って覗いて頂けると嬉しいです!
【 ★目次をタップすると読みたい場所にジャンプします★ 】
- SKAGARACK / HUNGRY FOR A GAME
- TOUCH / Don’t You Know What Love Is
- SKID ROW / Youth Gone Wild
- DRIVE, SHE SAID / Hard Way Home
- Tradia / Sweet Sixteen
- AUTOGRAPH / Turn up the Radio
- PROPHET / CAN’T HIDE LOVE
- JOURNEY / Separate Ways (Worlds Apart)
- STEELER / NO WAY OUT
- LOVERBOY | GET LUCKY
- KEEL | KEEL
- LEE AARON | METAL QUEEN
- 最期にお伝えしたいこと
SKAGARACK / HUNGRY FOR A GAME
「SKAGARACK」バンド名の由来
スカガラックは、北欧に近いデンマーク出身のハードロックバンド。
バンド名の「スカガラック」は同地方にある海峡の名称からとったもので地域密着型の郷土愛溢れるバンドですね。
海峡の正式名称は「Skagerrak(スカゲラク)」で、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの3国に接している地点です。
音楽性の特徴
バンドはヴォーカルを務めるトーベン・シュミットを中心に結成され、1986年にデビューアルバムをリリースしています。
音楽性は、キーボードに重きを置いたサウンドメイクで、爽快かつ哀愁を帯びたメロディアス・ハードロックが信条。
デビュー時から一貫してブレないその音楽性に、呼応するファン層からは熱烈な支持を受け続けました。
「他のバンドで例えるとどんな感じ?」と聞かれたならば、メジャーどころで言えばSURVIVORやJOURNEY、同胞の欧州勢で言えば220VOLT(後期)といったあたりでしょうか。
若干湿り気のあるアメリカン・ハードロックっぽくもあり、欧州勢ならではの叙情的な部分も勿論ありというハイブリッドさが絶妙な楽曲が多いように思います。
バンド名やアルバムのジャケットデザインだけを見ると、一見プログレッシブな音楽性?と想像されやすい印象ですが、プログレ的な要素は皆無、至ってシンプル明快なメロハーを展開するバンドと思って頂いて良いでしょう。
今回のおすすめピックアップ曲は、1988年リリースの2枚目アルバムからのタイトル曲。
北欧勢独特の一本調子、ぶっきらぼうな歌い回しのヴォーカルスタイルはもはやお約束ですが、補完する形で分厚いバックコーラスが被せられていて、マイナーなチープ感無くサビメロが印象付けられた良曲です。
バンドメンバー
- ヴォーカル: トーベン・シュミット
- ギター : ヤン・ピーターセン
- ベース : モーテン・ムンク
- ドラム : チャーリー・ローダーデール
- キーボード: トミー・ティエル
Hungry for a game 楽曲レビュー
アルバムのオープニング曲だけあって、まるで映画のワンシーンのようなドラマテックな演出が施されながら楽曲は幕を開けます。
若干のすっとこどっこい感のある印象的なギターリフですが、まあそこは80年代ということで寛容に。
ヴォーカルは「THE 欧州勢(北欧寄り)」とも言える独特の声質。
歌い出しはあくまでご挨拶程度のやや抑え気味の歌唱ですね。
メロディラインは北欧感のあるやや湿気を多めに含んだ「哀愁漂わせ型」で、ピークのサビに向かってじっくりコトコト煮込んでいくパターン。
クライマックス地点の「泣きのサビメロ」では、前述の分厚いコーラスも相まって一度聴いたらもう耳にこびりついて離れなくなること必至です。
少し残念なのは、ミキシングでギターがやや冷遇されている点でしょうか。
肝心のソロ部分になっても奥に引っ込んだままで、一向に前面に出て来ることなく可哀想過ぎますね。
結構一生懸命に考えて弾いていそうなソロなので、もう少し前面出してあげて欲しかったですね。
いずれにしても、楽曲のクオリティ、完成度としてはメジャーバンドにも引けを取らないものがあったと思うのですが、いかんせんデビューのタイミングがちょっと遅かった感は否めません。
当時のハードロックシーンにおいて、メロハーバンドが受け入れられる土壌はまだギリギリ残されていたようにも思いますが、結果としては地元の欧州市場のみでの反応に限定されてしまいました。
デンマークのローカルバンドが世界進出するにはマーケットの門戸はあまりに重く、錆びつき始めていてこじ開けにくい状態となっていたのかも知れませんね。
TOUCH / Don’t You Know What Love Is
「Monsters of Rock」に歴史を刻んだ伝説のバンド「TOUCH」
「TOUCH」は、プログレッシブ感も備えたアメリカのハードロックバンド。
