この記事では2024年にリリースされた主にHR/HMアルバムの中から、おすすめの作品を選んで紹介しています。
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- METALITE | EXPEDITION ONE
- Bernie Marsden | Working Man
- REMEDY | SOMETHING THAT YOUR EYES WON’T SEE
- LIONHEART | THE GRACE OF A DRAGONFLY
- JUDAS PRIEST | Invincible Shield
- EAST OF EDEN | Forbidden Fruit -2nd piece-
- Ace Frehley | 10,000 VOLTS
- REMEDY | PLEASURE BEATS THE PAIN
- DREAM EVIL | METAL GODS
- ATLANTIC | ANOTHER WORLD
- 過去のおすすめ記事はこちらから
- 最期にお伝えしたいこと
METALITE | EXPEDITION ONE
アルバム概要
2024年1月17日リリースの METALITE 4枚目のニューアルバム「EXPEDITION ONE」。
2015年にスウェーデンで結成されたメロディックメタルバンド METALITE は、エリカ・オールソン(ヴォーカル)とリア・ラーソン(ドラムス)の2人の女性メンガーが特徴。
結成当時の初代ヴォーカルだったエマ・ベンシングは、どちらかと言えばポップス寄りな明るく健康的なヴォーカルスタイルだったのに対して、現在のエリカ・オールソンはよりワイルドに、ヘヴィメタルのヴォーカル感が増した印象。
高身長で存在感も抜群なのでバンドにとってはよりスケールアップが図れる良いメンバー交代だったと言えますね。
本作はスタジオ・アルバムとしては2021年リリースの3枚目「A VIRTUAL WORLD」以来の約3年振りとなりますが、内容はジャケット・デザインに表現されている通り安定の「近未来の仮想世界」。
2055年の滅びゆく地球から他の惑星に人類を移動させ、生き残りをかけて新たな生命の誕生を目指すという設定のようですが…。
2055年って結構すぐよ、大丈夫って感じがしないでもないですが…。
まあ、それだけ環境破壊やらパンデミックやらで地球や人類にとっては待ったなしの状況にあり、人間の行動を変えていく必要がありますよというメッセージも込められているのでしょう…。
楽曲はどれもがシンセサイザーによるSE音とテクニカルな演奏陣により演出される世界観の中を、パワフルにヴォーカルがメロディを歌い上げていくというスタイルで心地よい没入感が味わえます。
ソロではこの手の音楽性には不可欠なタッピングを多用しながら奮闘するギタープレイも聴きどころです。
おすすめの1曲
BLAZING SKIES
先行してMVも公開されたパワフル楽曲。
このバンドのMVに総じて言えますが、場面切り替えが早過ぎるので印象に残り難いのと中盤からワンパターン化して見るのに飽きてきちゃって勿体ないな~と感じます。
いやぁ~、動体視力の衰えてきた老眼にはきついのですよ~すぐに目が疲れちゃいます…。
各シーンをもう少し長い時間(と言っても数秒の話ですが…)じっくり見せてくれると良いんですけどね~。
Bernie Marsden | Working Man
アルバム概要
おすすめの1曲
Being Famous
アルバムのオープニングに収録。
本作の初回盤は2枚組構成となっていて、新たに書き下ろされた新曲12曲を収録したものにプラスして10曲の新たな音源(過去曲のリメイクを含む)を収録したボーナス盤が付いています。
REMEDY | SOMETHING THAT YOUR EYES WON’T SEE
アルバム概要
おすすめの1曲
Marilyn
アルバム3曲目に収録の哀愁ハードチューン。
イントロのキーボードで思わず BON JOVI との出会いを想起した往年のファンも多いことでしょう。
青臭く青春していた「あの頃」がついこの間のように感じる程に、「良い曲」に対する感受性や物差しはいつまでたっても変わることがありません。
相変わらずこの手の「クサい」曲に反応してしまう自分がいます。
本作を聴き進めていくほどに、80~90年代当時に聴きまくっていたバンドが次々に想起されてくるのが面白いところ。
LIONHEART | THE GRACE OF A DRAGONFLY
アルバム概要
過去作と同様に本作「THE GRACE OF A DRAGONFLY」でも、トラディショナルなギタープレイを軸とした解りやすく親しみやすいAOR調ハードロック曲を量産してくれています。
