OZZY OSBOURNE / THE ULTIMATE SIN(罪と罰)賛否両論ねじ伏せた圧倒的名盤

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OZZY / THE ULTIMATE SIN どんなアルバム?

ジェイク・E・リーがOZZY OSBOURNEで残した貴重な2作目

1986年リリースのオジー・オズボーン4枚目のアルバム。
1982年にランディ・ローズという若き才能を失った悲しみ、バンドにとってのこれ以上無い損失を乗り越えて、オジー・オズボーンは日系ルーツをもつギタリスト「ジェイク・E・リー」と共に1983年に前作「BARK AT THE MOON」で見事な復活を果たしました。
ランディ・ローズの後釜という巨大なプレッシャーをもはねのけて魅せたジェイク・E・リーのギタープレイは、当時全盛期ともいえるヘヴィメタルシーンに衝撃的なインパクトを与えるものでした。
悲哀の情と共に神格化しつつあった「ランディ・ローズ時代」から新たなギターヒーロー「ジェイク・E・リー時代」の始まりをシーンは認めざるを得なかったでしょう。
テクニック的にも説得力抜群のギタープレイ、ライブにおいては圧巻のパフォーマンスで絶対的な存在感を堂々と証明して魅せたと言えます。

そして、全てのファンが固唾を飲んで待ち望んだ「ジェイク・E・リー時代」の2枚目のアルバムが本作。
THE ULTIMATE SIN(邦題:罪と罰)

アルバムの内容、楽曲うんぬんを語る前にやはり「ジェイク・E・リー」の格好良さにどうしても触れておきたいところです。
当時のギター小僧にとって、アーム無しの白いストラト、ひざ上に神風の日の丸を巻き、左手首にグローブをはめ、オジーに髪の毛を引っぱられて引きずり倒されながらもアルバム音源を忠実にライブ再現して魅せるジェイクのパフォーマンスは、まさに異次元の格好良さ!。
本当に「華」があって完全に目がハート状態でしたね。

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OZZYの「気に入らないアルバム」公言で賛否両論が噴出

本作のプロデューサーは、当時「HEART」などを手掛けていたヒットメイカーのロン・ネヴィソン。
前作のマックス・ノーマンから更に「売れる」作品作りに定評のあるサウンド・プロダクションとなり、この事が後々物議を醸すことにもなりました。
また、前作との比較でリズム隊のメンバーチェンジも特筆すべき点で、ベースが「ポコポコ」ボブ・ディズリーからフィル・スーザンへ、ドラムはトミー・アルドリッチからランディ・カスティロに変わっています。
ベテランのキャリアと実力から、フレッシュな若さと勢い、ヴィジュアル的にもアメリカ市場を見据えた戦略めいたものを感じました。
以上、いずれの変化要素をとってみてもサウンド、楽曲方向性は「より洗練された」「乱暴に言ってしまえば軽め」になっているフィーリングは否定できないところでしょうか。
それでも、恐らく全盛期と言えるオジーの太く伸びやかな独特のヴォーカルと、ジェイクの前作よりも更に存在感が増したギターワークが両輪となり、当時のHR/HMシーンを席捲するに十分なクオリティとエネルギーを供えた作品に仕上がっています。

キャッチーで親しみやすいサウンド、メロディで狙い通りに全米6位というセールスを記録しつつ、しっかりと「ランディ・ローズ時代」の世界観も踏襲した黒魔術的な気だるさも表現されているなど、アルバム全編を通じて存分に聴き応えがありますね。
しかしながら、制作過程におけるオジーとプロデューサーのロン・ネヴィソンとの確執は相当のものがあったようで、後のオジーによる「全然気に入ってないアルバム」公言が世に広まり、本作に対する賛否両論の議論が再燃することに。
そしてこの手の議論ではつきものの勝手な「尾ひれ」として、やがてはジェイクのギターサウンドとプレイスタイルまでがその賛否に巻き込まれていった印象で残念です…。

「罪と罰」はロシア文豪によるヒューマニズム小説

ところで本作のタイトル「罪と罰」についても折角の機会なので軽く触れておきましょう。
「罪と罰」はロシアの作家ヒョードル・ドストエフスキーによって1866年に書かれたある意味哲学的なテーマをとらえた物語小説ですね。
(ヒョードルと聞くと格闘技スイッチが入りそうになりますが、ここはグッと堪えます…)
哲学的といっても小難しいことはなく、主人公の大学生が抱く理想と厳しい現実との乖離によって醸成されていく「独自の犯罪理論(広義な善行のためには狭義な犯罪が正当化される)」が、矛盾・崩壊の苦悩の過程を経ながら、最後には人間的回復の意志を取り戻していくというヒューマニズムを描いた小説です。

十兆単位の世界一の資産を持つと言われているプーチン体制下の現代においても、尋常でない貧富の格差が取沙汰されるロシアですが、当時からその格差社会の構図はあまり変わっていないのでしょうか。
哲学的なヒューマニズムの側面から描けば何やら良い物語みたいな感じになってますが、犯罪心理学的に真正面から捉えれば、犯人がよく口にする自暴自棄なコメント「むしゃくしゃしていた」「誰でもよかった」「社会から取り残された感があった」などと何ら変わりありませんね。
被害者とその関係者にとっては、たまったもんじゃないです…。
哲学うんぬんの前にもっと道徳学ぼうよって感じがしてしまいます…。