KANSAS、STYX、TOTO、JOURNEY等と同様に、マーケットでの成功を収めてもおかしくない音楽センスと実力を持ちながら鳴かず飛ばずで消滅してしまった惜しいバンドでした。
そんな「TOUCH」を語るうえで必ず触れておかなければならないのは、HR/HM界最大のイベントとされた「Monsters of Rock」における伝説の雄姿ですね。
1980年に開催された記念すべき第1回公演のトップバッターとして登場したバンドが「TOUCH」。
文字通り「Monsters of Rock」の歴史に最初に爪痕を残した伝説のバンドと言えるでしょう。
極太の爆音サウンドのギターが半端なく、ヴォーカルはライブでの再現性を実証して見せた見事なパフォーマンスでした。
デビューアルバムのオープニングを飾った名曲
今回紹介する楽曲「Don’t You Know What Love Is」は、1979年にリリースされた TOUCH デビューアルバムのオープニング曲です。
デビューアルバムには、バンドの創始者であるマーク・マンゴールドの1970年代からのキャリアに由来したプログレッシブな音楽性と、上質でポップなメロディラインとを融合させた特徴ある楽曲が収められています。
プログレ風あり、シンプルなハードロック風あり、AOR風ありと、ややごった煮感のあるアルバムとなってしまっているのは否定できないところかと…。
聴く人によっては楽曲毎に好き嫌いが分かれてしまうかも知れません。
バンド解散後にリリースされた幻の2ndアルバム
その後、2ndアルバムの制作に取り掛かりリリースを間近に控えていましたが、制作側との折り合いがつかずにお蔵入りとなってしまい、そのままバンドも解散してしまいました。
1998年になってデビュー作と幻の2ndアルバム音源を合わせた2枚組として、「The complete Works Ⅰ&Ⅱ」がリリースされました。
お蔵入りしていた幻の2nd音源ですが、特にこれといった感動を受ける楽曲も個人的には見当たらず、消えるべくして消え去ってしまった不運のバンドといった印象です。
バンドメンバー
- ヴォーカル: クレイグ・ブルックス(兼ギター)
- ベース : ダグ・ハワード
- ドラム : グレン・キスカート
- キーボード: マーク・マンゴールド
Don’t You Know What Love Is 楽曲レビュー
フランジングの効いたリフでいきなり切れ込んでくるアルバムのオープニング曲。
メインヴォーカルのクレイグ・ブルックスの第一声を聴いただけで、既に名曲の予感しかしない状態となりますね。
勢いに任せて走らない、何とも言えぬ「タメ」を持たせたリズムでリスナーは無意識に聴き入ってしまい、バンドの術中にはまってしまうことでしょう。
透明感のある声質と綺麗に伸びる高音で引っ張るクレイグ・ブルックスのヴォーカルを、途中からマーク・マンゴールドの渋さ抜群のハスキーな中低音ヴォーカルがフォロー。
そして終盤には両者掛け合いながら更に厚みのあるコーラスも加わっていく展開は圧巻ですね。
せっかくなので「Monsters of Rock 時のライブ・バージョン」も貼り付けておきましょう。
世界的な大舞台での完璧かつ圧倒的な渋さと格好良さを示して見せた彼らのパフォーマンスには心から拍手を贈りたいです。
ライブでも決して走らず、この楽曲の命である「タメ」が効いてますよね~!。
う~~ん、渋いっ!
SKID ROW / Youth Gone Wild
JON BON JOVI の肝いりバンド「SKID ROW」
1989年にLAメタルムーブメントに滑り込むようにデビューしたSKID ROW。
デビューアルバムに収録の彼らの代表曲が「Youth Gone Wild」。
SKID ROW は JON BON JOVI の肝いりバンドとして大きな注目を集めながらデビューを果たしアルバムは当然のようにヒット。
バンドの知名度は一気に上昇しました。
特にヴォーカルのセバスチャン・バックは圧倒的な存在感とカリスマ性を持ち、広い声域と豊かな表現力でハードチューンから繊細なバラード曲までを器用に歌いこなすバンドの核として、一気にスターダムを駆け上がりました。
Guns N’ Rosesのアクセル・ローズとの親交も深く、ツアー中に声の不調に陥ったアクセル・ローズの急遽の代役を務めるなどのエピソードでも知られていますね。
一方、デビュー当時のバンドとしてのライブパフォーマンスには厳しい評価の声も多く、ヴォーカル以外はアルバム再現性に乏しく技術的な課題があることも露呈してしまいました。
続く1991年リリースの2ndアルバムではバンドとしてのまとまりと音楽性の軸が明確になりましたが、1995年リリースの3rdアルバムでは(よせばいいのに)当時主流となりつつあったヘヴィネス路線に大きく舵を取り大失速。
その後の1998年のセバスチャン・バックの脱退以降は、解散と再結成を繰り返しながら迷走を続けていきます。
(なお、Gary Moore が1970年代に率いた同名バンドとは全くの無関係ですので念のため…。)
バンドメンバー
- ヴォーカル: Sebastian Bach