折りしも近年のウクライナやイスラエル等における紛争の最中にリリースとなった本作のテーマは「反戦」。
第2次世界大戦をテーマに「自由のために戦った人々への追悼の念」を、リー・スモールがエモーショナル&ドラマティックに熱唱。
デニス・ストラットンはメタリックなギタープレイで表現しています。
おすすめの1曲
Little Ships
こ、このイントロはぁあああああ!。
っと、冒頭の僅か1.5秒くらいでピクっとなってしまった方々、PRAYING MANTIS 仲間ですね…。
(固い握手からのハグ)
一撃必殺とはまさにこのこと。
流石にPRAYING MANTISほどの「これでもかの泣きフレーズ」ではありませんが、このギタートーン、メロディ、いやぁ~たまりません…。
ということで、アルバムからのシングルカット曲とは別の曲を今回はチョイス。
往年のPRAYING MANTIS節の中でも大好きな楽曲「Only the Children Cry」を彷彿とさせる楽曲だと思います。
JUDAS PRIEST | Invincible Shield
アルバム概要
おすすめの1曲
Gates of Hell
「○○を思わせるような」楽曲シリーズの筆頭格。
まさに脂の乗り切った JUDAS PRIEST の絶頂期を思い出させる本作屈指のお気に入り楽曲です。
この曲の凄さ、そして希少価値はそのキャッチーなコマーシャル性のみならず、やはりギターソロ。
JUDAS PRIEST ではなかなか聴くことのできないフロントピックアップのトーンでの流れるようなソロフレーズは悶絶級ですね。
それにしても「余計なことは一切しない寡黙な男」イアン・ヒルのベースラインは、この手の曲では特にボディブローのように効いてきます…。
さすがです…。
EAST OF EDEN | Forbidden Fruit -2nd piece-
アルバム概要
ついに出ました!
待ちに待った「EAST OF EDEN」の2ndミニアルバム「Forbidden Fruit -2nd piece-」。
本日2024年7月24日に無事にリリースされましたね。
②Chasing the Moon
③Eden
④鈍色のラビリンス
⑤CROSS∞ROADS
- ヴォーカル:湊あかね
- バイオリン:Ayasa
- ギター :Yuki
- ベース :わかざえもん
- ドラムス :MIZUKI
おすすめの一曲
CROSS∞ROADS
Ace Frehley | 10,000 VOLTS
アルバム概要
本名はポール・ダニエル・フレーリー(Paul Daniel Frehley)、1951年4月27日生まれの御年73歳ですがまだまだ元気ですね。
KISS時代の初期アルバムでのギタープレイが耳にこびりついて離れないリアルタイムリスナーとしては、Ace Frehley や Frehley’s Comet としてのソロ作品には正直今一つピンとこない感じでした。
ソロ作の中では、個人的には1978年リリースの各メンバーによるソロアルバムがこれまでは最も出来が良かったのではと思っています。
そんな中でかれこれオリジナルソロ6枚目となった本作は「結構良いんじゃないのぉ~?」って感じ…。
タイトルからして良いですよね「10,000 VOLTS」。
基本的に文系で理工系はからきし苦手なので10,000 VOLTS ってどうなのよ?と微妙な数字ですが…。
ピカチュウは 100,000 VOLT、一方で北欧メロディアス勢のお気に入りバンドでは 220 VOLTなんてのもあるし…。
少しググってみると、普通の静電気で3,000~4,000 VOLT、スタンガンでは1,000,000 VOLTくらいのものもあるそうで…。
220 VOLTは欧州の家庭用電源の規格らしく日本で言うところの100 VOLTみたいです。
危険度で言うと、5 VOLTのスマホの充電器でも感電すれば死亡事故につながることもあるそうで…。
ということで「VOLT」そのものでは電気的な危険度、強さは分からないみたいですね…。
まぁ、どうでもいいのですが…。
肝心の中身楽曲は相変わらずと言えばそれまでですが、基本的には一本調子でフックとは無縁のストレートな Frehley’s Rock が楽しめる作品です。
6曲目「Fightin’ for Life」のような元気の出るハードな曲からソフトバラード的な楽曲も数曲あり。
一聴してそれとわかるAce 独特の滑舌の悪いヴォーカルが強粘着のガムテープのように耳にこびりついてきます。
そしてただでさえ滑舌の悪いヴォーカルなのに、ドラムがそれを更に増長してタメを効かせるものだから、もうドロドロの溜まり醤油状態になってますね。