バンドメンバー・収録曲

バンドメンバー

  • ヴォーカル:オジー・オズボーン
  • ギター  :ジェイク・E・リー
  • ベース  :フィル・スーザン
  • ドラムス :ランディ・カスティロ
  • キーボード:マイク・モラン

収録曲

  1.  The Ultimate Sin  3:44
  2.  Secret Loser  4:09
  3.  Never Know Why  4:28
  4.  Thank God for the Bomb  3:54
  5.  Never  4:20
  6.  Lightning Strikes  5:14
  7.  Killer of Giants  5:42
  8.  Fool Like You  5:20
  9.  Shot in the Dark  4:28

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The Ultimate Sin

前作「BARK AT THE MOON」のオープニングでは、多くのリスナーが度肝を抜かれ小便をチビリそうになりました。
その記憶が脳に鮮明に刻まれてしまっているため、本作に針を落とす瞬間のあの胸の高鳴りは忘れられません。
とと、おっとっと、太鼓から入ってきましたかー、そしてミディアムテンポの落ち着いたギターリフ。
これには意表をつかれましたねー。
さすがにタイトル曲だけあってスケールの大きな楽曲で本作はスタートとなりました。
スピードチューンで幕開けという期待は裏切られてしまった形でしたが、合間のおかずやギターソロでは、もやは「ジェイク節」とも言える独特のフレーズがこれでもかと炸裂。
ジェイクの新たなプレイ音源に再会できた幸福感を全身でじっくりと味わえました。
個人的には1曲目と2曲目の順番を入れ替えて正攻法で攻めても良かったのではと思ってしまいますが…。

Secret Loser

ここでもってきました。
疾走感あふれるハイインパクトな疾走チューンです。
後の「気に入ってない」発言を聞いているからなおさらなのか、キャッチーなスピードチューンにも関わらずオジーの歌声はどことなくいつもの楽し気なものではなく、ちょっとやる気レスに聴こえてしまうのは気のせいでしょうか。
対称的にイントロのリフからぶちかましてくれるジェイクのギタープレイは、水を得た魚のように自由奔放に暴れまくっていますね。
十八番のハーモニクス音がまるでツボをピンポイントで突き刺す鍼灸の針のように、琴線を刺激してきます。

Fool Like You

どうにもハーモニクスの刺激にやられてしまう自分がいます。
これまたハーモニクス音を効果的に活用したリフが心地よ過ぎるキャッチーな楽曲ですね。
一度聴いたら脳裏から離れません。
やはりジェイクのギタープレイはフェイクとか何だとか言われようが、本当に創意工夫されたアイデアを駆使した見ていて聴いていて面白いとうのが魅力の一つではないでしょうか。
そしてライブでも涼しい顔でそれを再現してしまうパフォーマンスがとにかく格好良いですね。

Shot in the Dark

邦題:「暗闇にドッキリ」であまりにも有名になってしまったシングルカット曲。
作曲はベースで新たに加入したフィル・スーザンのようです。
本曲でもジェイクはフェイク満載のプレイを聴かせていますが、あくまでも隠し味付け程度なので嫌味にはなりませんね。
ポップ、ポップと揶揄されまくる楽曲ですが、あくまで時代の流れ、好まれるサウンドの変化に対応した結果、楽曲の全体感としてそう感じるのであって、個人的にはサウンドが少し軽めかなといった程度の印象。
過去のランディ・ローズ時代にもこの手のキャッチーなメロディの楽曲はたくさんあったと思います。

まとめ

確かに、コウモリやニワトリの頭を食いちぎってきた過去の奇行からイメージすれば、ポップ化したことは間違いありません。
しかしながら、奇行や悪魔的な色物としての要素で装った世界観はいずれは飽きや限界がくるでしょうし、バンドとしての存在意義を広く世に知らしめるには本作の方向性(ポップ化)は間違ってはいなかったと思います。

一方で「OZZY OSBOURNE」はあくまでもOZZY個人のソロ活動であり、全ての意思決定がOZZY個人に委ねられて然るべきという考え方もできますね。
アルバム制作というビジネスパートナーとして組むことになったロン・ネヴィソンは、OZZY個人のキャラクターには必要以上に依存しない「バンドとしての成長と成功」を重要視しOZZYの説得にあたったことが想像できます。
(想像するだけでも大変だったでしょうね…この人を説得するのは…)

そうした意味では、先ほど「水を得た魚のようにプレイしているジェイク」と記しましたが、果たして本当にそうだったのか?という疑問が頭をよぎります。
というのも、本作を最後にバンドを脱退し新たに自信のバンド「BADLANDS」を結成したジェイクでしたが、そのギタープレイや音楽性は正直言って同一人物かと思う程に変わってしまったからです。
もしや、ジェイクも本当はもっと違う感じでプレイしたかったのでは?。

まあ、過ぎたことを今さらああだこうだ言っても無駄ですね。
ジェイク参加の2作目も「滅茶苦茶かっちょ良くて」、「キャッチーで」、「随所にジェイクのアーティスティックな才能が散りばめられた」、「楽曲の良さが光る」、「圧倒的なクオリティで賛否両論の外野の批評をねじ伏せた」名盤ということでよろしいかと。

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