- ギター : Dave Sabo
- ギター : Scotti Hill
- ベース : Rachel Bolan
- ドラムス : Rob Affuso
Youth Gone Wild 楽曲レビュー
さすがにプロデュースにマイケル・ワグナー(オジー・オズボーン、ホワイトライオンやエクストリームなどを手掛けたことでも知られる)が関わっているだけあって、楽曲と音質のクオリティは高いですね。
ヴォーカルを活かす最低限のリフとバッキングに徹するギター。
グルーブ感をビンビン押し出してくるベース。
多少のもたつき感はあるものの、音の厚みを感じるドラム。
サビでの野性味あふれるコーラス。
(後に露呈する)少々技術的に難ありのレベルでも、これだけのクオリティの楽曲、アルバムが出来上がってしまうのが逆に恐ろしいです。
それでも、ヴォーカルのセバスチャン・バックだけは正真正銘の本格派の実力者。
声域は広く、掠れた声でのシャウトから囁くようなバラードでの歌い方に至るまで表現力が多彩です。
190cm以上の長身で端正な顔立ちという、俳優業でも食べていけるような恵まれた才能とカリスマ性はスターになるべくしてなった生まれ持った必然ですね。
DRIVE, SHE SAID / Hard Way Home
「TOUCH」創始者が立ち上げた爽快アメリカン・ハードロックバンド
DRIVE, SHE SAIDは、哀愁のメロディアス・ハードロックが持ち味だったバンド「TOUCH」の創始者であるマーク・マンゴールドが、「TOUCH」の解散後に盟友アル・フレッチ(ヴォーカル)と共に立ち上げたプロジェクト。
何ともバンド名らしからぬ不思議な名前ですね。
今一つ方向性の定まらないままに解散してしまった「TOUCH」に比べて、明快なアメリカンハードロックの音楽性を打ち出したバンドでした。
アル・フレッチのややハスキーな声質のヴォーカルは、時に熱くエモーショナルに、時にしっとりと情感豊かに、緩急をつけた器用なヴォーカルスタイルとなっています。
本曲「Hard Way Home」は、1989年リリースのデビューアルバムに収録。
まさに晴れた日のドライブにうってつけな爽快アメリカン・ハードロックなナンバーですね。
オーソドックスで飾り気の無い無骨なギターと対角をなすメロディアスなキーボード。
ハスキーに熱く歌い上げるヴォーカルも適度に哀愁を帯びながら元気が湧いてくるような楽曲。
メロディアス・ハードロックファンにはたまらない一曲と言えるでしょう。
1990年代を間近に控えたサウンドメイクとしては、ややチープ感はあるものの、オルガンのトーンを思わせるキーボードの音色などは古き良き質感をともなって楽曲を肉付けしていますね。
当時を知るリスナーにとっては「渋み」として意外にすんなりと受け入れられる筈です。
「TOUCH」時代には神出鬼没状態だったプログレッシブな要素も、一定の整理がつけられたようでようやくやりたい事が具現化できてきたように感じます。
このアルバムには何と「TOUCH」の歴史的名曲「Don’t You Know What Love Is」のリメイク版も収録。
他の楽曲との存在感の差が突出してしまっている感がありますが、ファンにとっては嬉しいボーナス要素ですね。
Hard Way Home 楽曲レビュー
1989年のギターサウンドとしては許されないレベルのテンションの低いギターリフで楽曲がスタート。
キーボードとのハレーションを避けたかったのか、ヴォーカルの熱さを際立たせたかったのかは定かではありませんが、どう考えてもやる気の無さしか感じません。
しかし、ヴォーカルの熱唱が始まり一転。
のっけからテンション上げ上げで突っ走っていきます。
メロディラインは既に「TOUCH」でお墨付きの完成度。
サビに向かって確実にツボを押さえながらヴァースを昇りつめていくメロディ構成は、職人芸の域と言えるでしょう。
また、個人的には「残り40秒以上をフェイドアウトに費やすという暴挙」を見過ごすわけにはいきませんね。
非常にもったいない限りです。
せめてギターソロなりキーボードソロなりの工夫と捻りが欲しかったところ。
この辺りの雑さというか、詰めの甘さというか、貪欲さの無さがセールス的な成功を掴めなかった要因でもあるような気がします。
残念…。
折角なので「TOUCH」時代の歴史的名曲「Don’t You Know What Love Is」のリメイク版も貼っておきます。
当時としてのモダンなアレンジが施されていますが、今となっては正直中途半端な印象でしかありません。
個人的に、この楽曲の最も重要な要素であるリズムの「タメ」感による「渋み」が無くなってしまっているように思えます。
アル・フレッチのヴォーカルも頑張ってはいますが、元祖のクレイグ・ブルックスの洗練されたハイトーンヴォーカルには一歩及ばない印象です。
Tradia / Sweet Sixteen
アメリカのメロディアス・ハードロックバンド「TRADIA」。
1988年リリースのデビューアルバムのオープニングに収録の楽曲です。