ギタリストとしてのプレイにも最早進化や工夫も一切なく、KISSデビュー当時より頑なに貫き通しているヘタウマプレイで魅了されます。
弾かない美学とでも言いましょうか…。(多分弾けないんでしょうけど…)
ラストに収録のギターインスト曲でも、ワンパターンの必殺手癖フレーズが炸裂してますね!。
おすすめの1曲
10,000 Volts
さすがにギターのトーンは今風で切れ味があって良いですね~。
ドラムもタイトな感じでキマっています。
前述した通り、個人的にはAceのアルバムには多くを求めてはいけないと悟っていますので、イントロのリフや親しみやすいサビメロのみが楽曲の良し悪しを決める要素。
オープニングを飾るあまりにもストレートで無骨なこのタイトル楽曲で、早くも好き嫌いが決まってしまいそうですね。
ギターソロのフレーズには、相変わらず往年のKISS楽曲でかましていた「手癖フレーズ」が早くも登場するなど、ファンの期待に十分に応えてくれていてさすがAceとしか言いようがありません(笑)。
REMEDY | PLEASURE BEATS THE PAIN
アルバム概要
まさに時は金なり、光陰矢の如し。
いつもかみさんに「もさーっとしてないで!」と叱られる「超マイペース」「テキトー」男としては、お尻をぺシペシ叩かれているかのような気分です。
何のこっちゃ?と言いますと。
当記事の前半でデビュー作「SOMETHING THAT YOUR EYES WON’T SEE」をレビューさせて頂いた「REMEDY」の2ndがもう出ちゃったんですよね…。
2024年5月24日リリースのREMEDYの2枚目アルバム「PLEASURE BEATS THE PAIN」。
ぎょえぇぇぇぇ!そんなことあるぅ?って位にレビュー者泣かせの超ハイペースぶり。
そうかい、そっちがその気ならこっちとしても考えが…。
「バンド「REMEDY」については前半のレビューをご参照下さい」で手抜きしてやる!。
ってなわけでして、大日本メロハー愛好会としても激推しバンド「REMEDY」の早すぎる2ndアルバムリリースという願っても無い嬉しい知らせ。
デビュー作に続き、本作でも「極上メロハー作品請負人」のエリック・モーテンソン(ECLIPSE)がミキシングとマスタリングを手掛けています。
もはや聴くまでも無い位に音楽性はお墨付き。
(いやいや、聴かないでどうする…)
本作も爽快極まりないメロディアス・ハードロックが凝縮された後世に聴き継がれる名盤です。
個人的にはちょっとジャケットデザインが頂けないかな…という思いはありますが…。
ちょっと勿体ないですね。
おすすめ楽曲
MOON HAS THE NIGHT
いやぁ~、相変わらずわかってますね~。
メロハー好きのツボが。
2曲目に収録の落ち着きのある哀愁ミドルチューンです。
イントロだけでもうソワソワしちゃう危ない奴状態ですが、Aメロはお約束通りに静かな歌い出し。
徐々にフックさせながらもっていくサビも力まずにクールにキメてくれてます。
ギターソロも音数少な目の伸びやかなメロディが良いですね~。
DREAM EVIL | METAL GODS
アルバム概要
2024年7月26日リリースの DREAM EVIL 7枚目アルバム「METAL GODS」。
前作6枚目アルバム「SIX」から実に約7年ぶりとなる新譜ですね。
1999年にスウェーデンで結成された DREAM EVIL の中心メンバーはプロデューサーとしても知られる職人フレドリック・ノルドストローム。
2002年に衝撃のアルバム「Dragonslayer」で、当時のHR/HM界に鉄槌を喰らわすかのように華々しくデビュー。
バンド創設メンバーだった後のギターヒーロー「ガス・G」をメジャーシーンに知らしめた功績も大きいものがありました。
その後のメンバーチェンジの変遷を経ての本作「METAL GODS」。
これまた直球勝負のタイトルで一切の迷いが無いですね~。
まさに原点回帰。
アルバムとしての全体的なテーマは「闘い」だそうですが、正統派メロディック・メタルの王道を突き進んできた DREAM EVIL ならではの、説得力のあるタイトルです。
彼らが影響を受けてきたバンドやアーティスト、ヘヴィメタルそのものへのあふれるような敬意の念が込められているのが、これでもかと伝わってきますね。
おすすめの1曲
METAL GODS
アルバムのオープニングに配置されたタイトル楽曲には、本作に込める DREAM EVIL の熱過ぎる思いが凝縮されています。
実際の歌詞としてストレートに言っちゃってますからね…。
登場する METAL GODS レジェンド達は下記の通り。
- 「When Priest unleashed in the east…」(JUDAS PRIEST)
- 「Maidens, The number of the beast…」(IRON MAIDEN)