このバンドはその後1995年に突如2ndアルバムをリリース。
メロディアス・ハードロックファン御用達の「LONG ILANDS RECORD」からのリリースでした。
(そして何故か2ndアルバムにも本曲がちゃっかりクレジットされていたようです...。)
バンドに関する情報があまりに乏しいので、今回はこの輸入盤CDの購入場所について記しておきます。
足繁く通った新宿「輸入盤専門店GOLD」
当時このCDを購入したのは新宿西口にあった「輸入盤専門店GOLD」。
私が「GOLD」を知ったのは、BURRN!誌に掲載されていた小さな広告がふと目に留まり訪ねたのがきっかけでした。
はっきりとは覚えていませんが、広告のうたい文句は「メロディアス系輸入盤専門店 充実の品揃え!」みたいな感じだったかと思います。
開店当初は新宿駅西口から10分程度のメイン通り沿いのマンション(たしかダイカンプラザ)の一室(何階だったかは忘れましたが)という、なんとも怪しい店構えで、入るのにはちょっと勇気が必要でした。
勇気を振り絞って店に入ってみると、店内は意外に明るく綺麗で所狭しと魅力的な輸入盤CDが陳列されていました。
何より嬉しかったのが、情報の少ない輸入盤なのでアルバムのショートレビューが記載されたカードが一緒に掲示されていたことです。
「〇〇が好きな方は是非!」とか、「〇〇風の曲調が多い」だとか、そのレビューの内容を参考にしながら限られた予算(バイト代)の中で、購入するかしまいか店内でひたすら迷ったものです。
「SKAGARACK」辺りもこのお店のレビュー紹介に背中を押されて買いました。
それからというもの、週末の暇をみつけては足しげく通うようになり、お店のポイントカードも文字通りGOLD化して喜んでいたのが懐かしいです。
店内BGMが運命の出会い
当時の限られた情報量の中で、最も大きな購入決定のトリガーとなり得るのは「試聴ができること」ですが、当然当時はそんなシステムも機器もなく、唯一のチャンスは店内で流されているBGMのみ。
「今かけているのはこのアルバムです」といった感じでレジの前で紹介されていたりします。
そして、本作も紛れもなく、たまたま店を訪れたその時間に流され紹介されていたCDだったのです。
(もはや運命的な出会い?!)
「GOLD」はその後、手狭になったのか売上拡大を狙ったのかは知りませんが、少し駅側に場所を移して今度はビルの1階に店を構える体制になりました。
その頃から、ヘヴィメタルシーン自体も次第にスラッシュ、グランジ、オルタナティブ?に染まりつつあり、店の品揃えもその流れに合わせざるを得なくなったようで、私の足も自然に遠のいていってしまったのでした…。
メンバー
- ヴォーカル: Johnny Lindsey
- ギター : Mark Durgett
- ベース : Chris Randall
- ドラム : Anthony D’Amelio
- キーボード: Scott Madsen
Sweet Sixteen 楽曲レビュー
曲調からして てっきり北欧系のバンドかと思いきや、アメリカのバンドでビックらこきました。
とにかく、この叙情的なメロディセンスと歌のうまさ、そして輪をかけて盛り上げるハモリコーラスという、メロディアスハード愛好家にとってはたまらんチンな楽曲となっています。
アルバムジャケットデザインも、いかにもな雰囲気をプンプンさせているじゃあーりませんか。
これを店内で聴いてしまったら、他の候補を削ってでももう買うしかないでしょう。
アルバム収録の他の曲にも興味がある人は聴いてみる価値もあると思いますが、私は正直言って本曲と2曲目程度で元はとれたので大満足です。
その他の楽曲も当然平均点以上の上質なメロディアス・ハードロックが展開されていますので、未聴の方はこの機会に是非一度聴いてみて下さい。
AUTOGRAPH / Turn up the Radio
デビューアルバム「Sign in Please」収録のヒット曲
アメリカン・ハードロックバンド「AUTOGRAPH」の1984年リリースのデビューアルバム「Sign in Please」からシングルカットされたヒット曲「Turn up the Radio」。
因みに、バンド名の「AUTOGRAPH」はデフ・レパードのヒット曲「PHOTOGRAPH」に由来していると言われており、そのプレイスタイルや音楽性からも頷けます。
とにかく、これぞアメリカン・ハードロックという超カラッカラの湿り気の一切ない楽曲群は、軽快な動作が求められるような場面で流しておく作業用BGMに最高ですね。
実際、今回おすすめする楽曲も、当時ラジオなどで盛んにオンエアされる機会が多く気が付けば流れているといった感じ。
意図せずとも耳に入ってくる状態で、ハードロックファンのすそ野を広げることにも大きく貢献したのではと思います。
しかし、逆にその脳天気なほどの軽さと、灰汁は強いが表現力に欠ける一本調子のヴォーカルにより、アルバムを聴き進むにつれてどれも似たような楽曲に聴こえてしまい、飽きが生じてしまうのも正直なところです。
どれもキャッチーで良い曲が揃っているんだけど、ん?、どっかで聴いたことあるな?的なパックンちょ疑惑も出てきたりして…。
クセの強いヴォーカル「STEVE PLUNKETT」
ヴォーカルのスティーブ・ブランケットの歌唱は、デフ・レパードのジョー・エリオットに声質や歌い回しが似ている感じ。
ジョー・エリオットをもう少しダミ声にしたような感じでしょうか。
結構、好き嫌いがはっきりと分かれてしまうかも知れませんね。
私も、初めて聴いた当初はどうしても声がひっくり返って大げさに聴こえる歌唱に、チョッとアレルギー反応を起こしてしまいましたが、すぐに慣れて違和感は無くなりました。
IRON MAIDENのブルース・ディッキンソンの時もそうでしたけど、第一印象で「うげっ!」っとなったヴォーカリストって、慣れてきて最終的には大好きになってはまっちゃう事が多い私です。
細かいことは気にせず直感的に楽しみたいヒット曲
当時はそれ程気にもならなかった楽曲のデティールですが、いざこうして年月を経て聴き直してみると結構厳しい出来映えだったのだなと驚いてしまいます。
サウンドメイクは、キーボードがいる割には奥行きがほとんど感じられない「薄く」て「チープ」な感じ。
特に個人的にはドラムの音は最悪と言わざるを得ない許せないレベル。
当時、ヘアヘアメタル・バンドをあまり好んでは聴いていなかったせいもあり、こんなもんだと言われれば素直に従うしかありませんが…。
ギターのスティーヴ・リンチあたりはかなりのテクニシャンと思いますが、曲調に合わせて(弾きまくりたいのを我慢して)忍耐のプレイに終始している感じですね。
それでも時折、タッピングやスイッチ奏法など色々な奏法を駆使しながらのそれなりのプレイを楽しませてくれます。
ビデオクリップにも相当にお金がかけられていて、このバンドとこの曲を売り込もうという制作側の姿勢、意気込みがプンプン感じられました。
「AUTOGRAPH」はこうしたチャンスをしっかりとモノにして、この一曲で一躍ヘアメタル・シーンでの名声を得ることになります。
AUTOGRAPH = セクシーロボット
AUTOGRAPHを語る上で避けて通れないのが、アルバムジャケットのアートワーク。
1985年リリースの2枚目のアルバム「THAT’S THE STUFF」に登場した「セクシーロボット」はあまりにも有名ですね。
青ヴァージョンもあります。
モチーフとなっている「セクシーロボット」は日本人アーティストの「空山基」によるもの。
バンドのネームヴァリューの関係で、後発の2001年リリース Aerosmith(エアロスミス)の13枚目アルバム「Just Push Play」の方が一般的には認知度が高いのかも知れません。
しかし、アルバムジャケットへの採用はAUTOGRAPHの方が元祖です。
メンバー
- ヴォーカル: スティーヴ・ブランケット
- ギター : スティーヴ・リンチ
- ベース : ランディ・ランド
- ドラム : ケニー・リチャーズ
- キーボード: スティーヴン・イシャム
楽曲レビュー
アルバム全体の評価としては、ジャヶットデザイン、楽曲の内容も「近未来」の世界観を表現したいという意図を感じますが、いかんせんサウンドメイクが追い付いてなくチグハグな印象でした。
でも、そんな中で唯一、サウンドに奥行きが(多少)感じられる曲が本曲ですかね~。
(ドラムだけはやっぱり厳しいですが...)
曲はスローテンポにも近い独特のリズムで進行していきますが、不覚にも無意識に引き寄せられていく感覚になります。
覚えやすく連呼されるサビメロも良いですね~。
ギターソロはスローテンポをキープしたままにスライド奏法や得意と思われるタッピング奏法を織り交ぜながら無難に上手いことまとめている印象です。
しかしながら、ここでまた一つ苦言を呈したくなるポイントが!。
それは使用されているギターのデザイン…。
白のストラトに赤いビニールテープを貼ったような安直な稲妻デザイン。(黒の場合は黄色い稲妻)
まあ、ヘアメタル・バンドとしての路線を選んだ以上、全く似合っていないコスチュームや顔の化粧は時代背景として仕方がないとしても、ギターのデザインはもうちょっと他にあったでしょうよ的な「残念なセンス」ですね。
PROPHET / CAN’T HIDE LOVE
プログレ感もあるハードポップの名盤
アメリカンメロディアスハードのバンド「PROPHET」が1988年にリリースした2ndアルバム「CYCLE OF THE MOON」。
デビューアルバムではやや荒削りでオーソドックスなハードロックを展開していたPROPHETですが、2ndアルバムではより洗練されたポップで分かりやすい楽曲作りが目立っています。
とは言え、収録曲の中にはやや複雑なリズム展開によるプログレッシブな楽曲(インスト)もあり、その演奏テクニックはお墨付きで安定感抜群。
デビューアルバムの方向性を支持する派の方達にはそれらの楽曲で楽しめた方も多かったのではないでしょうか。
ヴォーカル交代が吉とでた叙情性のブラッシュアップ