- 「The eagle has landed in the night…」(SAXON)
- 「I finally got peace of mind…」(IRON MAIDEN)
- 「When Manowar released battle hymns…」(MANOWAR)
いずれも異論の余地のない、腹落ちしてトリビュートできるバンドや作品ですね。
分厚い岩盤のようにゴツゴツした感覚の本曲ですが、その他の収録曲では北欧メロディアスならではの透明感のあるフレーズ、タイトでスピーディな疾走曲などバラエティ性も健在。
正統派としてのブレない姿勢と、期待を裏切らない作品を創出してくれる DREAM EVIL に感謝ですね。
ATLANTIC | ANOTHER WORLD
アルバム概要
2024年6月リリースの Atlantic 2枚目アルバム「Another World」。
Atlantic は今から約30年前の1994年にミュージシャン兼プロデューサーのサイモン・ハリソンによるプロジェクトとしてアルバム「Power」をリリース。
絶滅が危惧されていた当時のブリティッシュ・メロディアス・ハードロック勢としては高い希少性を有していました。
それにしても凄まじいセンスのジャケットデザインですね。
この作品は2008年に再リリースされています。
しかしながら、「プロジェクトあるある」で Atlantic はこのアルバム1枚のみを残して FADE OUT。
その後、1990年代末頃にサイモン・ハリソンは元グリム・リーパーのヴォーカリスト「故スティーヴ・グリメット」の弟である「マーク・グリメット」と接点が生まれ一緒に楽曲作りへ。
2021年頃から本格的にレコーディングに取り掛かり、約30年ぶりの復活 Atlantic としての新作完成に至ったようです。
Atlantic の新作「Another World」の音楽性は、一言で言ってしまえば「古き良き1980年代」のAORメロディアス・ハードロック。
決して奇をてらうことは一切なく、予定調和に従順に穏やかなメロディは進行し聴く者を安息の地に導いてくれる安心感に溢れています。
悪く言ってしまえば、激し目大好きメタラーの貴兄にはフックがなく凡庸な楽曲展開と一蹴されてしまいそう。
しかしながら、自称軟弱メロハー愛好会会長の私にとってはこの教科書通りのメロディアス・ハードロックが最高の悦楽の時間を与えてくれる宝物。
やっぱりやめらましぇ~ん。
おすすめ楽曲
Without Love
約30年ぶりの新譜にしては不気味なほどに落ち着き払った楽曲で幕を開ける本作。
何なんでしょう、この余裕は…。
もはやメジャーバンドの風格と貫録すら感じさせます。
注目のマーク・グリメットのヴォーカルは意外にもクセの無いオーソドックスなAORヴォーカリストそのもの。
凄みを効かせた低音域から圧巻の高音域までをフルカバーしていたお兄さんのスティーヴ・グリメットの面影はなく、非常に丁寧な歌唱が印象的です。
I’ll be Waiting
3曲目に登場する本作最高楽曲。
メロハーファンが泣いて喜びそうなキーボードイントロに続く美しいギター。
それにしても教科書通りのメロディ進行ですね~。
ある意味先が読めちゃうんだけど、期待通りになってくれて嬉しくなっちゃうパターン。
Ready Or Not
くほぉ~。
思わせぶりのクサ過ぎるギターイントロが堪りませんね~。
前曲(3曲目)に続き哀愁メロディを気負いなくしっとりと歌い上げるヴォーカルもナイス。
この手の楽曲作りの妙技にコテンとやられちゃうメロハーファンの姿が容易に思い浮かんでしまいます。
剛性、パンチ力不足という側面を補って十分にお釣りがくる楽曲の良さ。
大人のプレイでさりげなくまとめた中盤、そして気合い入れて弾いてみました的な終盤のギターソロもお見事です。
過去のおすすめ記事はこちらから
最期にお伝えしたいこと
このブログでは、楽曲を聴きながらレビューを楽しんで頂くために主に音楽サブスク配信サービスの音源を貼り付けています。
当初は何も考えず「Spotify」を貼っていましたが、途中から極力「Apple Music」に変更しました。
その理由は、「Apple Music」は再生された時にアーティスト側に支払われる報酬が他の音楽サブスクサービスに比べて圧倒的に高いので、アーティストへの応援につながるからです!。
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下記のリンク記事で詳しい内容をご紹介していますので、是非見てやってください。
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