2ndアルバムからはヴォーカルが変更となり、より楽曲の持つ叙情的な部分の表現力が増したように思います。
優しい透き通った声質でクリアで丁寧に歌い上げるヴォーカルスタイルは、楽曲の方向性にもマッチしており、しっとりと耳に馴染んできます。
十分に練り込まれた楽曲の完成度、演奏テクニック、サウンドメイキングといったアルバムとしての総合力が非常に高く、産業ロックうんぬんのいつもの議論を持ち出す必要のないクオリティを持ったバンドと言えるでしょう。
今回おすすめするのはアルバム2曲目に収録の、北欧的な叙情性をも醸し出す哀愁のハードポップナンバー。
ヘヴィメタル暗黒時代突入前の1988年というギリギリ滑り込みセーフのタイミングでのリリースという、運にも恵まれていた作品からのチョイス。
それでもセールス的にはあまりパッとせずに3枚のアルバムだけを残して短命に自然消滅していった何とも惜しいバンドの一つ。
音楽業界ってほんと難しいものですね。
メンバー
- ヴォーカル: ラッセル・アルカラ
- ギター : ケン・ダブマン
- ベース : スコット・メタクサス
- ドラムス : マイケル・ステルラッチ
- キーボード: ジョー・ザイコフスキ
楽曲レビュー
アメリカン・メロディアスハード愛好家にはたまらんチンの、哀愁溢れる切ないメロディライン。
澄み切った透明感と艶のある耳障りの良い声質で、情感豊かに歌い上げるヴォーカル。
重量感こそ感じないものの、安定感抜群で軸のブレない演奏テクニック。
どれもがプチ贅沢なレベル、心を豊かにしてくれる自分へのご褒美にしたいような感覚を味わえる楽曲です。
有名どころに例えろと言われれば、フォリナーをLED電球に交換して滅茶苦茶明るくして、透明感も持たせた感じとでも言いましょうか。
楽曲作りにおいても、印象的なフレーズを軸とした組み立て方はフォリナーの手法と相通ずるところがあるかと思います。
イントロから終始一貫して基本のメロディフレーズを繰り返し、ソロ部分においても挿入されてくる徹底ぶり。
否が応でも頭にこびりついて脳の記憶から離れなくなります。
そして、地味ながらドラム&ベースのリズム隊もその仕事ぶりは堅実。
ビンビンに渋くグルーブ感をかましてくれています。
いやー、聴けば聴くほど旨味が出てくる、良いバンドです。
JOURNEY / Separate Ways (Worlds Apart)
マイケル・ジャクソン「スリラー」に阻まれたNo.1セールス
本曲は1983年リリースのJOURNEY8枚目のアルバム「Frontiers」のオープニングに収録の、バンドを代表する楽曲ですね。
JOURNEYは既にこの前作の7枚目アルバム「Escape」で全米チャートを制覇。
2作続けての快挙なるかと思われましたが、タイミングが悪く発売当時はマイケル・ジャクソンの「スリラー」が№1に鎮座していたため、結局2位止まりとなりました。
(それでも十分に凄いことですが)
↓↓↓マイケル・ジャクソン「スリラー」については下記の記事をご参照下さい↓↓↓
前作の「Escape」に収録の、ジャーニー最大のヒット曲「Don’t Stop Believin’」もそうですが、いずれもアルバムのオープニングに惜しげもなく収録されていますね。
先手必勝、オープニングで勝負ありって感じです。
メンバー
- ヴォーカル: Steve Perry
- ギター : Neal Schon
- ベース : Ross Valory
- ドラムス : Steve Smith
- キーボード: Jonathan Cain
楽曲レビュー
私は、JOURNEY、TOTO、ASIA、BOSTONなどのビッグバンドをまとめて「テクニカル産業ロック」などと勝手にカテゴライズをしておりますが、その中でJOURNEYだけは何故か「食わず嫌い(嫌いではないのだけど)」状態で、あまり真剣に聴き込んできませんでした。
コピーバンド活動をしていた頃のライバルバンドが主にJOURNEYの楽曲を演奏していたのが大きな理由ですが、今思えば何ともケツの穴の小さい奴だったなと反省~後悔しています。
それでも、当時はJOURNEYのヒット曲は能動的に聴かずとも自然に耳に入ってくる環境下。
心の底では純粋に良い曲だなぁと思っていましたし、ふとした時に無意識に口ずさんでいたりしました。
一度聴いたら忘れたくても忘れることはできないイントロのキーボード。
シンプルにザクザク切り込んでくるギターリフと効果的なハーモニクス音。
相撲に例えるならば(いや、例えなくても良いのですが…)完全に立ち合いで勝負ありと言った感じ。
鋭い差し手で一瞬にして得意の四つで両まわしをとられ、強力な引きつけで腰を浮かされた状態です。
あとは成す術もなく土俵際まで持っていかれる電車道相撲で完敗ですね。
ニール・ショーンのギターは派手さはありませんが、何よりも印象に残るフレーズと小技を効かしたプレイなど、じっくり聴き込むと結構良かったりします。
折角なのでお気に入りのコピーバンドの動画も貼っておきましょう。
そして、ジャーニーと言えばやはりヴォーカルのスティーヴ・ペリー。
この人だけは別格、ロック界至宝のヴォーカリストと言っても過言ではないでしょう。
一聴してスティーヴ・ペリーと判る唯一無二のハスキーヴォイス、歌唱力と表現力は抜群で申し分なしです。
STEELER / NO WAY OUT
イングヴェイ在籍で知られるLAバンド STEELER デビュー作
折しも2024年5月にデビュー40周年を記念する来日公演が決定した Yngwie Malmsteen 。
「40th Anniversary Japan Tour 2024』として、ゴールデンウィーク明けの5月に東京・名古屋・大阪の3か所で行われますね。
単独での来日公演は2015年2月以来の9年ぶりです。
Yngwie Malmsteen と言えば、グラハム・ボネットに見出されてALCATRAZZのメンバーとしてシーンの表舞台に華々しく登場しましたが、その前に在籍していたのが LAメタルバンドの STEELER。
1983年にリリースとなった本デビュー作でも「楽譜真っ黒」状態の速弾きプレイを垣間見せており、LAメタルのキャッチーな楽曲の強烈なインパクトとなっていますね。
後に名を馳せる役者が揃った優良バンド STEELER
STEELER はヴォーカルのロン・キールを中心に1980年代初めに結成。
その後間もなくしてメンバーの脱退が相次ぎ、本作デビューアルバム制作時のメンバー構成は、
・ヴォーカル:ロン・キール
・ギター :イングヴェイ・マルムスティーン
・ベース :リック・フォックス
・ドラムス :マーク・エドワーズ
いずれも後にHR/HMシーンに名を轟かせるバンドで活躍することになる役者が揃っています。
おすすめ楽曲
イングヴェイ・マルムスティーンのバンドとしてチョイスするならば4曲目の「HOT ON YOUR HEELS」一択なのでしょうが、これは完全にインストのギターソロ曲と通常曲とをボンドで無理やりくっつけてますので反則とみなします。
まあ、クラシカルな速弾きフレーズは他のイングヴェイのアルバムでお腹一杯聴けますからね。
今回この記事では3曲目の「NO WAY OUT」を強力に推します。
私がイングヴェイのギターで最も琴線を揺さぶられるのがこの手の哀愁メロディアス楽曲です。
サビメロが単調なのでロン・キールは大分苦労している感じで可哀想ですが、イングヴェイのギターはかなりキテますねぇ~。
もっとクリアな録音状態でこのギタートーンを聴きたかったと悶絶してしまいそうです。
LOVERBOY | GET LUCKY
マイク・レノのヴォーカルに痺れた超ヘビロテアルバム
1979年にカナダで結成された LOVERBOY。
私にとっては非常にダサい言い方ですがまさに「青春時代」の超大好きバンドです。
まだケツの青い小僧でしかなかった頃に出会ったこのレコード。
レンタルレコード店で借りてカセットテープにダビングし、いったい何度再生したことか…。
キャッチーで爽快な元気の出る楽曲。
適度にハードでアグレッシブな演奏陣。
恐らくキーボードによるものと思われる、どこか不思議な哀愁を帯びたメロディ展開。
そしてとにかくエモーショナルなマイク・レノのヴォーカル。
あらゆる要素において琴線を揺さぶられ堪らなく痺れましたぁ~。
個人的にLOVERBOYの最高傑作は、本作の前年にリリースされたデビューアルバム「LOVERBOY」と位置付けています。
是非機会をみてこのブログでもレビューしたいと思っています。
そんなデビューアルバムの翌年1981年にリリースされ、セールス的に大成功を収めたのが本作「GET LUCKY」。
インパクト抜群のジャケットデザインはもとより、マーケットを意識した楽曲作りで見事に成功を掴みその名をシーンに知らしめました。
「何だよこんなのポップスじゃねーかよ」
「でたでた産業(商業)ロック」
などといくらHR/HMファン(メタラー)の方々に酷評されようと、好きなものは好き。
どれだけコキ下ろされても気にしないのです。(被害妄想が過ぎる…)
メンバー
- ヴォーカル :マイク・レノ
- ギター :ポール・ディーン
- ベース :スコット・スミス
- ドラムス :マット・フレネット
- キーボード :ダグ・ジョンソン
おすすめ楽曲
Working for the Weekend
アルバムオープニング曲にしてバンド史上最高のヒット曲。
小気味良いトットコ、トットコリズムと歯切れの良いギターサウンド、仕事人ダグ・ジョンソンのキーボードが冴えわたるハードポップの名曲ですね。
週末休みのために頑張っている全ての人への応援ソングは、万人受けする共感度抜群で売れて当然ですね。
おっと、「主婦には週末休みはないのよ(怒)!」とキレられそうなので、かみさんにはうかつに聴かせられません…。
そして本作にはこれ以外にもヒットチューンが満載ですので、主だったものだけでもあげておきましょう。
JUMP
後にVAN HALENによる「JUMP」が出て来るまで私の中では「JUMP」と言えばこの曲でした。
ベースがビンビン効いていてかっちょ良い、いかにもアメリカナイズされたロックンロール楽曲ですね。
LUCKY ONES
実はヒットチューンの「Working for the Weekend」よりも個人的にはこちらの楽曲が好きだったりする私です。
爽快・軽快な元気印のチューンも勿論良いのですが、私がLOVERBOYに最も惹かれる要素はちょっと憂いのある哀愁メロディ。
デビュー作には多かった哀愁を感じる楽曲の路線を本作で最も踏襲しているのがこの曲ではと思います。
ギターソロも渋くキメてますよね~。
KEEL | KEEL
アルバム概要
1987年リリースの KEEL 4枚目(日本では3枚目)アルバム「KEEL」。
1983年にヴォーカルのロン・キールを中心に結成された LAメタルの代表格バンド「KEEL」。
「RATT」「DOKKEN」「Mötley Crüe」と並び、LAメタル四天王と称されましたね。
ややクセの強いロン・キールのヴォーカルと地味ながらツボを押さえたツインリードのギターを中心に、80年代ならではのお約束通りの楽曲とライブパフォーマンスを展開してました。
四天王の中ではマーケットでの成功スケールは小さかったものの、初期作における教科書通りの無骨な楽曲作りを支持するコアなファンが多かった印象です。
とりわけ本作は、プロデューサーが前作のジーン・シモンズからマイケル・ワグナーへ変更。
ワイルド感は一歩後退したものの各楽曲の完成度は格段に進歩しており、バンド最高傑作と評するファンも多いようです。
マイケル・ワグナーについての特集記事はこちらからどうぞ
ハードロック名盤職人【マイケル・ワグナー誕生日(4/25)】に聴きたい厳選15曲
おすすめの1曲
UNITED NATIONS
名実ともに KEEL のアンセム楽曲とも言えるバンド代表曲。
厚みのあるサビのコーラスが印象的で、思わず拳を握りながら一緒に熱唱したくなります。
実際に国連本部を占拠してのPVはあまりにも有名。
ROCK の下に一致団結して未来を切り開こうと呼びかける歌詞は、チャラ男イメージのLAメタルとは相反して新鮮でした。
LEE AARON | METAL QUEEN
アルバム概要
1984年リリースの LEE AARON 2枚目アルバム「METAL QUEEN」。
HR/HM シーンにおける群雄割拠の大戦国時代の真っ最中に、アルバムタイトル”METAL QUEEN” とは随分大仰に構えたものです。
それもその筈、LEE AARON 嬢はメロハーファンの聖地とも崇められている泣く子も黙るカナダ産女子。
地政学上でも上質なHR/HM を生み出す肥沃な環境に育ったお墨付きアーティストなのですね。
安心と信頼のカナダ産DNAの持ち主が紡ぐパワフル&妖艶な歌唱は、その美しい容姿と共に当時のHR/HM 野郎達のハートを射抜いたのでした。
デビュー作では TRIUMPH をはじめとするカナダ連合軍が強力に後ろ盾。
LEE AARON 嬢を売り出すのにワッショイ、ワッショイのお神輿状態(=ある意味「浜田麻里」状態)でしたので、本作でいよいよ彼女の真価が問われる形。
そんな決意、気合いの表れとも思えるタイトルと勇ましいお姿のジャケットとは裏腹に、収録曲はミドル~スローテンポの楽曲が多く適度にキャッチーで非常に落ち着いた印象です。
そして、元来日本人の嗜好、心の琴線との親和性の高いカナダ産メロディが、適度な湿気と郷愁感もある LEE AARON 嬢の歌唱を十二分に活かしています。
当時ピチピチの22歳にして既に海千山千のスナックのママ並みに酒焼けしたようなハスキー&ハイトーンヴォイスの歌唱…。
恐るべしポテンシャルを感じさせる”METAL QUEEN”だったのでした。
おすすめの1曲
METAL QUEEN
80年代そのまんま、時代を感じさせるMVですね~。
シンプルに刻まれるリフ、サビメロに向って一歩一歩階段を上っていくヴォーカルメロディに思わず期待が膨らみます。
まさに HR/HM を歌うために生まれてきた宿命のようなものを感じてしまうLEE AARON 嬢の声質は、あまりにセクシー。
当時耳にしたHR/HM 野郎(小僧)たちはイチコロでした。
他にも、後にデビューする VIXEN につながるようなPOPキャッチーな曲、バラードなど多彩な楽曲が収録されていますので是非お楽しみください。
最期にお伝えしたいこと
このブログでは、楽曲を聴きながらレビューを楽しんで頂くために主に音楽サブスク配信サービスの音源を貼り付けています。
当初は何も考えず「Spotify」を貼っていましたが、途中から極力「Apple Music」に変更しました。
その理由は、「Apple Music」は再生された時にアーティスト側に支払われる報酬が他の音楽サブスクサービスに比べて圧倒的に高いので、アーティストへの応援につながるからです!。
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下記のリンク記事で詳しい内容をご紹介していますので、是非見てやってください。
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